古事記シリーズで『第21代雄略天皇』をピックアップしてみます。
雄略天皇は大悪天皇です!
兄弟、従兄弟、それに有力豪族をたくさん殺しています。
古事記にはそのあたりの経緯が詳細に記述されています。
雄略天皇は有徳天皇です!
葛城之一言主大神と山で出会って、喧嘩しかけて、
仲直りしてお友達になりました。
神様と対等にお話ができる徳の有る天皇です。
古事記にはそのあたりも詳細に記述されております。
雄略天皇は女性には真摯なジェントルメン天皇です!
通りがかりに川で遊んでた少女を見て、
「美しいから、俺の嫁になれ、必ず迎えに来る!」と約束しました。
少女は大人になり、迎えを待ち続けて…80才になりました。
80才を超えたので、元少女は自分から雄略天皇に会いに行きました。
雄略天皇は忘れてたゴメンと謝罪しました。
さらに約束を守って老婆になった元少女を抱こうとしました…無理でした。
仕方ないのでたくさんの品々と心を込めた詩を作って贈りました。
男には容赦なく攻撃的で殺戮を繰り返しますが、
こと相手が女だと、情が深く、とてもあたたかく接しています。
古事記にはそのあたりも詳細に記述されております。
大悪、有徳、真摯、、、併せて、雄略天皇、、、
1人人間でも実に複雑に色々な側面をもってますよね!
三流小説では、悪役は悪役、正義の味方は正義の味方と、
限定的なキャラだけで表現しますが、
古事記は同じ人物の様々な側面をけっこう繊細に記述してます。
だから、神様ばかり出てきているのに、僕らの心に響くのだと思います。
古事記のことを…
「天皇家がいかに正当な支配者であるかをPRするための、
都合の良い作り話だ」と頑なに言い張る識者もたくさんいます。
PRに都合の良い作り話なら…
はたして、兄弟で殺し合いする場面を書き残すでしょうか???
有名なヤマトタケルも兄を殺し、
父親とは上手くいってないことを詳細に書いています。
雄略天天皇は124才で崩御したということです。
やはりこれも作り話の根拠にする識者が多々いらっしゃいます。
今のご健在の日本人最高年齢は116才です。
伊勢神宮外宮や宗像神社の整備をしたという
スピリチュアル的長生きの理由もあるかもしれませんが、、、
完全自然食、美味しい水、澄んだ空気、適度な運動…
現代の科学的根拠に鑑みると、夢のような理想的な健康生活です。
124才がナンセンスという決め付けは如何なものかと思います。
古事記の魅力は、恋愛のお話がかなり多いことです。
戦いの話もありますが、恋愛の方が多いように思います。
昔の話ですから、好きだとお互い確認すれば、即交わります。
ここでのアプローチは詩で表現されていることが多いです。
けっこう生々しい内容も、詩だときれいな印象なのは、
古今東西、もちろん令和の日本でも同じだと思います。
雄略天皇のお話は、恋愛、武闘、抗争、神様、等々、、
人間味あふれる内容になっていて面白いです!
画像の本は、1957年(昭和32年)に、
少年少女向けに書かれたモノが、今は文庫本新版になっています。
少年少女向けという表現がいかにも昭和32年ではありますが、
その分シンプルな文体です。
特に詩に関しては、よい感じに訳されていると思います。
古事記シリーズは次回も続けます。。。
今日一日、怒らず、怖れず、悲しまず…感謝!