大魔神 | 三匹の忠臣蔵

三匹の忠臣蔵

日々是好日。
お弁当ブログだった「お弁当にはたまご焼き」からリニューアル。
映画レビューを中心に、日々思いついたこと、感じたこと、趣味のことを書いてます。

特撮映画の金字塔の一つで、「マグマ大使」ガム初期型の大魔神シリーズ三部作の一作目。
バックサウンドやキャラクターが後の特撮モノに大きな影響を与えた映画。
政変・悪政・成長・仇討ち・正義の実現という、時代劇テッパンフォーマットで作られていて、日本にまだ「祟り」「天罰が下る」という文化が元気だった頃の作品。

これは4つの時の作品で、マジで怖かった。
見どころは何と言っても、石像の大魔神の額に鏨を打ち込むと額から血が流れるシーン。
そして大魔神に変身した石像が鎖トラップもなんのそのと練り歩き、ぎょろっと振り向く大魔神の恐ろしさ。
最後は自分の額に刺さっていた鏨を大館左馬之助に打ち込むが、これで終わらない。
大魔神も女子どもには弱く優しく、結局は涙一つでしゅっと消えていく。やすきよの漫才のネタにもあったな。

ブルーバックの撮影技術や、地割れに飲み込まれていく左馬之助の手下たちの演出はお見事としか言いようがない。
血走った眼も印象的で、のちの「怪大戦争」でもダイモン役を演じた橋本力も良かった。

悪さをすると兄貴が表情が変わるシーンのマネをして叱るんだが、本気で泣いていた思い出の作品でもある。

 

安田公義