オタクとはどういうことなのかを深堀りしたドキュメンタリー。
これは面白かった。
K-POPスターの熱狂的ファンで「成功したオタク」を自負していたオ・セヨンが、ある日、推しが性加害で逮捕され、突然「失敗したオタク」になってしまう。
「犯罪者のファン」となってしまったセヨンを通じて、「成功→失敗」の転落を起点に、政治信者の岩盤支持層まで広げて「オタクの心理」を解剖する、「オタク論」を追いかけてる。
途中までは”ヘラヘラした雰囲気”のファン文化の軽やかさが、パク・ウネ元大統領親子の信者の話になり、これがオタクとシンクロして、ゾクッとした。
彼らは三年間も自腹でパク・ウネに手紙を送るなどの活動をしてる。
一方、斎藤兵庫県知事や、二度も不信任を突きつけられたのに「卒業証書は市民からいただいた」と言ったが、「中退では?」とツッコまれて「除籍!」と答えた伊東市の田久保元市長。
この人らにも岩盤信者がいる。
これまでは単なる承認要求か、おかしな人らと思っていたが、彼らをオタクと考えると合点がいく。
見て思ったことは、オタクにとって推しは何でもよく、タイミングの問題で、場所が欲しかったのではないかと思った。
この「推しは何でもアリ」な柔軟さと「引き返せない壁」の硬直性を浮き彫りにしてて、引き返すことにすごく高い壁があるり、それは非オタクの視点ではないかとも。
すっきりしたな。
