実家で週末を過ごし、東京へ戻った。
日曜の午後は旅行から帰ってきた家族連れやデートを楽しむカップルがたくさんいた。
こうやって、世の中にはたくさんの人がいるのに、なぜ私だけが・・・という気持ちが湧き上がってくる。
本当はそんなことを考えてはいけないのだろうけど、心が闇から脱却できない限りは、マイナス思考は続いていく。
たくさんの人集まる東京駅を、一人荷物をコロコロと転がしながら、狭い東京の部屋へ帰っていった。
数日後、CT検査とエコーでの検査。
まず、CTは前回よりも詳しく上半身全体を撮った。
前回は造影剤を使ったが、今回は使うことはなかった。
ちなみに、造影剤というのはバリウムみたいな飲み物ではなく、点滴のような形で、腕に針を刺して、液体を注入をする。
針は刺したままCTの撮影を行うが、体が液体が体に入るのと同時に体が熱くなる感じだったから、とても気持ち悪い感じが残る。
今回はそれを使わないということだったから、少し安心した。
そして、エコー。
エコーは薄暗い部屋で行う。
はじめは若い女性が担当した。
たぶん、自分とあまり歳が変わらないような方。
膨らみがある右側の首と喉の中央のほう。
息を止めたり、角度を変えたり。
女性が意識はしていないだろうが、「ふぅん」と言葉を発した。
その言葉にドキっとする。
「やはりその病気で間違いないのかな・・・」
その後、年配の男性も担当しながら、結構念入りに検査をし、約30分はかかった。
この日の検査で、すべての検査は終了。
あとは、3日後にある先生との診断で、病名が伝えられることになる。