ワルボロ (幻冬舎文庫) | 誇りを失った豚は、喰われるしかない。

誇りを失った豚は、喰われるしかない。

イエスはこれを聞いて言われた。
「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」
(マルコによる福音書2章17節)

70年代末期に繰り広げられるゲッツ板谷氏の

自伝的な10代の物語です。

「みんなワルくてボロかった」

このキャッチコピーを考えた人はすごいと思いました。

まる。







ライターで有名なゲッツ板谷氏ですが、これは彼が


初めて書いた自伝的な小説です。


彼のムチャクチャだった10代の頃がすごく鮮やかに


描かれていて、とても面白かったです。立川には東京に


いた頃に仕事でよく行っていたので、この本を読んでいて


地名が出てくると『あぁ、あそこか』と場面を思い浮かべる


ことができました。

内容そのものに関してはケンカ。ケンカ。ケンカ。また


ケンカとよくもまぁこんなにケンカができるほどケンカ三昧


です。特に朝鮮高校の生徒との対決シーンや卒業式での


最後の戦いはすごく印象に残っています。そんな日々でも


その中でもヒロイン(映画版では新垣結衣さんが演じて


いましたね)との切なくて淡い恋があったり、青春小説としては


出色の出来ばえだと思います。

僕は彼のような10代は送っていませんし、その頃付き合って


いた友人も今では疎遠になってしまっているので彼らのことが


ある意味ではうらやましいなと、そんな風に思っている自分が


います。そして、この本を読んでいる間はずっと


ザ・クロマニヨンズの「ギリギリガガンガン」が頭の中で流れて


いました。






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