《お邪魔しました〜》
2人は、オフクロが勧めた麦茶とシュークリームのうち、冷たい麦茶だけをサッと飲んで立ち上がった。
“あら、まだ良いじゃない。ゆっくりしていって………”
おふくろが引き止めたが
〔いえ、我々は智くんを送ってきただけなので、これで失礼します。〕
ふぅん。
智だけしか興味がないってことか。
一応、おれも同級生なんですけどね。
松本なんか、クラスも一緒だったのに。
玄関まで送ったオフクロが
“ふふ……智くん、人気者ねぇ。”
なんて、呑気に笑ってる
さっ、アイツラが帰ったんだから、部屋を空け渡してもらおうか。
♫〜♪
オレは自分の部屋に向かった
バタン…
❣……わわっ……
寝てる…………
翔さんはねぇ
その寝顔に弱いんだってばぁ〜
はあぁぁぁ……………
何で寝てると、コイツ女子に見えちゃうんだろう。
デカいため息が聞こえたのか
『ぅ…………ン……』
ヤバい起きちゃった
『………あっ、このベッド……ごめんなさいっ、すぐ退きます』
「お願いしますね。」
『痛っ!』
動いた途端に、頭を痛そうに抑えてる
熱中症のせいか?
「おぉい。大丈夫かよ……」
『う…ん。何とか』
「仕方ない。暫くここで寝ると良いよ。」
そう言って、着たままのジャケットを脱がせてあげた。
オレって……こんなに親切だったっけ?
クーラーを弱めて遮光カーテンを引っ張った。
もう、オレのベッドに服のままのサトシが横になっていても、超潔癖症センサーは反応しなかった。
“智くん、まだ寝てるのかしら?
”
智は、ぐっすり寝込んでしまったのか?
その晩、食事時間になっても起きてこなかったんだ。
まぁ、そのうち起きるだろうと
シャワーを浴びて、部屋に向かう。
この時、オレは使ってない智の納戸部屋を利用すれば良かったんだ。
だけど、真面目に頭が硬いオレは、自分の部屋で寝ることしか思いつかなかった。
コンコン………
反応無いけど、これも想定内です。