桜田門外ノ変から226事件まで、映像でたどる日本におけるテロリズムの歴史を描いてる。
冒頭のナレーションによると、明治維新を挟む10数年間、日本全土で起こった暗殺事件は、分かっているだけで75件で被害者は104名。
あまりの残酷さに明治政府は暗殺禁止令を出し、明治天皇も怒りのあまりにラリってしまう。そもそも暗殺禁止令とはなんぞや?と笑ってしまうが。
暗殺シーンの前にシーンタイトルを入れる演出は、歴史の中で「テロリズム」の定義がどのように変化してきたのかが分かる。
・桜田門外の変:1860年(安政7年)3月3日、江戸城桜田門外にある豊後杵築藩・松平親良の上屋敷前で、水戸藩からの脱藩者17名と薩摩藩士1名が、彦根藩の行列を襲撃、井伊直弼を暗殺した事件。
若山富三郎の殺陣が圧倒的で、やっぱり昔の撮影技術は凄いと思う。
・大久保暗殺事件:1878年(明治11年)5月14日に石川県士族島田一郎他5名、内務卿大久保利通が東京府麹町区麹町紀尾井町清水谷で、斬奸状をたずさえた士族6名によって暗殺された事件。
血糊が鮮やかすぎて、もっとなんとかならんかったんか。
・大隈暗殺事件:1889年(明治22年)10月18日大隈重信が外務省前で、国権論者来島恒喜に襲われて負傷した事件で、大隈の傷は重く、官邸内で直ちに手術が施されたが、右足膝上より切断を余儀なくされた。
暗殺者は自決で門番無能過ぎ。
・星亨暗殺事件:1901年(明治34年)6月21日、利権政治家としてのし上がった星亨が明治34年、伊庭想太郎によって暗殺された事件。
・安田暗殺事件:1921年(大正10年)9月28日、富山県出身で安田財閥の創始者、安田善次郎が朝日平吾によって殺害された事件。この事件は、日本の近代史において重要な転換点となり、以降、原敬首相暗殺事件や二・二六事件など、一連のテロ事件へとつながる端緒となった。
菅原文太で任侠っぽく描かれてる。
・ギロチン社事件:1923年に大杉栄が虐殺されたことをきっかけに、中濱鐵や古田大次郎らを中心として活動したアナキズム運動のグループによる事件。
ギロチン社とは、古田大次郎、中浜鉄らによって1922年に結成されたテロリスト結社。
大義のために資金確保のために銀行員を襲い刺殺し、即刻死刑になる。いずれにせよテロリストには死が待っている。
・血盟団事件:1932年3月5日に三井合名理事長であった團琢磨が血盟団員によって暗殺された事件。
暗殺犯 小沼正の生い立ちから暗殺に至るまでの過程を描いてる。
ここから尺が長くなり、ドラマとして見れるようになる。
小沼正を演じた千葉真一の演技がなんか浮いて見えるが、藤純子は若いのに貫禄あるな。それでいいて可愛い。田宮二郎をみると今でも惜しいと思う。上手いよな。
若かりし近藤正臣、存在感が半端ない片岡千恵蔵。
にもかかわらず内容の割につまらん、主演が千葉真一でなかったらもっと良かったかもね。周りとのギャップがありすぎる。
・永田鉄山暗殺事件:1935年8月12日に皇道派青年将校に共感する相沢三郎陸軍歩兵中佐が、統制派の軍務局長永田鉄山少将を陸軍省において白昼斬殺した事件である。その後の二・二六事件に繋がった出来事の一つ。
千葉真一の後に高倉健を見ると安心するというか、口直しに丁度いい。
・ニ・二六事件:1936年 2月26日に、陸軍の青年将校に率いられた1500人ほどの部隊が、天皇の側近や大臣を次々と殺害し、首相官邸や警視庁などを占拠した事件。
ニ・二六事件はいきなり起きたのではなく、だんだんと大きくなって止められなくなった。鶴田浩二が軽すぎる。
これらのエピソード以外でも、徳川末期から太平洋戦争まで日本では数多くの暗殺事件が起きた。
拍子抜けな暗殺シーンだが、血盟団事件の千葉真一を見て思ったのが、安重根が伊藤博文を暗殺したことで、民主主義の右寄りにいる人達は「韓国人が日本人を暗殺した」ように言ってるが、日本の植民地だった朝鮮出身の安重根は、当時は日本人。
だから伊藤博文は、日本人によって暗殺されたことになるので、エピソードに入れても良かったと思う。
逆に韓国が朝鮮人と言うのは、併合を否定してるので言ってもおかしくない。武力による併合は違法なので。
しかし暗殺のウラに宗教あり、イスラムもそうやしね。
