梅雨明けのある日のこと。。。
"車のどこかから猫の鳴き声がするので猫を出して欲しい。”
と、お客様からの依頼を受けました。
工場にて車の隅々まで探すも猫はどこにも見当たりません。。。
"猫ちゃんいないね、途中でどこかに逃げたのかもね。"と、猫探しは終了。
猫の鳴き声も姿もないので、預かった車もお客様に返し一件落着!!
と思っていたのもつかの間、、、
板金工場付近から子猫の鳴き声が聞こえる!!という情報が!!!
板金工場付近には動くことのない車が何台も置いてあり、
その車に隠れながら小さな子猫が母親を探しているようでした。
鳴き声を頼りに猫を探しに行くと、、、
置いてあったタイヤの上でにゃーにゃー叫んでいる生後一ヶ月くらいの子猫を発見。
近寄ってみるも逃げてしまい捕獲失敗。
どこかに隠れてしまい全く出て来ませんでした。
その次の日も、次の日も捕獲を試みても野良猫ちゃんはやはりそうそう捕まりません。
もう諦めかけた頃、なんとなく子猫がいるだろう付近で猫の鳴きまねをしてみました。
”まーお・まーお"
そんな感じで鳴いてみると、
"ニャーニャーニャーニャーニャーニャー!!!!"
と、叫び過ぎてハスキーボイスになっている子猫の鳴き声が大きく聞こえてきたのです。
わたしは
”まーお・まーお"
と鳴き続けながら猫が入っているだろう車を特定し、そーっ、とボンネットを静かに開けてみました。
すると、エンジンルームの上付近でやっとぴょんぴょんできるくらいになったばかりの子猫が、
こちらをキョトンとした顔で座って見ていました。
わたしも "はじめまして" な感じすぎて、きょとんと猫を見ちゃいまして、2秒間くらいお互いに見合っていました。
うっかり思考停止してしまっていたのですが、
”あれ?誰?ヨイショ・逃げよう〜”
とでも言っているかのように
そーっと逃げようとした子猫の様子を見たその瞬間、子猫の首筋を右手でキャッチ。
がしかし!!!
野良猫の生きようとする力はすごすぎる。
ここ数日間ろくなものも食べていないだろうやせ細った小さな猫。
逃すまい!!と強く猫の体を掴んだわたしの手の中、ものすごい勢いで暴れながら力いっぱい噛み付いてきました。
針が思い切り指に刺さったくらいの痛みに、わたしもうろたえてしまいました。
でも、ここで逃したらもう絶対捕まらないだろうという気持ちで、そのまま暴れる猫を着ていたパーカーに包み捕獲しました。
まーお・まーおの鳴き声から捕獲まで、ほぼ無意識で捕まえるということに自然と体と気持ちが向く感覚でした。
野生との格闘というハンターとしての本能に触れた、そんな捕獲劇でした。
その後の猫の様子はまた後ほど。。。