ラストノート・48 | TVXQは近くにありて想ふもの

TVXQは近くにありて想ふもの

某国の赤い海を司る二人を愛でるブログです

鹿さん溺愛の虎ペンが、腐の目で思ったことを綴ります

妄想癖があるようです・・・

BL要素盛りだくさんですので、男性同士の絡みを良しとされない方はスルーしてくださいませ





気持ちが通じた・・・通じ合った




チャンミンは浮き足立った気持ちのまま、駆けるように家へと帰った

今ならなんでもできると思ったし

何もかもが上手くいくような気がしていた

身体に残るユノの手の力

確かに彼自身の意思でチャンミンを抱きしめていた腕

言葉を交わさずとも溢れ出す感情の波を、痛いほどに感じていた

一方通行ではないと感じられることが、ここまで幸福感をもたらすのかと驚く傍ら

チャンミンは細胞の全てが跳ねるような感覚に口元が緩んだ

喜びとは、こういうことなのだと

身をもって知った




しかし

そう、上手く事が進むはずもなかった




『悪い知らせだ』




学生時代からの付き合いであり、唯一利害関係なくともと呼べる男

チョ・キュヒョンから連絡が来たのはその日の昼前だった

カトクでもメールでもなく電話してきたキュヒョンは、チャンミンを近くの店に呼び出し説明した




「お前の親父さんの方が仕事が早かったよ」

「なんだって・・・?」

「もう、どこもお前のことをゲイだなんだとつつけないように、手を回されてる」




キュヒョンは大手の通信機関に務めており、父親は別の民放放送局の代表理事をやっている

今は他会社にいるキュヒョンだが、実家との関係が悪いわけではなく

情報の速さはその辺のネットニュースなどは比にもならない

チャンミンはこの男の力を借りて、さらなる情報戦を仕掛けようとしていた

必要であればシムグループの内部告発も辞さないという覚悟で挑むつもりで

しかし

すでに圧力をかけられ、身動きを封じられたのだった




「それからこれ、お前の婚約者だろ?」




キュヒョンの言葉にチャンミンは眉間にシワを寄せつつ

差し出されたスマホの画面を見ると、確かにそこにはソウォンが映っている




「これがどうした」

「フォロワー数を見てみろよ」

「・・・・40万人?!」

「ここ一週間ばかりで異常に増えてんだ」

「・・・・・・・・・」

「このアカウントが立ち上がったのはほんの二ヶ月前かな
彼女がそれ以前に表でSNSをやってた形跡はないんだが
このアカウント、なかなかにあざといよ」




キュヒョンに促されるままに画面をスクロールさせてゆくと

ソウォンの顔がすべて写っているものはひとつもない

必ず顔や体のパーツの一部分、または後ろ姿やぼやかした画像が並び

私生活を思わせる画像も、高級な食事やオシャレな服などよりも

ノンブランドの素朴なカップに淹れられたコーヒーや

飾り気のないテーブルに置かれた本、山や川などの風景写真

そして、タグにはいつも

『#待っています』

『#あなたを支えられたら

『#会いたいな』

『#信じてる』

などと、思わせぶりな言葉が並んでおり

公言はせずともチャンミンのことを匂わせているのは明らかで

ゲイであるとカミングアウトしたシムグループの跡取りチャンミンと、財閥令嬢ソウォンの行く末を、世間は面白い見世物として見守っているのだろう

日増しにコメント数は伸びて、彼女を応援するというフォロワー達の声に

真綿で首を絞められているような恐ろしさを感じた

このSNSの中にいる女はチャンミンが知るソウォンではない

演出され、作り出された実体のない女

しかしそれは『世間』という大きな味方を手に入れようとしている

父、ドンシクが敷いた脚本は

じわりじわりとチャンミンを追い詰めようとしていた