11月4日から11日にかけて行われた、「第8回神戸芸術センター記念ピアノコンクール」を聴かせて頂きました。個人的に今後注目したい出場者について、何回かに分けて、追記しながら書かせて頂きます。
なお、素晴らしい多くの出場者の演奏を聴く機会を設けて頂いた神戸芸術センター様には、改めて感謝申し上げます。
【予備審査(音源審査)】下記①②をCD-R に録音したものを審査します。演奏時間は合計15 分程度とする。
①課題曲:ショパン エチュードOp.10(3,6 を除く)又はOp.25(7 を除く)から1曲。
②自由曲:バッハ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューマン、シューベルト、ブラームス、リスト、ドビュッシー、ラヴェル、バルトーク、プロコフィエフの作品から1曲。
*小品集やソナタの楽章を複数選択することは可能
【第1 次予選(公開審査)】予備審査曲目と同曲を演奏。演奏時間は合計15 分程度とする。
【第2 次予選(公開審査)】自由曲を演奏。演奏時間は合計25 分程度とする。
【本選(公開審査)】自由にプログラムを構成し演奏。演奏時間は合計40 分程度とする。
個人的に、曲目の「赤字」は優れた演奏、「赤字・下線」は特に優れた演奏、とさせて頂きました。
<エントリーNo.6>
一次予選
・ショパン:練習曲集op10-1(最高評価)
・ラヴェル:高雅で感傷的なワルツ
二次予選
・ベートーヴェン:ピアノソナタ第21番ハ長調op.53
本選
・シューマン:幻想曲op17
・ドビュッシー:喜びの島
泉 碧衣さん、現在、東京芸術大学・大学院で勉強されておられる方です。昨年、チェロを弾く弟さんの伴奏と言う形で、短い時間でしたがお聴きし、その時の印象が残っておりました。
コンクールでは「ハ長調」が基調となる曲を3曲弾かれ、ご自身お得意の調性なのかも知れませんね。
一次予選のショパンの練習曲がとにかく「衝撃的」でした。この曲は、いろんな環境で相当な数の演奏をお聴きして来ましたが、彼女の演奏はスケールが大きく、音楽が「活きて」います。平常心を保ち、ショパンの楽譜・インスピレーションに寄り添う、節度ある素晴らしい演奏。右手のアルペジオから繰り出される、泉のように湧き出す音楽的な豊かさは、なかなか聴くことが出来ない貴重な体験です。31小節~36小節のあたりで見られるほんの少しの「弱さ」は今後の課題として、特に5小節~6小節にかけてのような場所に聴かれる優れた音楽性や、37~40小節にかけての音楽的な「広がり」「勢い」は、特質すべき優れたものです。ミスタッチの回数が減れば、過去、田舎片麻未さん・福田真梨奈さんでお聴きした同曲の演奏と並ぶ、そんな忘れられない素晴らしいショパンの10-1でした。続くラヴェルも、タッチとペダリングがとても良くマッチし、大変雰囲気のある演奏を聴かせて頂きました。一次予選では、最上位に並ぶ評価をさせて頂きました。
二次予選のベートーヴェンですが、特に第3楽章での良く練られた構成・タッチ、雰囲気の良さは感じられたものの、全体的に幾分力んでおられたのか、少し雑になったり、力任せのような部分がみられ、曲の持つ大きなスケールが完全に描ききっておられないような印象で、一次予選で感じた彼女の良さがあまり感じられなかったのは、残念でした。
本選のシューマンでは、個性的・独自の感性で以って、十分に抒情性のある音楽を聴かせて頂きました。特に第2楽章の中間部や第3楽章での、しっとりとした情緒豊かな音楽は、特に印象に残りました。第2楽章終結部直前でのミスタッチが契機となったのか、楽章の最後まで、どうしてしまったの、と思われるような乱れがあり、音楽も安定せず、ここが返す返すも非常に残念でした。ドビュッシーも、あまり細かいところに拘らない、曲の持つ独特の雰囲気を生かした好演だったと思います。
この方は、音楽の基本的素養に溢れている上、独特の優れた音楽的な感性・センスをお持ちで、大変個性的な素晴らしいピアニストです。今回は残念ながら入賞は逃されたようですが、更に確実性を身に付けられ、今後大きく飛躍されることを願っています。
<エントリーNo.30>
一次予選
・ショパン:練習曲集op.10-12
・ハイドン:ピアノソナタ第58番ハ長調
二次予選
・メンデルスゾーン:無言歌集第3巻op.38 から第6番変イ長調
・ベートーヴェン:ピアノソナタ第31番変イ長調op.110
本選
・シューベルト:即興曲D.899(op.90)から第1曲ハ短調、第2曲変ホ長調
・シューベルト:幻想曲ハ長調D.760 「さすらい人」
橋口 幸恵さん、愛知県在住のピアニストです。昨年のこのコンクールでもお聴きしています。あれから一年経ち、音楽に向かう情熱、曲に対する愛情が更に感じられるようになり、大きく成長されています。選曲を拝見しても判る通り、古典から初期ロマン派の曲を揃え、自身の音楽性をじっくり聴いてもらおうと言う姿勢が見えますし、複数の演奏からそれを客席から感じ取りました。
一次予選の2曲ですが、全体的に音楽の腰が重く、音も幾分もたもた感があり、ハイドンもテンポは的確で良いのですが、弾かれる音楽そのものやタッチがそれに付いて行っていない印象で、その時点では、それ程彼女の良さを感じ取ることが出来ませんでした。
しかし、一転して二次予選では、まず2曲をつなぐさりげない「意図」に気づかされた上、優しく唄心のある心に染み入るメンデルスゾーン、そして渾身の気持ちを込めたベートーヴェンには心を打たれました。速いパッセージを弾く時の右手のポジション移動で、音の粒が少し揃わなかったりするところなど、今後の改善点も見られましたが、それを上回る音楽全体の出来(スケール、構築性)が素晴らしく、感銘を受けました。例えば、第3楽章のこちらの楽譜の場所などを聴いて、何も感じない聴き手など、いるはずがありません。
本選では、更にリラックスされた楽な感じで演奏されておられるのが解り、ご自身が弾きたいと思う音楽が十分に披歴されていた印象です。即興曲90-1は、かなり遅めのテンポで始まりましたが、そのテンポに耐えられる含蓄あるしっかりとした「歩み」、曲の持つ「寂寥感」と「温かみ」の行ったり来たり、を見事に表現されておられました。これは、かなり熟達した奏者でもなかなか難しいものです。
90-2は逆に少し速めで、右手のパッセージで音の粒立ちが幾分足りないような印象でしたが、それが速い曲を弾かれる時の「空回り」感を感じてしまう原因なのかなとも思いました。「さすらい人」は、ミスタッチは多少目立ったものの、堂々とした冒頭の主題の提示から始まり、局面に応じた表情付けや唄い回し、終曲でのこれでもかと言う見事なアルペジオなど聴きどころ満載で、昨年以上の大変素晴らしい演奏でした。
入賞とはなりませんでしたが、彼女の持つ音楽的、そして人間的なスケールはとても大きく、選曲の面でも良く考えられながら、聴き手にいつも「何か」を提示して下さいます。確実なテクニックが伴って来れば、更に上の段階に達することが出来る、そんなピアニストと感じました。
<エントリーNo.28>
一次予選
・ショパン:練習曲集op.25-11
・J.S.バッハ:パルティータ第1番変ロ長調BWV.825
二次予選
・ショパン:練習曲集op.10-8
・ラフマニノフ:ピアノソナタ第2番変ロ短調op.36(1931年版)
本選
・ベートーヴェン:ピアノソナタ第26番変ホ長調op.81a「告別」
・シューマン:ピアノソナタ第2番ト短調op.22
山下 紗也華さん、現在、京都市立芸術大学に在学中の方です。これまで一度もお聴きしたことがありません。打鍵にメリハリがあり、テクニックにも長け、弾かれる音楽から強い「意志」が感じられます。弾かれる曲によっての出来のムラが少なく、どの曲をお聴きしていても納得感・満足感を得られる、そんな大変優れたピアニストです。
一次予選のショパンがいきなりの好印象で、スケールが大きく、癖のないタッチは、強靭ですが決して雑にならずに、高いレヴェルで一気に弾き通されたのには驚きました。続くバッハですが、音楽には至る所で「品」があり、短調の部分ではそっと雰囲気を変えたりされながら、ごく常識的でとても格調の高い落ち着いたパルティータをお聴き出来ました。一次予選では、最上位に並ぶ印象を持ちました。
二次予選のショパンも、小気味よいテンポとミスの少ない確実な打鍵で以って、短い時間の中でひとつの完結された世界を描いておられましたが、選曲の点でもう少し異なる傾向の曲をお聴きしたかったでしょうか。ラフマニノフは、冒頭から振幅の大きい造りで、曲の持つスケールの大きさや荘厳さが良く表現され、第2楽章で聴かれたセンスの良さ、第3楽章での見事なテクニック、入り組んだ譜面を捌いて行く能力、ハッタリなどのない自然で多彩な表情など、聴きどころ満載の素晴らしい演奏でした。
本選は、一転して少し地味なプログラムでしたが、ご自身の持つ高い音楽性を聴いて欲しい、と言うような意味が込められていたように感じました。ベートーヴェンの第3楽章で聴かれたような、彼女の持つ「器の大きさ」をお聴き出来た時には、思わず「素晴らしい」と心の中で叫んだ程です。過不足が無く、常に音楽に集中しておられ、曲の構造に目を配りながら、丁寧に音を紡いで行かれる姿勢は素晴らしいですし、お聴きした範囲ではありますが、今のところケチを付けるようなところは全くありません。今回は「審査員賞」を受賞されました。どんな時も平常心を保ちながら、決して雑にならずに真摯に音楽に向って行かれる姿勢は、今後のご活躍を十分に予感させてくれます。更に音楽的な「コク」が感じられるようになれば、決して大袈裟では無く、日本を代表するようなピアニストとしてご活躍が期待出来る日も遠くないことでしょう。
<エントリーNo.15>
一次予選
・ショパン:練習曲集op.10-4
・リスト:バラード第2番ロ短調 S.171
二次予選
・ドビュッシー:前奏曲集第2集より「オンディーヌ」「花火」
・リスト:死の舞踏 S.525 R.457
本選
・J.S.バッハ:フランス組曲第5番ト長調BWV.816
・ショパン:ノクターン第13番ハ短調op.48-1
・ショパン:ワルツop.31-1,2,3
・ラヴェル:ラ・ヴァルス
戸田 恵さん、県立西宮高校~パリ・エコールノルマル音楽院をご卒業の後、現在は関西を中心とした演奏活動と併せ、後進の指導をされておられます。2年前の「大阪クラシック」第72公演で、大阪フィルの船隈慶さん・黒瀬奈々子さんとのトリオで、プーランク・ミヨーの演奏をお聴きしています。演奏は、いわゆる「エスプリ」が感じられる、とても雰囲気のある素晴らしい演奏だったと記憶していますが、当日手にしたプログラムが全てフランス語で、何の曲を演奏されていたのかが全く分からずに、随分難儀した憶えもあります。
このコンクールでは、全体的に彼女の持ち味・実力が発揮されたとは言い難く、個人的には残念な思いが残っています。
一次予選で弾かれたショパンは、きびきびした運びで、彼女の基礎的な力量がわかり、演奏そのものには好感を持ちましたが、リストは、どうしたものか、音の運びがもたもたした印象で、リズム感も平凡、ミスタッチも目立ち、戸田さんらしさが表れない、ちょっと残念な演奏と言った感じでした。
二次予選では、一転して、ドビュッシーでは、雰囲気のある色彩的な音色やタッチが聴かれ、これは大変素晴らしい演奏で、いつか曲集全部をお聴きしてみたいと思いました。リストのこの曲は、サン=サーンスの原曲のものではない方の曲で、不勉強にもこれまで一度も聴いたことがありませんでした。迫力・メリハリのあるタッチから、曲の持つグロテスクさ、終結に向けてのドラマは聴き応えがありました。
本選ですが、自由曲で争う「本選」と言う場面では普段なかなかプログラミングされにくいバッハ・ショパンの小品を敢えて組まれたのには、戸田さんなりのお考え・自信がおありだったんでしょうか。、バッハはごく自然体で弾かれ、楽章間の性格の違いも明確、戸田さんがお持ちの様式感が良く出ておられた大変聴き応えがある演奏でした。ショパンのノクターンは、非常に息の長い音楽が展開され、また3曲のワルツでの小気味よい曲運びに、好印象を持ちました。
ラヴェルは、少しお聴きするのが辛い感じの出来具合で、この曲に関しては、また別の機会で更に素晴らしい演奏をお聴きさせて頂きたいと思います。
今回は入賞とはなりませんでしたが、この方の実力は決してこんなものではありませんし、今後の演奏活動を楽しみにしたいと思います。
<エントリーNo.5>
一次予選
・ショパン:練習曲集op.25-11
・シューマン:ピアノソナタ第3番ヘ短調op.14から第1楽章
二次予選
・シューベルト:3つのピアノ曲D.946から第1曲、第3曲
・リスト:「2つの伝説」S.175から「波を渡るパラオの聖フランチェスコ」
塚本芙美香さん、東京芸術大学の大学院を修了され、現在は関西を拠点とし、演奏活動と併せ、後進の指導をされています。彼女の演奏は数年前から度々聴かせて頂いていて、私には「お馴染み」のピアニストです。今回は残念ながら本選に進まれませんでした。
私が思う彼女のピアノは、とても個性的で、数秒お聴きしただけで、私には彼女の演奏だとわかる自信があります。「個性的」とは、強烈な打鍵、アクセント、ルバート、デュナーミク、勢い、そして誰も真似の出来ない解釈と抜群のテクニック、どれを取っても、他の方にはないユニークさがあります。個性的な故に、彼女の演奏の評価は、聴き手によって大きく分かれると思っていますが、「人並み」の演奏をされるよりは余程魅力的ですし、私は彼女のピアノがお気に入りです。言い方が難しいのですが、ある意味、弾けてしまうが故の「器用な不器用さ」をお持ちの方だとも言えるのかも知れません。
一次予選のショパン、凄すぎますよね。曲が壊れるとも思えるような、そして計算し尽くされた「強引さ」、これぞ正しく塚本芙美香さんの演奏です。シューマンも決して悪い演奏ではないのですが、非常に恣意的な演奏の評価は、「好・嫌」のどちらかに大きく分かれるのでしょうね。それと、コンクールでソナタの楽章を抜き出して演奏されるのが個人的にどうかと思いまして、そう言った意味で「黒字」の評価とさせて頂きました。
二次予選、シューベルトの第1曲、楽譜によって音価が異なるようですが、私は冒頭のような音型で、もうほんの少し付点の音符を詰めて弾いて欲しい派ですし、更に一ランク上の「趣き」が感じられるようなシューベルトを、彼女には求めたいところでしょうか。リストは彼女の十八番とも言える曲ですが、弾け過ぎてしまうが故の、全てピアノで語ってしまうような感じが、聴き手によってはちょっと煩く感じてしまうような気がしないでもありませんが、私は彼女のこの演奏が好みに合いますし、本当に素晴らしいと思っています。多くの音が重なる音符(いわゆる和音)を弾かれる際の「良い響き」(鳴らしたい音の順番付けとその実践)の探究を更に高めて頂きたいのと同時に、もうほんの少し「自然な味わい」が演奏の行間から感じ取れるようになれば、彼女の評価は更に高まって行く、そんな気がしてなりません。少しきつい書き方もしましたが、これも彼女への期待、そして演奏に対する愛情の裏返しと思って頂きたいです。
<エントリーNo.17>
一次予選
・ショパン:練習曲集op.25-11
・ラヴェル:ラ・ヴァルス
二次予選
・ブラームス:6つの小曲op.118から第2曲イ長調
・リスト:スペイン狂詩曲S.254 R.90
蓑田 莉奈さん、現在、東京芸術大学・大学院で勉強されておられる方です。喜多 宏丞さんと並び、今回のコンクールではいわゆる「ビッグネーム」の方ですね。2年前の第23回ABC新人コンサート、続くフレッシュコンサート等、過去何度か演奏をお聴きしています。髪形が当時と違っていて、最初はどなたか判らなかったんですが、弾き方と、コンクール後に拝見したいくつかのyou-tubeの映像などで、蓑田さんだ、と思い出した次第です。
今回、演奏をお聴きして、以前私が彼女に感じていたものと、今回のものでは大きく異なります。それは、なかなか書きにくいんですが、あまり良い意味ではありません。もちろん、ツボを押さえた雰囲気のある演奏は、ファンからすれば「凄い弾き手だなあ」と感心されるんでしょうが、なんて言ったら良いのでしょうか、以前お聴きした時は、もっと音楽そのもの・譜面に対して真摯な姿勢を見せておられたと言う印象ですが、今回お聴きして、彼女程の弾き手がするはずのないようなミスタッチが目立ち、それは「ミスタッチ」と言うよりは「雑」に弾かれていたように思えてなりません。また、全体的に見て、曲の持つ構造・形がかなり崩れてしまっているように感じたんですよね。一例を挙げさせて頂けば、「ラ・ヴァルス」、フレーズ間・フレーズ内における速度(急・緩の付け方や過多なルバート)、右手と左手での意図的な時間差、そして全体的な「雰囲気」に重きを置きすぎて、音楽の持つ本来の「流れ」が堰き止められてしまい、結果、立体的な音楽として聴こえて来なかったことです。また、ショパンの最後に残った音も、上で書かせて頂いた塚本芙美香さんの演奏とは異なり、私には濁って聴こえました。(ペダリングに問題があるのではないでしょうか。) 一般に「個性的な演奏」と言う言葉が良い意味で捉えられるのであれば、「(弾き)癖」が感じられると言い換えても結構です。譜面から離れてかなり自由に弾いておられるとでも言いましょうか、それがいつの間にか彼女の「個性」が「癖」・「自己流」に置き換わってしまっているように私には感じ、一次・二次とお聴きして、彼女には申しわけないのですが、正直楽しむことが出来ませんでした。ご本人や多くいらっしゃるであろうファンの方からご批判を頂くことになるでしょうが、他の出場者の方と聴き比べた時に、あくまでも個人的な印象ですが、私にはそのように感じました。あるいは「慣れ」のようなものが、もしかしたらおありになるのかも知れません。もう一度、眼前の楽譜を見つめ直され、ぜひそこからスタートして欲しいです。
本選に出場されれば、スクリャービンの5番と、新しく取り組まれたシューベルトの「さすらい人」をお聴き出来たのかも知れません。彼女程の弾き手は、そうおられないでしょう。今後、時を経て、これまで以上に素晴らしい演奏を聴かせて頂ける日を、楽しみにお待ちしたいと思います。
<エントリーNo.20>
一次予選
・ショパン:練習曲集op.25-11
・リスト/サン=サーンス:死の舞踏S.555 R.240
二次予選
・ショパン:ポロネーズ変イ長調op.53
・ショパン:スケルツォ第2番変ロ短調op.31
・リスト:ハンガリー狂詩曲第10番ホ長調S.244
鈴木 椋太さん、現在、東京の音楽大学で勉強をされている方です。彼の演奏との出会いは、3年前、北海道の高校に通われる身で、おひとりでこのコンクールを受けに来られた時に遡ります。天性の音楽を感じる能力が備わり、抜群のテクニック、デュナーミクの大胆さ、そして楽譜を超える演奏のスケールの大きさに驚き、その時の最高位を確信していました。ただ、昨年のコンクールの時から感じていたこと=演奏が雑・大雑把になってしまってはいないか・・・、残念ながら、今回もそれが感じられました。
嵌った時の破壊力は半端では無く、今回も「赤字下線」で評価させて頂いた2曲は、さすがと思わせる演奏を聴かせて頂きました。一次のショパンでの大胆かつ音楽的なデュナーミクは健在で、ペダリングの巧みさ故に音も澄んでおり、大変個性的で素晴らしい演奏をお聴き出来ました。また、二次のリストでの、非常に美しく正確なグリサンドとその処理方法は、正に見事な「芸術品」です。一方で、「黒字」の評価とさせて頂いた3曲は、曲が壊れてしまう程の「荒さ」が顔を覗かせてしまい、1曲を通してお聴きするのが辛くなってしまう程でした。きっと彼自身もそれを望んでいたとは思いませんが、今年のみでなく、昨年からそれが感じられていたのは、ちょっと悪い方向に進んでやしないか、と心配になります。過去に金賞を受賞した経歴をお持ちの方が、なぜ二次予選を通過出来なかったのか、彼ならば良くおわかりのはずです。もう少し丁寧に、そして楽曲を慈しむ気持ちで以って、ピアノと言う楽器に接して言って欲しいと思います。「のるかそるか」「一か八か」のような演奏は、彼が今後成長されて行かれるのには不必要です。彼には恩田陸さん著の「蜂蜜と遠雷」に登場する「風間 塵」のようなイメージがあり、実際に、その位の「大器」だと思っています。素晴らしい芸術家として、良い方向に成長して欲しい、と心から願っています。
<エントリーNo.27>
一次予選
・ショパン:練習曲集op.10-4
・ラヴェル:「夜のガスパール」から「スカルボ」
二次予選
・ショパン:スケルツォ第3番嬰ハ短調op.39
・シューマン:「子供の情景」op.15
上野 絵理子さん、京都市立芸術大学・大学院修了後、フランスにご留学、帰国されてからは、関西を拠点に演奏活動と併せ、後進の指導をされておられます。上野さんの演奏は、比較的最近、一度だけお聴きしています。その時は、とても雰囲気のある演奏をされる方だったと記憶しています。
今回のコンクール、彼女の良さが十分に発揮されていたようには感じませんでしたし、ご自身もある意味不本意だったのではないでしょうか。一次のショパン、速めのテンポの中、パッセージがあまり明瞭でなく、曲調も幾分気が急いているようで、音楽的に空回り気味のような感じを受けました。続くラヴェルはお得意の曲だったのでしょう、ショパンの時に比べ落ち着いて演奏され、彼女らしい高い技巧や、独特の唄い回し・繊細さもお聴き出来ました。二次のショパンですが、これはどうしたものでしょうか、ミスタッチが目立ち、それにより曲が大きく壊れてしまい、残念でした。続くシューマンは、落ち着いた曲調と言うこともあり、平常心を取り戻された感じで、特に緩いテンポの場所での表現には聴くべきところがありました。
私のかなり近い知人も彼女のファンのようで、コンタクトを取っているように、関西には彼女のファンも多くおられるようです。本選では、ブラームスの「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」などをご用意されていたのでしょうか、そちらもぜひお聴きしてみたかったので、余計に残念です。今回のコンクールでは、良い出来の演奏とそうでないものの差が大きかったと感じたこともあり、また別の機会に、ぜひ彼女の本領が発揮される演奏をお聴き出来たらうれしく思います。
<エントリーNo.29>
一次予選
・ショパン:練習曲集op.10-8
・ラヴェル:ラ・ヴァルス
二次予選
・スクリャービン:2つの詩曲から第1曲嬰ヘ長調op.32-1
・フランク:前奏曲 コラールとフーガロ短調 M.21
髙﨑 優芽さん、現在、東京音楽大学に在学中の学生さんです。彼女のことは、今回のコンクールまで存じ上げておりませんでしたが、一次予選の演奏において、素晴らしい「才能」を感じ、二次予選の前にお話をお伺いした次第です。
彼女のピアノですが、一次予選では、多少線が細く、音楽的に味わいにも少し不足するようにも感じましたが、それを上回るショパンでの音楽的な小気味よさと音の粒立ちの良さ、音そのものの美しさを感じ、ラヴェルでは、音楽に立体感が感じられ、しっかりと作品を俯瞰出来る能力をお持ちの方とお見受けしました。そして、とにかく「腕達者」ですよね。二次予選、スクリャービンでは、音楽を捉えるセンスの良さがとにかく素晴らしく、難解なフランクの曲では、芝居がかったところは皆無、ご自身の作品への献身が感じられ、演奏そのものへの集中力が大変素晴らしいと思いました。そんな中で個人的に残念だったのは、、全体的にスケール感と演奏に「個性」・「味わい」が少し足りないかなと感じる部分があったこと、そして大切な場所でのミスタッチが目立ってしまったことです。そういう言った意味で、もうほんの少しの注意深さ、そして更に自由な表現を身に付けられれば、一層評価も高まって行かれるのではないでしょうか。私は本選で更に別の曲をお聴きし、彼女の違った面を見てみたかったと言うことで、本選に進まれなかったのは意外でしたし、残念でした。
惜しくも本選に進むことが叶わなかった方で、私が触れておきたいと思った方々は、以上の5人の方になります。
<エントリーNo.9>
一次予選
・ショパン:練習曲集op.25-6
・ベートーヴェン:ピアノソナタ第21番ハ長調op.53から第1楽章
二次予選
・ショパン:ピアノソナタ第3番ロ短調op.58 (第1.3楽章は最高評価)
本選
・ドビュッシー:ベルガマスク組曲から「月の光」
・ベートーヴェン:ピアノソナタ第14番ハ短調op.27-2「月光」
・プロコフィエフ:ピアノソナタ第7番変ロ長調op.83
渡辺 仁美さん、桐朋学園大学の大学院修士課程を修了後、関西を拠点に演奏活動をされている方です。彼女の演奏との出会いは、もう5年程前のこのコンクールになります。それ以降、コンクール以外の公演も何度かお聴きしたり、共通の知人の公演に向かうバスの停留所でばったり行き会ったりと、何かとご縁のあるピアニストです。会場でお会いすれば、こちらが勉強になるようなお話をたくさんして下さいます。人間的にご尊敬していますし、いつも本当に有難く思っています。
お聴きするようになって以降の暫くの間は、今だから正直に申し上げますと、個人的にはあまり好きなピアニストではありませんでした。贅肉を削ぎ落したような筋肉質なピアノで、弾かれる音楽からは、いわゆる音楽的な「香り」が感じられ難かったからです。恐らく、彼女は大変ストイックな方で、楽譜を突きつめるように探究をされるような方ですので、その観念的=模範的な演奏が、その頃の私にはそのように聴こえ、少し苦手だったのかも知れません。時を経て、彼女の音楽は十分に成熟し、その成果を今回のコンクールで堪能させて頂きました。
彼女の弾くピアノからは、曲が持つ様式や構造が手に取るように感じられ、常に聴く側にヒント・示唆を下さいます。それは決して押しつけがましい訳ではなく、音楽として自然に聴く側に届いて来ます。ご本人が納得するまで推敲する楽譜によって、「真実」が聴かれる様は、なかなか日常からは得難い時間です。
一次予選のショパン、超難度の右手運指が話題になる曲ですが、彼女の演奏からは左手から聴かれるラインの美しさが際立ち、全体的な流れに更なるスムーズさがあれば満点ですが、終結の仕方の趣きの深さなど、十分に素晴らしい演奏でしたし、ベートーヴェンは、再現部での不調が少し残念でしたが、総じて充実した響きが感じられる演奏でした。二次予選のショパンのソナタ、過去幾度となくこの曲をいろんな状況でお聴きして来ましたが、特に第1・第3楽章は、均整が取れた演奏で、音楽的な密度・充実度はこれまで経験したことの無い素晴らしさで、オーソドックス・アカデミックでありながら、極めて個性的で深みが感じられる、稀に見る素晴らしい演奏でした。第2楽章は、ミスタッチが曲の邪魔をしてしまった感があり、第4楽章も、冒頭のテンポの取り方に多少疑問があり、幾度かの弾き違いが勿体ない演奏でしたが、ソナタと言う形式の曲の4つの楽章を通してお聴きし終わった時に得た満足度は、かけがえのないものでした。最後のロ長調の和音、控えめな音量でしたが、逆に未来を照らすような輝きが感じられましたよね。本選の「月の光」、変に崩すようなところも全くなく、彼女のセンスの良さに舌を巻き、続けて演奏された「月光」とのプログラミングの関連付けも素晴らしい趣向でした。演奏は至極模範的でしたが、それがかえって説得力を生み、彼女の「懐の深さ」が際立っていました。プロコフィエフのソナタ、色んな表情を見せる曲ですが、やはり3つの楽章を続けてお聴きし、彼女の読譜力、理解力、表現力が見事に合わさり、十分に聴き応えのある充実した演奏をお聴き出来ました。完全に一皮むけた、そんな印象を持った今回のコンクールでした。
「審査員賞」を受賞されました。おめでとうございます。時に見せるミスタッチが気になりますので、更に精緻なテクニックで以って、音符を楽譜通りに再現できるようになれば、バランスの良い優れた音楽性と併せ、「完成されたピアニスト」として、大きな評価を受けられる日も遠くないように思います。更に多くの聴衆に支持してもらうためにも、今後益々ご研鑽を積まれ、更なる「高み」を目指して行って欲しいと願っております。
<エントリーNo.12>
一次予選
・ショパン:練習曲集op.10-11
・リスト:巡礼の年 第1年「スイス」S.160より「オーベルマンの谷」
二次予選
・リスト:「2つの伝説」S.175から「波を渡るパラオの聖フランチェスコ」
・スクリャービン:ピアノソナタ第9番op.68「黒ミサ」
・山田 耕筰:スクリャービンに捧くる曲から「忘れ難きモスコーの夜」
本選
・ショパン:マズルカ第13番イ短調op.17-4(最高評価)
・ショパン:スケルツォ第2番変ロ短調op.31
・フランク:プレリュード アリアと終曲ホ長調FWV23
喜多 宏丞さん、東京芸術大学大学院にて博士号を取得後、ドイツ・フランスに留学、帰国された後、関西を中心に活発な演奏活動と併せ、後進の指導にあたっておられます。何と言っても、9年前に開催された「第77回日本音楽コンクール」ピアノ部門第1位に併せ、野村賞・井口賞・河合賞・三宅賞の受賞をされるなど、数々の輝かしいコンクール受賞歴をお持ちで、私も有料の公演を過去何度もお聴きしている、お馴染みのピアニストです。
彼が弾く音楽ですが、一口で表すことは至難の業です。いくつか特徴なりを箇条書きにしてみたものの、それが繋がるかどうか・・・。これを良い機会と考え、以下、無理筋で書かせて頂きます。
楽譜の推敲に長け、ミスタッチが極力少なく、全ての場面で音楽的な「破綻」が全く見当たりません。「一音楽家」として、完全に完成されています。演奏スタイル・選曲(珍しい楽曲が特に目立ち、その中でも「陰」のような印象を持つような曲が多い)は、他の多くのピアニストとは大きくかけ離れており、博識な上に立つ、際立つ個性、独創性が感じられます。音の立ち上がりが早く、音楽的にもそれが明確に聴き手に届くため、されたいことが瞬時に伝わって来ます。また、ペダルとタッチの微妙な加減具合に由来する独特な和声の残響が大変香しく感じますし、独特の右手と左手の「ズレ」から来る、一種手品のような「幻覚」のようなものも覚えます。それらが聴衆からの共感を得られるものかどうかは別問題として、ご自分が何をしたいのかがはっきり見えますし、ピアニスト・芸術家としての大きな「存在意義」がおありになる「一流の」「存在価値のある」ピアニストだと言えます。
他方で、それらが「計算されたもの」として聴き手に提示されていると言う感じ=(言い方を変えれば)「作為的」なような感じもあり、私は、聴いていてストレスや息苦しさを感じる時が度々あります。「弾き手の満足」と「聴き手の満足」とが、果たしてイコールになっているかどうか、彼の評価は聴き手によって大きく異なると思うんです。一例ですが、本選でのショパンのスケルツォ、同じ音を4回続けて打鍵するような括りの場所で、独自のルバートがかなり粘って、勿体ぶったように「もったり」とかかるんですが、あれは聴く人によっては「鼻につく」=「作為的」と取られかねません。また、全体的にもっとたっぷり聴かせて欲しいと思うところはすっと通り過ぎるのに、そうでないところは幾分過剰に粘ってみたり、また、上でも書きましたが、左右の手の意識的な「ズレ」もそうですし、「個性」「独創性」と言うものの捉え方が、弾き手と聴き手の間で少し異なるのかなとも思います。私の勘違いであれば良いのですが、もしかしたら、他の弾き手と違うように「聴かせようとする」ような心理があり、読譜・演奏の上でそれが働き過ぎ・過剰なのではと思う部分もあるんですよね。演奏された全ての楽曲の譜面を読んだことがありませんので、これらはあくまでも私の推測ですけれど。
前段がものすごく長くなりましたが、とりわけ本選のショパンのマズルカ、今回、彼の演奏の中で、私が最も素晴らしいと思う演奏でした。独特の「陰影」があり、曲の奥に潜むものを耳打ちされたような感じで、本当に独自の境地を感じさせる、あたかも(もちろん試したことはありませんが・・・)麻薬を楽しんでいるかのような、そんな大変「不思議な気分」になる演奏を聴かせて頂きました。タイプは異なりますが、フー・ツォンのピアノに重なるものが見えました。また、スクリャービンの9番のソナタ、冒頭のモティーフが最後に重なって終わるんですが、彼の演奏は、いつまでもそれが繰り返されるような錯覚、それは「デジャヴ」と言っても良いのかも知れませんが、そんなクラクラするような珍しい体験させて頂きました。彼は、本当に不思議なピアニストです。
今回は入賞とはなりませんでしたが、いろいろとお話もお伺いさせて頂き、お人柄もとても謙虚で愛すべき方です。今後も、誰も真似の出来ないような「独自の道」を歩んで行って頂きたいと願っております。偉そうなことを延々と申し上げ、大変失礼いたしました。平にお許し下さい。
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<エントリーNo.16>
一次予選
・ショパン:練習曲集op.25-12(最高評価)
・リスト:ハンガリー狂詩曲第13番イ短調
二次予選
・リスト:3つの演奏会練習曲から第3曲変ニ長調「ため息」S.144 R.5(最高評価)
・リスト:ノルマの回想S.394
本選
・バルトーク:2つのルーマニア舞曲op.8a(最高評価)
・シューマン=リスト:献呈S.566
・シューマン=リスト:春の宵
・リスト:ソナタ風幻想曲「ダンテを読んで」
森本美帆さん、京都市立芸術大学の大学院修士課程修了後、ハンガリーに留学され、国家演奏家資格を取得後帰国、現在は関西を拠点に活発な演奏活動や文化センター講師などと併せ、後進の指導にあたられておられます。
森本さんの演奏は、昨年同じ会場で行われたコンクール時に初めてお聴きした時に遡ります。その際、初対面にも関わらず、私の不躾な質問や意見に対し、嫌な顔ひとつされず丁寧にお答え頂いたりと、彼女の素晴らしいお人柄に触れさせて頂きました。それ以降、何度か演奏を聴かせて頂いているお馴染みのピアニストです。京芸在学の頃に、一度もお聴きしなかったのが、今思うととても不思議でなりません。
彼女の特徴は、何と言ってもハンガリーの音楽にことさら造形が深いと言うことです。音楽における「ハンガリー弁」を現地で収得され、作品を日本人演奏家と言う立場で、更に見事に「昇華」されていると言っても過言ではありません。また、鍵盤を撫でているようにしか思えない奏法から繰り出される鮮やかな色彩に彩られた音色の豊富さは、彼女の演奏の大きな聴き所でしょう。集中力に満ち、演奏上のミスが極端に少なく、荒れた部分は皆無、常に丁寧で安定しており、繊細さ・力強さ、軽さ・重さのバランスが抜群、弾かれる音楽からは彼女の人間的なお人柄、趣味の良さが聴かれます。奇を衒わないオーソドックスな音楽の造りの中に、きらりと個性が光り、独特の味わいが感じられます。
一次予選のショパンでは、曲の持つスケールの大きさが十二分に聴こえ、リストでは、前半のツィンバロンのバチが叩かれるような怪しい雰囲気と、後半一気に聴かせる集中力の対比が大変見事でした。二次予選の「ため息」、右手と左手で交互に魅かれる旋律線が見事に1本の線のように繋がり、聴き・観ながら、思わずため息が出るような、そんな趣のある演奏をお聴きしました。「ノルマの回想」は、リストの作品の中では優れた曲と言う認識はあまり無く、個人的にあまり好きな曲ではありませんが、彼女の手に掛かると、散りばめられたモティーフがそれぞれ有機的に繋がり、思わず曲の真価が聴こえてくるような、そんな優れた演奏でした。本選、バルトークは、きびきびとしたテンポで、緩い部分が全くない大変緊張感に満ちた演奏で、曲の真価が十分に聴こえ、続くリスト編曲のシューマンの歌曲では、ムード音楽のように雰囲気で流れて行ってしまう演奏が多い中、風格さえ感じる引き締まった演奏で、曲が普段より1ランク上に聴こえて来たのには、自身驚きました。「ダンテを読んで」ももちろんスケールの大きい優れた演奏でしたが、これまで何度かお聴きした同曲の彼女の演奏には更に優れた演奏がありましたで、今回はその評価に留めさせて頂きました。
今回は最高位の「金賞」を受賞されました。おめでとうございます。予選から通して演奏を聴かせて頂き、常に安定、卓越した演奏、当然の結果と思います。今後、私たちがまだ良く知らないハンガリーの音楽を広く知らしめて行って頂きたいですし、一方で、ハンガリー以外の作品もこれから更に多くお聴きして行けたと思っています。更にご精進され、音楽の素晴らしさを、ひとりでも多くの人に伝えて行って頂きたいと思います。
なお、今回の審査員は、ダグ・アシャツ氏、梶山 敦子氏、近藤 由貴氏の3名とのことです。
今後、気が向きましたら、上で書かせて頂いた方以外の出場者の方について書かせて頂くかも知れませんが、とりあえず、一旦これにて締めさせて頂こうと思います。
