久しぶりに続き書きます。


ナナへの気持ち ②の続きです。

しょっちゅう見ていた仔猫が、ショーケースから姿を消して、数ヶ月。

幸せに過ごしているかなあとたまに思い出しておりました。

ある日、なんとなく、そのペットショップの中に入ってみたのです。

猫や犬を見たい気分だったのかもしれません。

そしたら。

彼女はいました。

外からは見えない、目立たない隅のケージに。

しばらく見ないうちに少し大きくなってしまっていました。

猫を一度でも飼ったことがある方ならお分かりだと思うのですが、仔猫の期間なんて本当にあっという間に終わってしまいます。

だから、如月は、「仔猫なら飼いたい」とかいう人は信用しないことにしています。

でも、やっぱりペットショップで売れるのは圧倒的に仔猫、仔犬なわけです。

彼女も、少し大きくなってしまったので、通りに面している日当たりのよいケージに入れておいても意味がないと判断されたのでしょう、日の当たらない室内のケージで飼われていました。

一般的に、育つと値段が下がってくるものなのですが、よほど自信があるのか血統がいいのか、値下げもほとんどされておらず、あれでは尚更に売れないだろうと。

いい人に買われたなんてとんでもない話で、環境はむしろ彼女にとって悪くなっていました。

でも、じゃあ自分がなんとかしてやろうと、そのときは思わなかったのです。

家にいないときも多いし、そもそも血統書というものに興味がなく、猫に大金を使うなんて考えられなかったのです。

また続きます。