暗い闇に一人。
~こっちへ~
〔やめて・・〕
~おい。抑えろ!?~
〔お願い・・やめ・・〕
~こ、こいつ・・~
〔誰か・・〕
~大人しくしろよ!!~
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「きゃぁぁぁぁぁぁあ!!」
家中に響き渡る悲鳴。
ぐっしょりと濡れた身体。
震える身体を見つめ、護るかのように抱きしめた。
(夢よ・・・。夢・・・)
自分に言い聞かせながら珠洲は大きく深呼吸する。
けれど心臓の鼓動は激しくて、溢れてくる涙は抑えきれずに。
「珠洲!」
ドンドンと扉を叩く音と真緒の声が
部屋の外から聞こえる。
当たり前だ。あれほどの悲鳴を上げれば家に居る者なら
何事かと慌ててくるだろう。
「珠洲!開けて頂戴!」
「姉さん!」
真緒姉さんに加えて、陸の声も外から聞こえる。
けれど―――。
「・・・・・・ごめんなさい」
「珠洲!」
「大丈夫だから・・」
「何言っているの!!」
苛立ちに似た声が外から聞こえる。
悲鳴を上げてなんでもないといわれ納得するものなどいない。
「ここを開けて!」
「大丈夫だから!」
大声を出した私に驚いたのか、真緒姉さんの声も陸の声も聞こえなくなった。
「ごめんなさい。少し怖い夢を見ただけだから・・」
「珠洲・・・。何があったの?お願いだから」
「・・・・・・・ごめんなさい」
ずるずるとドアノブを掴み崩れ落ちる。
遠くから姉さんの声が聞こえるけど。
私はそのまま意識を保つことが出来ず目を閉じた。
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あとがき
亮司さんが出てこない・・(_ _。)
つ、次のお話には出てきますので・・。