七合目を過ぎると、渋滞が緩和されました。
七合目には7軒の山小屋あり、ここで宿泊する人たちがいるからです。
ヘッドライト以外の明かりはなく、
登山者も少なく、
気温もグングン下がっていく夜の登山道は怖かったです。
そんな中で登山ガイドに登頂断念を勧められているツアー客を2人見かけました。
すでにリュックをガイドに持ってもらって身ひとつで歩いているのだけど、まともに歩けていません。
Gパンの上から膝をテーピングで巻いてもらったり、(※Gパンで富士登山は無謀です。)
お尻を押してもらったりしながら歩いていました。
ちなみに、登山ガイドは背中に自分のリュック(平均7~8kg)を、
お腹側にツアー客のリュックを背負って歩いていました!
スゴーイッ!
そして午後9時過ぎ。
八合目に6つある山小屋のうち
3番目に標高の高い位置にある山小屋、“ 元祖室(がんそむろ) ” に到着。
本日のお宿です。
五合目から通常4~5時間のところを、私の鈍足と渋滞のせいで6時間かかりました凹
夕食は選択の余地なく、全員カレー。
それ以外のメニューはなく、お味は・・・ “ レトルトカレー味 ” でした。

男性には少なく女性には多すぎるくらいのご飯が入っています。
いまさらですが富士山は火山なので、上のほうには水もなければガスも電気もありません。
雨水を利用したり、下から持って上がったり、自家発電機ですべてをまかなっています。
それが分かっていたので完食したかったのですが、
極限の疲労状態にある私は食べきれず、ゴメンナサイしました。。。
この山小屋は1999年にフジテレビ 「 スマスマ 」 の罰ゲームで
木村拓哉と草彅剛が富士登山した時に泊まったところ。
他にもいろんな芸能人のサインがあったけど、あまりにも疲れているものだから感激も薄く、
「ふーん・・・。」 くらいにしか思えませんでした。
他はどうなのか知りませんが、
山小屋って基本、雑魚寝で、しかも畳1畳に2人で寝るくらいの狭さです。
雑魚寝なので、自分の隣には性別関係なく他人が寝ます。
オマケに、お風呂はもちろん更衣室も洗面所もありません。
トイレは男女別にありますが、着替えることも、顔を洗うことも、歯磨きも、髪を梳くこともできません。
(他人に見られて構わないならお好きにどうぞ、という状態です。)
そして私たちのパーティーに与えられた場所は 「え?押入れ?」 って感じの場所。
襖のない押入れにカーテンが1枚かかっている状態を想像していただければいいかと思います。
しかも “ 押入れベッド ” は男女別にもなっていなくて、
そこにミイラのポーズ(胸の前で腕をクロスした状態)で、
箱詰めクッキーみたいに斜めに重なって寝るわけです。
だから、1人が寝返りをうつと、屋台の焼モロコシみたいに全員がコロンコロン寝返りを打つことになり、
私は気の毒なくらいK課長に全身を密着させて寝ました。

寝ると言っても “ 眠れる ” わけではなく、
「横になって目を閉じているだけ。」 と言ったほうが正しい感じ。
なぜなら山小屋では24時間、人の出入りがあります。
高山病になって駆け込んでくる人、
金剛杖=八角や四角の白木の杖に登山記念の焼き印を押してもらいに入ってくる人、
トイレに行く人、
大声ではなくとも誰かしらどこからか話し声も聞こえてくるし、眠れるはずもなく・・・。
・・・って、そんな中でもディレクターさんは職業柄か?本当に強者。
一番初めに寝息を立てて、何度かイビキもかいていました!スゴイ!
夜中の12時になると、山小屋の従業員が
「12時です。山頂でご来光を見る人は起きてください。」
と声をかけてきます。
私たちのパーティーは山小屋の前で見る予定だったので起きませんでしたが・・・
ちょうどそのころ、ロキソニンの効果が切れて
みるみるお腹が痛くなり、さらに頭痛と吐き気もしてきました。
後になって思うのですが、私、高山病になっていたのだと思うんです。
4時に起床予定だったのでそれまで粘ろうと思いましたが、
「あと4時間も絶対に我慢できない!」 というくらいの痛みと吐き気になってきたので、
結局起きだしてロキソニンを飲みました。
薬が効き始めるまでの30分、トイレに行ったり、押入れベッドの外でお腹をナデナデしたり、
痛いわ気持ち悪いわ眠たいわ寒いわ・・・辛かったです。
2012年8月5日日曜日。午前4時。
徹夜に等しい状態で起床。
富士山の山頂は8月でも平均気温が6度しかない、ツンドラ気候に分類されるのだとか。
気象庁の発表によると、この日の最低気温は5.4度。

これくらいの真冬装備じゃないと寒いです。

下にも

上にも、人がいっぱい。
そして・・・


4時52分。
ご来光です!
寒いからか?空気が薄いからか?すごく綺麗だからか?感動したからか?胸が高まりました。

「ココに合わせて撮ってください!」 って言ったのに、撮れてないじゃんッ!

今度はうまく撮れました☆

神奈川県の相模湾と朝日の図。
朝ご飯は山小屋の用意してくれたお弁当です。

とても何かを食べられるような体調ではなかったけど、後のことを考えて無理やり食べました。
富士山の上でやりたかったことのひとつ、
「大山(だいせん:鳥取県)の水を富士山の上で飲む!」
ってことで持ってきた水と一緒に。(持って上がってくれたのは山岳部君だけど。笑)
「あの~、お茶は?」 と聞いた客がいたのですが、従業員は
「お茶は夕食のときだけです。朝食には出ません。」
とキッパリ。山小屋とはそういうモンなのですね・・・。
牛肉のしぐれ煮?みたいなのが付いていたけど、これはどうしても食べる気になれず残しました。
そしてここでもディレクターさんはモリモリ食べていました・・・。
ホント、スゴイな。
そうそう。
ふりかけはなぜか我が広島県の会社のもので、ちょっと嬉しかったです!

身支度を整えて、6時。
いよいよ山頂アタックです。
ということは・・・
地獄の苦しみはまだまだ続きます・・・。