映画『マチネの終わりに』 | 牧内直哉の「フリートークは人生の切り売り」Part2

映画『マチネの終わりに』

『マチネの終わりに』

(上映中~:J-MAXシアターとやま、TOHOシネマズファボーレ富山、TOHOシネマズ高岡)

公式サイト/https://matinee-movie.jp/

 

芥川賞作家・平野啓一郎さんの同名ベストセラー小説の映画化です。

最近このフレーズ使ってませんでしたが、はい、原作未読ですよ。

世界的なクラシックギタリストの蒔野聡史と、

パリの通信社に勤務するジャーナリストの小峰洋子との恋物語。

と、簡単にいえばそうなのか、でも、そうではなかったような・・・。

 

蒔野を福山雅治さんが、洋子を石田ゆり子さんが演じています。

年齢的には大人の恋物語なんですけど、なんか大人の経験値を感じない。

まぁ、私もそんなにないので偉そうには言えませんが、そんな感じ。

序盤から辛気臭くてかったるくて、大丈夫なのかこれ?

僕、原作未読だけど、原作ファンが怒ってないかと勝手な想像までしました。

 

◆で、この先はネタバレが多いので、あらかじめ謝っておきます◆

 

洋子はね、いろいろバックボーンがあるんです。

「どんなときでも走らない」というポリシーを持っていて、

フランスの巨匠映画監督の再婚相手の娘だけれど、

その母は監督と別れて実家の長崎に暮らしていて、

語学に堪能で、学生時代の同級生の日系アメリカ人と婚約してて、

「なぜジャーナリストになったのか?」の問いにとりあえず答えていて、

パリのテロ事件に遭遇して、そのトラウマでパニックになることもあります。

でも、これらは魅力というよりはキャラクター設定ですよね。

 

なので、そこは関係なく、とにかく蒔野は洋子に一目惚れしています。

まぁ石田ゆり子さんですから。僕も大好きです。今回もずっと素敵でした。

僕は彼女のことをそんなに若々しいとは思ってないんですけど、

なんというか、アラフィフっぽいのに可愛いところが好きなんです。

とにかく、洋子を石田ゆり子さんが演じていることには意義があるのです。

 

一方、蒔野の方のキャラクターはというと、これが意外に薄いんです。

ギターは凄いんでしょう。13歳で師匠に弟子入りして、才能を開花させます。

でも、それ以外の部分がよく分からず、人としての魅力も希薄です。

好きな女性が客席にいないだけで、演奏できなくなっちゃった。マジか!?

そんな仕事で女に惚れてもらおうなんて思うなよ。プロならやりきれ!

 

「あなたが死んだら、僕も死にます」という追い詰めるような告白をして、

そりゃ、福山さんに言われたら卒倒する女性もいるだろうとは思いますが、

出会って2回目でその台詞、ちょっとイタイですよ。40代にもなって。

まぁ、そのくらい真剣というか、のめり込んでしまったんでしょう。

で、最初は戸惑った洋子ですが、意外とあっさり陥落したという(>_<)

ホントにどこに惹かれたんだか・・・。まぁ、恋ってそういうものかも。

 

そんなこんなでラブラブして結ばれちゃえば終わりの話なんですが、

そうさせなかったのが、蒔野のマネージャー三谷早苗でした。

彼女はマネージャーとしても蒔野を守る敏腕ぶりを発揮していましたが、

それよりもなによりも、蒔野の音楽も、蒔野自身のことも愛していました。

彼女の“なりすまし嘘メール”によって、蒔野と洋子は引き離され・・・。

数年後、洋子がもともとの婚約者と家庭を築いていたのはともかくとして、

蒔野はなんと!早苗と結婚して娘までいるじゃあ~りませんか!

 

早苗さん凄いです。彼女は蒔野と洋子の初対面から危機感を持ってました。

で、自分の想いを遂げるために手段を選ばなかったんです。

しかも、一瞬のチャンスを逃さずに策を講じました。さすが敏腕。

「客観視という主観」で彼女を非難する人もいるんでしょうね。

まぁ、私も「人としてどうなんだそれ・・・」と思わなくもないですが、

「自分の愛のためなら世界を変えても構わない」はアリだということを、

天気の子から教わっている僕は、ある意味、早苗やるな!てなもんです。

桜井ユキさん、最近大活躍の女優さんですね。

 

ところが、こっちが「早苗さん、あんた凄いね」と思っていても・・・。

このまま終わったらアカンでしょ!という一般市民の要望に応えるべく、

結局、また早苗が物語を展開させていくのです。

これがまた、良心の呵責とかそういうものは感じないものでして、

ぶっちゃけ「最後の判断は蒔野さんに任せますから」的な、

つまり、「私を選ぶなら選んでも良いですよ」的な突き放し方でして、

え~、(蒔野が洋子を選んだら)娘さんが可哀想なんとちゃう!?

その秘密は最後まで隠し通した方がええんちゃう!?

と、客席貸し切り状態だったので、思わずスクリーンに問いかけました(笑)。

ただ、洋子には選択させないように(まぁ、彼女はしないでしょうが・・・)

話を持っていってる上手さみたいなものは、やはり早苗にはあるんですよね。

 

で、蒔野はどうしたかというと・・・。

いや~どうしたと思います?どうしたのかなぁ・・・。

ここまでああは書いたけど、僕も早苗のようには生きられないしなぁ・・・。

なんか薄い物語なのに、こんなにネタバレ書いちゃいましたよ。

パリとかニューヨークとかの景色は、いつもの映画で観る風情でした。

僕、行ったことないのに、映画で何度も観たので行った気になってる(^_^;)