映画『THE GUILTY ギルティ』 | 牧内直哉の「フリートークは人生の切り売り」Part2

映画『THE GUILTY ギルティ』

THE GUILTY ギルティ

(上映中~4/18:J-MAXシアターとやま)

 

デンマーク映画です。原題は『Den skyldige』、和訳すると『犯人』ですが、

英訳は『The guilty』となっていて、日本上映のタイトルもそうなってます。

これだと、単純に訳すと『有罪』ってことになりますが、うーむ難しいなぁ・・・。

でも、映画は最後まで観てタイトルの意味を考える楽しさもありますね。

 

警察官のアルガーは、ある理由で現場を離れていました。

現場復帰が近づく中、ボランティアで緊急通報のオペレーターをしています。

これがなかなかにたいへんな業務でして、次から次へと電話がかかってくる。

そう大きな事件ではないけれど、対応に苦慮するものもありまして・・・。

 

そんな中、イーベンという女性からかかってきた電話は、

「今、男に連れ去られている。助けて欲しい・・・」というものでした。

事件エリアを特定して、パトカーの手配をして、オペレーターの役目は終わり。

あとは現場に任せて・・・。と済ますことが、アルガーにはできません。

 

この映画が面白いのは、まず、オペレーター室しか映されないこと。

PC画面のみの映像だったsearch サーチより情報が限られてる・・・かな?

我々もアルガーと同じように、電話の音声でのみ事件を認識しています。

徐々に事実が分かってはくるのですが、その事実は果たして真実か・・・。

 

もう一つ重要なのは、アルガーはなぜこの事件に執着したのかということ。

最初は良くも悪くも彼個人の正義感が溢れているのだと感じていました。

でも、警察組織は「後は現場に任せろ。それぞれの任務を遂行すれば良い」と。

警察モノによくあるパターンです。それで本当に解決できるんかい!

 

主人公はアルガーですから、彼に感情移入して鑑賞を続けていると・・・。

ん?おかしいぞ、この違和感はなんなんだろう?となってる自分がいました。

これは本編に限ったことではなく、人間の想像力なんてたかがしれていて、

物事というのは、はっきり言われたり、真実を知るまで何も分からないのです。

 

サスペンスなので、これ以上は書きませんが、

88分、最初から最後まで緊張感を持って鑑賞できて面白かったです!

そして、事件の顛末だけでない、怖い真実も終盤に明らかになり・・・。

これ、舞台でやっても面白いかもしれません。