19世紀のアメリカ合衆国で奴隷解放のために闘った実在の女性活動家ハリエット・タブマンの半生を描いた作品。
史実モノなので、取っ掛かりもストーリーも淡々と進む。
序盤に彼女が家族を連れ戻しに帰ると言うと「字が読めるのか?」と言われた時に「私は神の声が聞こえる」と言い返す。
このシーンが、なんか嘘っぽくってちょっと醒めたけど、その後に推奴(わかる人だけ)が協力者として転向したりで、緩やかだけど緩急があり最後まで集中して見れた。
「地下鉄道」のリアルな描写と、ハリエットが銃を手に奴隷を連れて逃げる姿がシュールだが、特別な人間ではない、ごく普通の女性の戦う姿を浮き彫りにしてる。
最初は自分と家族の自由を求めて戦っていたのが、次第に奴隷全体の解放へ、そして晩年は女性参政権運動へと戦いの場を広げていった。
彼女は理屈抜きに、ただ「生きるために」戦い続けたんやろうね。
黒人奴隷モノと言うと、やっぱり「ルーツ」かな。
当時は社会現象になったよね。
沖縄・アイヌ・部落・朝鮮人・中国人と日本にも脈々と続く差別はあったし、今も歴然と続いてるが、それを正面から描く作品がないね。
活動家というとそのスジからの差別の対象でもあるし。
ハリエットが「160kmを1日で逃げ切った」と言っていてが、自分なら2日くらいかな?と思わず計算したわ。
