10月の頭にTwitterで見た写真には、本当に小さなねこが3匹。
お店の周りは車だらけで、なんとかしなきゃと思った。
親に救出を頼むも、全員行方不明になり、怒りと絶望感に襲われた。
急いで青森に帰ると、車内のメカの中に挟まれてねこがいた。
光建自動車整備の皆さんのおかげで、なんとか全ての猫を救うことができた。
この時はまだまだ如月を全く信用していない顔をしている。
東京に連れて帰って初めての夜。
こんな小さな箱に3匹全部入れた。
日が経つにつれ、あんなに如月を威嚇していた3匹は、
みんな如月の膝で眠ってくれるようになった。
キジトラがもらわれていき、
3日前、茶トラと白ねこがもらわれていった。
本当に、本当に、本当にかわいいやつらだった。
この一ヶ月のことは、ずっと忘れないと思う。
いろんな人に「よかったね」と言っていただいてありがたかったが、同じねこ好きの大先輩であるサンドウィッチマン富澤さんに「いい人に見つけてもらえてよかった」と言われたときは、涙腺がぶっ壊れた。
リビングで、いつも如月が座っているところの横にケージが置いてあった。
みんないなくなったので、部屋が広くなった。
あれから毎日、ふとしたときに涙が出る。
嬉しいんだか、悲しいんだか今でもわからない。
きっと嬉しいのだと思う。
でも、こんなことを言っては生意気なのだけれど、もらっていただいたあいつら自身が幸せなのはもちろんだが、あいつらが2つのご家族に、これからそれ以上の幸せを運んでくるという自信がある。
なぜって、如月自身がこの一ヶ月、本当に幸せな毎日だったから。
思えば、如月の人生の節目には必ず捨てねこがいた。
大学に入る前の夏。
マジシャンとしてデビューする前の夏。
何年も勤めていた店を辞めて、イチからお客さんを掴まなければならなくなった春。
いずれも、ねこを拾ってから状況は好転していった。
そして今。
この事務所と一緒に仕事をしていくと決め、今までのお客様に別れを告げて、これまでとは全く違った仕事の方法を模索しなければならない秋。
きっと、あの3匹のおかげで、これから全てが好転していくと信じている。
ふと、ねこと目が合った。
「これからもよろしくな」
ハチが、出ない声で、口だけ開けて鳴いた。
ココは、ちらりとこちらを見て、また眠りについた。













