認知症 | 哲人クニちゃんのブログ

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きょうの記事は
『 致知出版社の 「 人間力 メルマガ 」 』
6月 14日 ( 月曜日 ) の記事を抜粋して紹介です。

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2019年 11月 4日にも
同じ 『 認知症 』 というタイトルで
記事を書いています ⇒ 
こちら

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認知症

致知出版社の 人間力 メルマガ 2021.6.14

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本日は、「 認知症予防の日 」です。

認知症の母の壮絶な介護体験から、
人々の心を打つ珠玉の詩を数多く紡ぎだしてきた
詩人の藤川幸之助さんに、
人と人が支え合う介護の本質、
そして生きることの尊さを学びます。

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( 藤川 )

母が認知症になった30年前には、
病気への理解がまだ進んでいませんでした。
認知症の家族を人目につかないよう
家から出さないという家庭もありました。

でも父は、
「 何が恥ずかしいものか。
俺が愛して愛して結婚したお母さんだぞ。
病気が心臓、肺にくる人がいるように
お母さんは病気が脳にきただけだ 」 と、
いつも母の手を固く握って散歩に出ていました。

認知症の母がどうやって散歩するかというと、
がに股で歩きながら数分ごとに立ち止まり
「 あー、あー 」 と声を上げ、
人とすれ違えば誰構わず触ろうとする。
二人の散歩についていく時、
私は恥ずかしくて仕方がありませんでした。

ある日、
散歩中に小学生くらいの子供が
足元の小石をぱっと拾って、
「 ばーか 」 と言いながら
母に投げつけ、
逃げていったことがありました。

いつものことなのでしょうか、
父は母に寄り添ったまま
堂々と歩き続けましたが、
私はかっとなって
その子を追いかけようとしました。
すると父は、
「 病気を知らない子を叱ってはだめだ 」 と
私をこう諭してくれたのです。

「 あの子よりも問題があるのは幸之助だ。
おまえはお母さんのことを
いつも恥ずかしがっているだろう ? 
がに股で歩こうが、
あーっと声を上げようが、
それはおまえの母親が
認知症を抱えながら
必死に生きている姿なんだぞ。
息子のおまえにはそれが分からんのか 」

認知症になっても、
人間はその時その時を必死に生きている。
父の言葉を思い出すと、
いまでも涙が込み上げてきます。
この言葉が
後に母の介護に向き合うことになる
私の心を支えてくれました。

また、
詩人としての講演活動で各地を訪れた時に、
私はお土産屋さんで売っている
小さなキューピー人形を
母によく買っていきました。

なぜ人形を買うようになったかというと、
認知症が分かった頃の母が
いつも家にあったキューピー人形を抱っこし、
真顔でその人形にキスをしたり、
オムツを替えたりしていたからです。

当時の私には、
自分は正常な世界にいて、
母は異常な世界にいるのだという思いがあり、
「 何でそんなことをするんだ 」 と
母を叱ってばかりいました。

しかし人形を離さない母の姿を見ていると、
もしかしたらあの人形は私か兄、
幼くして亡くなった姉の誰か
なのかもしれないとふと感じたのです。

私は
「 できる、できない 」
「 分かる、分からない 」 で
向き合っていましたが、
母には
「 感じる、感じない 」 は残っていた。
母の心は若い頃の自分に戻り、
若い頃の世界をしっかり生きている。
頭の中に広がっている世界に
生きているという意味では母も私も同じ。
そう思えた時、
正常な世界と異常な世界という
区別が消えていきました。

その体験から生まれたのが
『 徘徊と笑うなかれ 』 という詩です。



『 徘徊と笑うなかれ 』



母さん、あなたの中で

あなたの世界が広がっている

あの思い出がこの今になって

あの日のあの夕日の道が

今日この足下の道になって

あなたはその思い出の中を

延々と歩いている

手をつないでいる私は

父さんですか

幼い頃の私ですか

それとも私の知らない恋人ですか

妄想と言うなかれ

母さん、あなたの中で

あなたの時間が流れている

過去と今とが混ざり合って

あの日のあの若いあなたが

今日ここに凛々しく立って

あなたはその思い出の中で

愛おしそうに人形を抱いている

抱いている人形は

兄ですか

私ですか

それとも幼くして死んだ姉ですか

徘徊と笑うなかれ

妄想と言うなかれ

あなたの心がこの今を感じている



 

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メルマガが送られてきた 6月 14日は
「 認知症予防の日 」 です、

認知症の大きな原因である
アルツハイマー病を発見した
ドイツの医学者 ・ 精神科医の
アロイス ・ アルツハイマー博士の誕生日
( 1864年 6月 14日 ) に由来して
2017年に
日本認知症予防学会によって
制定されました。

認知症は決して他人事ではありません。
現在、65歳以上の
10人に1人の頻度で見られる疾患といわれており、
その数はますます増加傾向にあるそうです。

おまけの画像

菜園の一角の濃いピンクの花

 

 




 

 

ギボウシの葉の間から
茎が伸びてきて
淡い藤色の花が咲いています

 

 




 

 

「 ギボウシ 」 は、
この植物のつぼみが
橋や寺社の欄干 ( らんかん ) に取り付けられる
葱坊主の形をした装飾物の
擬宝珠 ( ぎぼし、ぎぼうしゅ ) に
似ていることに由来します。

 

 




 

 

雨に濡れて
茎が横を向いています

 

 




季節の巡りとともに
いろいろな花が咲きます  
ニコニコ

おまけの動画は
朝崎 郁恵 - あはがり 2011


YOUTUBE ⇒ こちら

 

 

 

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