北風アウトサイダー | 三匹の忠臣蔵

三匹の忠臣蔵

日々是好日。
お弁当ブログだった「お弁当にはたまご焼き」からリニューアル。
映画レビューを中心に、日々思いついたこと、感じたこと、趣味のことを書いてます。

崔哲浩監督が、映画の世界を目指したきっかけは、巽中学校時代に金佑宣監督の「潤(ユン)の街」を鑑賞したこと。
この作品の冒頭、平野川の橋の上で子どもがじゃんけんするシーン。

 

この兄妹は橋の近くに住んでた、金佑宣の実兄の子どもであり、私の姉の子どもでもある。
その上で言わせてもらうと、時代考証が適当すぎるのと、関西弁と標準語が混じってたりと、方言指導もなかったのか、とてもいい加減な感じがした。

 

例えば、朝高生はカラーなしの学生服は着ないし、娘を朝大に行かす家庭で「お父さん」はない。
リムジンガンのメロディーも違うし、発音も雑。指導すらしなかったのか、不思議でならない。

全体的に丁寧に作ったとはとても思えない、いい加減さが際立つ。

 

崔哲浩さんが朝鮮学校に通ってたのは小学生の5年までで、その後は生野で暮らしてただけ、それも高校卒業まで。
崔哲浩さんの年代を考えると生野といえども、国籍を日本にした人も多く、ましてや総連だの民団だのと言い争うことはない。生野にあった朝鮮学校が廃校になってたのがその証拠。

 

本人も認めているが、この作品は自分の経験と人づてに聞いた話で構成されている。それでいてあれもこれも詰め込んだ雑すぎる脚本。

 

本当かどうかわからない噂話の方がベースなので、時代考証をちゃんとする気持ちはなかったのは見て取れる。エンタメ的演出を優先したのだろう。

 

エンタメ要素を入れるのに都合良かったのはわかるが「在日朝鮮統一連合生野支部」など存在しない。
この作品を見て「当時の在日朝鮮人の暮らし」とは言ってほしくないな。

 

ちなみに在日の問題になると朝鮮総連と民団のことが言われるが、もう一つ組織がある。
この組織を、これまでメディアが取り上げたことを聞いたこともないし、見たこともない。

 

数年前だが名古屋まで韓国のドキュメンタリー映画を観に行ったことがある。
主催がその団体で、今も立派な現役なのに驚いた覚えがある。