第四章 第拾壱話 何度この手を汚しても(11) | As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

版権作品にオリジナル人物を入れての二次創作小説を載せてます。
『遙か』シリーズが中心です

本宮へ向かう中感じる言い知れない感覚。

それはねっとりと身体を這う嫌な感覚。


(見られている?)


悟られぬように辺りを探るように見るが

人の気配は一切感じない。

だからこそ余計に感じが悪い。


「ぼんやりしてどうした?」


「将臣・・・」


隣で歩いている将臣が咲弥に聞こえるだけの声で尋ねる。

咲弥も前を歩きながら、返事を返した。


「俺達は後ろから歩いているから、他のやつらにはわからない」


「一応ね」


咲弥はそれでも警戒心を解く事無く口を開いた。


「Eu tenho um sentimento desagradável(嫌な予感がする)」


「É um sinal de Genji?(源氏の気配なのか?)」


いきなり言葉を変えた咲弥に将臣にも緊張がはしる。


「Um sentimento mais desagradável diferente

.O sinal que não é uma pessoa(違う。もっと嫌な感じ。人じゃない気配)」


「É dizer como?(どういうことだ?)」


源氏でなければ何なのか?と言わんばかりの問いかけに、咲弥は

落ち着くように告げると、言葉をつなげた。


「É assistido.A ação não seja percebida em outro lugar cuidadosamente

(見張られている。行動は慎重に他に悟られないように)」


「O consentimento(了解)」


将臣の返事に、咲弥は小さく頷きようやく将臣の顔を見ると

にこやかに微笑を見せた。


「怨霊だ!」


九朗の言葉に、前を歩いていた八葉が武器を手に構える。

将臣も咲弥から離れ望美や八葉の元へ走っていく。


「こちらへ」


後ろにいた咲弥の腕を掴むと弁慶は自分の背後へ回し長刀を構え持つ。

彼に自分の正体を知られては居なくて

それを悟られることは出来ず、頷き弁慶の背後で彼らの戦いを見ることになる。


(あなた方の戦い方、見せていただきますね)


咲弥は怨霊と向き合っている望美と八葉を見ながら目を細めた。












※二人で話している言葉は「ポルトガル語」です。