超えてはいけないこの境界線だけは(4) | As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

As lagrimas que a lua derramou~月が零した涙

版権作品にオリジナル人物を入れての二次創作小説を載せてます。
『遙か』シリーズが中心です

暗い闇に一人。


~こっちへ~


〔やめて・・〕


~おい。抑えろ!?~


〔お願い・・やめ・・〕


~こ、こいつ・・~


〔誰か・・〕


~大人しくしろよ!!~









◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





「きゃぁぁぁぁぁぁあ!!」


家中に響き渡る悲鳴。

ぐっしょりと濡れた身体。

震える身体を見つめ、護るかのように抱きしめた。


(夢よ・・・。夢・・・)


自分に言い聞かせながら珠洲は大きく深呼吸する。

けれど心臓の鼓動は激しくて、溢れてくる涙は抑えきれずに。


「珠洲!」


ドンドンと扉を叩く音と真緒の声が

部屋の外から聞こえる。

当たり前だ。あれほどの悲鳴を上げれば家に居る者なら

何事かと慌ててくるだろう。


「珠洲!開けて頂戴!」


「姉さん!」


真緒姉さんに加えて、陸の声も外から聞こえる。

けれど―――。


「・・・・・・ごめんなさい」


「珠洲!」


「大丈夫だから・・」


「何言っているの!!」


苛立ちに似た声が外から聞こえる。

悲鳴を上げてなんでもないといわれ納得するものなどいない。


「ここを開けて!」


「大丈夫だから!」


大声を出した私に驚いたのか、真緒姉さんの声も陸の声も聞こえなくなった。


「ごめんなさい。少し怖い夢を見ただけだから・・」


「珠洲・・・。何があったの?お願いだから」


「・・・・・・・ごめんなさい」


ずるずるとドアノブを掴み崩れ落ちる。

遠くから姉さんの声が聞こえるけど。

私はそのまま意識を保つことが出来ず目を閉じた。













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あとがき

亮司さんが出てこない・・(_ _。)

つ、次のお話には出てきますので・・。