夏休みシーズンに入って少し経った頃、
ある朝、私が通勤で利用している駅の前に、母校の制服を着た中学生が行列を作っていました。
ある朝、私が通勤で利用している駅の前に、母校の制服を着た中学生が行列を作っていました。
1列で静かに行儀よく並んでいたのですが、
30~40人いたので通行の邪魔になるほどでした。
30~40人いたので通行の邪魔になるほどでした。
何事かと思いながら進んで行くと、
小さな駅のひとつしかない改札口に、中学生と通勤客が集中して渋滞を起こしていました。
小さな駅のひとつしかない改札口に、中学生と通勤客が集中して渋滞を起こしていました。
しかも、自動改札に不慣れでマゴマゴしている中学生たちを優先して通してあげようとする
気の優しいオバサマがいるものだから、私たち通勤客が進めない。
気の優しいオバサマがいるものだから、私たち通勤客が進めない。
我ながら大人げなかったと思いますが
猛暑で気が短くなっていた私は強引に割り込んで改札を抜けました。
猛暑で気が短くなっていた私は強引に割り込んで改札を抜けました。
その瞬間に、フと思いだしたのです。
私が小学生の時の、電車にまつわる事件を・・・。
何年生だったかは覚えていないのですが、
遠足か社会科見学か何かで、「自分で切符を買って電車に乗る。」 というのがあったのです。
遠足か社会科見学か何かで、「自分で切符を買って電車に乗る。」 というのがあったのです。
先生が生徒ひとりひとりに小銭を持たせて、
1人ずつ自動券売機で切符を買い、
1人ずつ改札でパンチしてもらう(←当時は自動改札なんて無かったから。)という体験をしました。
1人ずつ自動券売機で切符を買い、
1人ずつ改札でパンチしてもらう(←当時は自動改札なんて無かったから。)という体験をしました。
当時の私のクラスは42人前後。
その一人一人に体験させるのだから、
担任の先生は大変だっただろうと、大人になった今になって思います。
その一人一人に体験させるのだから、
担任の先生は大変だっただろうと、大人になった今になって思います。
もちろん、当時の私たちはそんなこと思ってもないわけで(笑)
ドキドキワクワクで電車に乗りました。
ドキドキワクワクで電車に乗りました。
それは帰りの電車でした。
(行きはどうやって行ったのか、それどころか、どこへ行ったのかも覚えていません。笑)
(行きはどうやって行ったのか、それどころか、どこへ行ったのかも覚えていません。笑)
私は男女4~5人のグループで座っていたのですが、
その中の1人、I 君が、
その中の1人、I 君が、
と言い出しました。
そうです。
先生は、切符の買い方と電車の乗り方は教えてくれたけど、
切符の “ その後 ” の扱い方を教えてくれてはいなかったのです。
切符の “ その後 ” の扱い方を教えてくれてはいなかったのです。
私の地元は田舎なので、公共の交通機関の便がよくありません。
だから、移動手段は徒歩か、自転車か、“ 自家用車 ” です。
だから、移動手段は徒歩か、自転車か、“ 自家用車 ” です。
ということは、大人が車を使えば子供も乗ることになるわけで、
子供が公共の交通機関を利用することは稀なのです。
子供が公共の交通機関を利用することは稀なのです。
ということは、切符の扱い方を知らないのです。
I 君の疑問に答えられる子は、私を含め誰もいませんでした。
I 君 : 「捨ててもエエんかな?!」
私を含むその他 : 「エエんかな?!」
I 君 : 「窓から捨てちゃおうか?!」
私を含むその他 : 「捨てちゃう?!」
頭が良くて、性格もよくて、男女問わずみんなの人気者だった I 君の言うことだから(笑)
「捨ててもいいんじゃないかなあ?」
という気持ちに傾いていた私たち。
「捨ててもいいんじゃないかなあ?」
という気持ちに傾いていた私たち。
そうは言っても、I 君自身も私たちにも迷いがあり、
しばらくの間は 「どうする?どうする?」 なんて言っていたのです。
しばらくの間は 「どうする?どうする?」 なんて言っていたのです。
だけど、ほんの少しだけ開いていた窓辺で、切符をピラピラさせていた I 君。
「どうしよっかな?どうしよっかな?」
| ぴゅ~う! |
切符はあっという間に電車の外へ飛んでいってしまいました。
I 君も私たちも声を揃えて、
「あ~あ!」
「飛んでっちゃった~♪」
なんて言ったものの、罪の意識なんてありませんでした。(笑)
「あ~あ!」
「飛んでっちゃった~♪」
なんて言ったものの、罪の意識なんてありませんでした。(笑)
そして、下車駅に着いたわけですが・・・
改札口で 「切符を出しなさい。」 と言われた私たち。
そのときのなんともいえない重い空気を今でも鮮明に覚えています。(苦笑)
駅員のオジサンが先生と I 君の2人をものすごい勢いで怒ってきて、
(子供心に、「大人げない怒り方するなあ?」 と思ったことも覚えています。笑)
怒られた先生はさらに I 君をものすごく怒りました。
(子供心に、「大人げない怒り方するなあ?」 と思ったことも覚えています。笑)
怒られた先生はさらに I 君をものすごく怒りました。
一緒にいた私たちはとても悲しくなりました。
確かに切符を窓から落としたのは I 君だけど、
一応、みんなで相談(?)したし、
その場にいた誰も反対しなかったし、
先生だって、「切符は下車する駅まで大切に保管しなさい。」 って教えてくれなかったし。
一応、みんなで相談(?)したし、
その場にいた誰も反対しなかったし、
先生だって、「切符は下車する駅まで大切に保管しなさい。」 って教えてくれなかったし。
でも、怒られるのは I 君1人だけなわけで、
でも、誰も助け舟を出すことが出来なくて・・・。
でも、誰も助け舟を出すことが出来なくて・・・。
こうして、楽しいはずの電車体験は、しょんぼりした気持ちで締めくくられたのでした。
後日、先生が教えてくれたのですが、
ものすごく怒っていた駅員のオジサンは、その日のうちに懐中電灯を照らしながら線路を歩き、
I 君が窓から落とした切符を探し当てたのだそうです!
(そして I 君は再び怒られ、たしか、駅員さんに頭を下げに行かされたはず・・・。)
ものすごく怒っていた駅員のオジサンは、その日のうちに懐中電灯を照らしながら線路を歩き、
I 君が窓から落とした切符を探し当てたのだそうです!
(そして I 君は再び怒られ、たしか、駅員さんに頭を下げに行かされたはず・・・。)
私は子供心に
「引率者がいる団体行動をしていた子供なんだから無賃乗車してないのは明らかなのに、
200円もしない切符1枚で、そこまでする必要があるんかな?」
と冷ややかに思いました。(笑)
「引率者がいる団体行動をしていた子供なんだから無賃乗車してないのは明らかなのに、
200円もしない切符1枚で、そこまでする必要があるんかな?」
と冷ややかに思いました。(笑)
そんな出来事をフと思い出して、
私は朝から懐かしい気持ちでいっぱいになりました。
私は朝から懐かしい気持ちでいっぱいになりました。
30年近く経った今でも、やはり、うちの地元の子供たちは
中学生になっても上手に電車に乗ることが出来ないんだなあ・・・。
中学生になっても上手に電車に乗ることが出来ないんだなあ・・・。
ケータイやパソコンはじゃんじゃん使えるのに、
自動改札口を通るのは苦手なんだなあ・・・。
自動改札口を通るのは苦手なんだなあ・・・。
やっぱり、田舎ぢゃなあ!(苦笑)