それは歩き始めて直ぐ、本当に、本気で思ったことでした。
「救急車、ここまで来てくれるかな。」

平地でマラソンした時やプールで1000m泳いだ時の、あの、
心臓バクバク、ゼェゼェ、ハァハァ、いうのとは全く違う、
独特の物凄い苦しさでした。
胸じゃなくて、鎖骨や首、おそらく頸動脈のあたりが痛くて、うまく呼吸できていないのが自分でも分かるほど。
「私、たぶん、心臓発作起こしてる。」
って思いました。7年近く毎日のように水泳をしてきて、
今年の4月からは水泳にプラスしてウォーキング・マシンで歩いて、
それでもこんなに苦しいなんて、どういうこと?!
そうか。 きっと私は循環器系と呼吸器系が生まれつき弱いんだわ。
(※あくまで素人の診断です。)
曾祖母、祖父、父・・・と代々、喘息もちの家系で私もプチ喘息。
標高が高くて気圧が低い富士山なんかでうまく酸素が取り込めるわけないよ。
(※あくまで素人の診断です。)
そういえば、今から20年前の学生時代、
長野県の戸隠(とがくし)高原へ何度かスケッチ旅行に行ったとき。
標高1200mくらいの村の中を少し歩くだけで、ものすごく苦しかった。
同級生たちは平気そうにしていたけれど、私だけがゼェハァ言いながら歩いたっけ。
当時は日頃の不摂生のせいだと思っていたけれど、そうじゃなかったんだわ。
(※あくまで素人の診断です。)
そうよ。 きっと私は循環器系と呼吸器系が生まれつき弱いんだわ。
(※あくまで素人の診断です。)
オマケに、なんとこの日、生理2日目凹。
毎月激痛と大量出血でロキソニンとタンポンが欠かせないこの私が
よりにもよって生理2日目で富士登山。
だとしたら、このまま頂上まで耐えられるとは思えない。
どうやって 「やっぱり止めます。」 って言おう? どうやって言い訳しよう?
・・・そんなことを考えながら歩きました。
でも、
五合目を出発して、まだ六合目にも着いていないのに
何度も立ち止り(=休憩)遅々として進まない私を見かねて、
山岳部君が私の飲料水(1リットル!)と食料と防寒着を持ってくれました。
さすが山岳部・・・。
「腹式で深呼吸して。」
「水飲みますか?」
「飴を食べる?」
みんなが私をサポートしてくれました。
TBSドラマ 「サマーレスキュー」 第2話(2012年7月15日放送)で
主人公:向井理クンが派遣されている夏山診療所の山荘の主人が、登山ガイドに
「山では一番体力のない人に合わせるのが常識だろ!」
と胸ぐらをつかんで怒鳴るシーンを思い出しました。。。
みなさん、ありがとうゴザイマス。(嬉涙)
しっかし、山岳部君とディレクターさんは元気!
2人でサクサクと登って行き、
歩幅30センチ亀の歩みの私と、それに付き添い後ろでサポートしてくれるK課長が追いつくと、
またサクサクと先へ登って行くのです。
タフだ・・・。
そうしてやっと到着した六合目。

標高2390mはガスってます。

止まって休憩しているときはこんなポーズで写真を撮る余裕があります。 なぜか。

六合目まで来ると、もう木は生えていません。
辛うじて高山植物が生えています。
ここは木も生えないような厳しい環境です。
六合目で休憩していると、山の上から大きな馬が下りてきました。
(富士山は7合目まで馬で行けるそうです。)
馬主?御者?が歩きながら馬をひき、
その背には白装束の山伏(やまぶし)が乗っています。
山伏は汗と埃でドロンドロンに汚れていて、
今にも落馬しそうなほどグラングランしています。
山伏よ・・・どれだけ厳しい修行をしてきたの?!
それとも、富士登山はそんなに辛いものなの?!
地獄の苦しみはまだまだ続きます・・・。