「ピアノを弾く」
とか、
「音を出す」
とか、
気軽にいうけれど、
何十年もピアノを弾いているのに、
音が無から有に切り替わる、
まさに音が鳴る瞬間を、
捕まえられたことは一度もない。
ピアノを弾く一連の動作のなか、
指先が鍵盤を下ろしたあたり、
あ!
という、
瞬きより短い瞬間に、
すべてが起こり終わって、
すでに、
空間に音の波紋が広がっている。
その瞬間を追求していくと、
時間のないところに出る。
それを、
刹那と言うのだと思う。
弾く瞬間って、
つたない外国語を話すのに似てるな、
と思う。
自分を観察すると、
脳内でぴったりの言葉を見つける前に、
その言葉によって生まれるであろう情動が、
ぐわーっと上がってきて、
それを原材料にして、
言葉に変換してる。
それを音に変換すれば音楽になる。
見えない世界と、
見える世界。
見える世界に出てしまった音は、
もう取り消せないけれど、
見えない聞こえない時間も空間もない世界は、
豊かでエキサイティングな無限の可能際に満ちている。
無から有の刹那に立ち会うのが、
生きる醍醐味なんじゃないのかな。
(つづく)
注)一日一即興アップしていますが、その日に録音したものとは限りません。
旅行等で録音できない日もあるので、一回にいくつも録音して、その日の気分で選んでアップしています。
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★本日の即興演奏★
(一日一即興998日目2019年9月3日)
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