シーズン3 登場人物
主人公 紀子(ノリコ)さん
…40歳のワーママで一人息子は高校生。美容オタクでスタイルの良い美人。料理はプロ級。
紀子の夫 マサル
…紀子さんの大学時代の先輩。都内で祖父の代から引き継いだ不動産会社を経営している。スマートで男女問わずモテる。
紀子の親友 真子
…紀子とは高校時代からの親友。紀子たちの結婚式で健二に一目惚れされて結婚。娘が二人いる。
真子の夫 健二
…マサルと大学時代のサークル仲間。普段はマサルとよくサーフィンに行っている。明るく子煩悩。
※このブログは様々な女性の人生の一部を、私が本人に変わって書いています。
シーズン1 ミキの芝生 『不穏な着信』
シーズン2 武田さんの芝生
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私
「紀子さん…ごめんなさい…
ごめんなさい…」
電話越しに伝わる
紀子さんの悲しみに、
私は耐えられなかった。
夫と親友。
信じていた人
信じたかった人に
裏切られたのだ。
こんなこと、真実だったとしても
第三者の私が
伝えるべきじゃなかったのか。
紀子さん
「う…うぅ……」
紀子さんはたまらず泣き出した。
私
「……ぐすっ…うぅぅ」
紀子さん
「パンダさん、謝らないでください…
泣かないでください…
でも、一緒に泣いてくれて
うぅぅ…うぅ…
どれだけ今、
救われているか…うぅ…
パンダさんは、
真実を教えてくれただけです。
悪いのは夫と真子です。
だからどうして、
どうして…うぅ・・・」
紀子さんは
しばらく泣いていた。
私まで泣いてどうする。
そう思ったが、辛かった。
紀子さん
「パンダさん…
このことはすぐに
マサルと真子に話すべきでしょうか。
二人同時に?
それともマサルに?
なんか、自分ではうまく思考が…」
私
「そうですね、
すぐには思いつかないですよね…
でも前にも伺いましたが
紀子さんはマサルさんと
離婚したくはないんですよね?
それは、今も変わりませんか?
その気持ち次第で今後の動き方は
違う気がするんです。」
紀子さん
「離婚…そうですね…
そうしたくはないですが、
でも…わかりません。
このまま黙ってはいられなくて…
マサルが何を
考えているかにもよりますが…」
紀子さんの最後の言葉で
私はこのまま二人で
泣いている場合じゃないと思った
私
「紀子さん。
この件の主導権は、
マサルや真子ではないんですよ?
マサルが何を考えているかなんて
関係ありません。
紀子さんの気持ち次第です。
紀子さんが黙っていられないなら
動きませんか?
私は弁護士でも専門家でも
探偵でもありません。
だから正解なんてわかりませんし
こんなこと
勝ち負けでもないかもしれません。
だけど…このままじゃあ絶対に
悔しいじゃないですか。」
紀子さん
「パンダさん…うぅぅぅ…
そうしたいです。
でも今までどこか
真子やマサルに制裁を与える。
といった考えは
いけないことだと思ってました。
…いいんですよね?戦って。」
私
「…紀子さんすいません。
私脳内では紀子さんより先に
真子には何回も往復ビンタやら
顔ぎゅー、やら、足つかんで転がすやら
色々してます。」
紀子さん
「ふっ。」
あぁ、少し笑ってくれた。
紀子さん
「パンダさん…
そんな面白いこと
真面目な声で言わないでください。
でも…はい、そうですよね。
泣いてはいられませんよね。
私、ちゃんと戦います。」
紀子さん、そうと決まれば
作戦会議ですね。
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