最近面白いことに気付いた。読んで面白い本を書いた人、深みを思わせる思想家は戦争を迎える年に青年期や壮年期に達している。戦争をまたいで生きている。戦争は人間の価値観に大きな影響を与える。

 イーバー ディー ドムハイト(愚鈍について)を書いたホルスト・ガイアーは1907-1958を生きた。ドイツにおける人間の愚かさを目の当たりに見て書いたと思われる。

 ハンナ・アーレントは1906-1975を生きた。全体主義を生むメカニズムを書いて興味深い。


 ハイエクの本も面白い。1899-1992 を生きた。

  誰しも理想というものはある。こうなるといいなぁというモデルはあるが、戦前戦後の民主政治を観察したときには、人間の理性に僅かの期待しか持てないようになってしまった


 すべての問題は大衆が操縦されやすい、洗脳されやすい、ということを外しては全く考えられない。

 
 戦中、戦後に生まれた人の思想は明解ではあるのだが、いまいち面白さに欠ける。説得力が無い。ただただ戦後民主主義の洗脳(つまりはGHQの洗脳)に染まった思想から一歩も出てないからだ。