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21年前、多田羅の竹やぶから布団袋に入れられた身元不明の男性遺体が発見され、未解決のままとなっていることを知る人間がどれだけいるのだろうか?
身元の判明には市民による記憶の喚起と情報提供が欠かせないと思うが、事件の認知度があまりにも低すぎる。
こういうのこそ、テレビで情報提供を呼び掛けてみればいいのにと思う。
以下、茂木署捜査本部によるポスターを、部分的に拡大したもの。
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よくわからない事件ながらも、気になる点だけ考えてみます。
■ 「トナリ」「山本」とはそもそも何か?を考えてみる
遺留品のズボンのタグには、「トナリ」「山本」と書かれていたと。
これについては、警察の捜査である程度のことはわかっているらしく、
「捜査関係者によると、千葉市(若葉区)や千葉県市原市に『山本』と書かれたタグのズボンを扱ったクリーニング店があることが判明。捜査本部は付近に男性が住んでいた可能性もあるとみているが裏付けは取れていない。」・・・2017年5月27日付、下野新聞
「男性のズボンのタグには『トナリ』『山本』と手書きされており、事件発生当時に栃木県警が関東全域を調査したところ、千葉市若葉区と市原市内のクリーニング店がそれぞれ『うちで書いた』『そのズボンを扱った』などと名乗り出た。そのことから男性は千葉県内に住んでいたことがあり、栃木県か、もしくは近隣の茨城県などに移住後、事件に巻き込まれた可能性が浮上したという。」・・・2017年6月15日付、千葉日経オンライン
とのことで、どうもクリーニング店が関わっているらしいと。
そこで、「クリーニング」「タグ」「マジック」などのキーワードでググってみると、
「服をクリーニングに出したところ、タグに自分の名前をマジック書きされて戻ってきた。頭にきたのでクリーニング店に問い合わせると『他の客からの依頼品との混同を避けるため書かせてもらっている』という回答。しかし人の持ち物に勝手にマジック書きするのは許せない。もしこれが人から借りていた服だと思ったらさらにゾッとする。納得いかないが、弁償してもらえるだろうか?」
といった内容のトラブルが多数検索にかかってくる。
クリーニング店が客に依頼品を返す時は、例の細長い紙のタグをホッチキス止めして返却するのが普通ではないかと。
しかし、稀にそのやり方ではなく、個人経営の店などでは、服のタグに客の名前をマジック書きする店もあるらしく、ことに昔はそのやり方は普通にみられたと。
そして、鈴木さんや佐藤さん、田中さんから持ち込まれたズボンのタグに「山本」と書いて返却するクリーニング店はあまりないと思うので、
少なくとも「山本」については、「このズボンをクリーニングに持ち込んだ依頼人の姓をクリーニング店が書いたもの」と見て、まず間違いないのではないかと。
では、「トナリ」はどうか?
この点、「クリーニング店のとなりに住んでいる鈴木さん」からの依頼品だった、だから店主は「となりの鈴木さんからの依頼品」という意味でタグに「トナリ」と書いたとか、
あるいは、「クリーニング店のとなりに住んでいる山本さん」つまり「となりの山本さんからの依頼品」という意味でタグに「トナリ」と書いた、
あるいはまた、店主は当初「クリーニング店のおとなりさんからの依頼品」という意味で「トナリ」と書いたが、これでは今いち分かりにくいと思い直し、あらためて依頼人の姓「山本」を書き加えたとか、
そういうトリッキーな展開を考えないとすれば、やはりこの「トナリ」も、
「戸成」「都成」など、「クリーニングに持ち込んだ依頼人の姓をクリーニング店が書いたもの」とみて、まず間違いないのではないかと。
■ 「トナリ」「山本」がともに人の姓だとして、どちらが先に書かれたのかを考えてみる
同時に書かれた可能性もあるとは思う。
例えば、「このズボンをクリーニング店に持ち込んだ、依頼人のトナリ太郎(仮名、当時45)」が、店側に、
「自分は不在がちなので、ズボンが仕上がっても店にとりに行けないと思う。かわりに、家には同居人の山本という人間がおり、この人が店にとりに行くことになると思うので、その時はよろしく。電話をいただいても、私ではなくその山本が出ると思います」
あるいは、
「このズボンは山本という人物から拝借していたもので、受け取りはその山本さんが行くと思いますので、その時はよろしく」
というような注文の仕方をした場合、店側としてはタグに「トナリ」「山本」と同時に書く可能性もなくはないと思うが、
あまり想定する価値があるとも思えず、「トナリ」「山本」は、やはり同時ではなく、別々の機会に書かれたとみるのが自然ではないかと思う。
では、どちらが先に書かれたのかを考えてみると、
「トナリ」は「品番」の横の広いスペースに無理なくすっきり書き込まれているが、「山本」は(画像向かって)左隅に押し込められるように、あまつさえ「ポリエステル」の「ポ」の字を潰すような書き込み方がされている。
とすると、人の心理的には、まず余裕のあるスペースに書き込むのが第一であり、そのスペースが埋まっていた場合に、やむなく他の狭い場所に書き込むものではないか、
そもそもこのタグの製品表示自体が横書きなのだから、ここに何かを書き込む場合、人は無意識的にも空いたスペースに「横書き」しようとするものではないかと思われ、
それでもあえて左隅の狭いスペースに(タグ全体の横書きの流れをぶった切って)縦書きで「山本」と書き込んでいるということは、つまり「横書きできるスペースが、すでに埋まっていた」、すなわちそこにはすでに「トナリ」という字が書きこまれていたのではないか、
とすると、「トナリ」が最初で、「山本」はその後で書き込まれたということになり、「トナリ」のインクが「山本」のそれより薄い(より古い時期に書き込まれた可能性がある)ということも、その見立てを裏付けるのではないかと思う。
ただ、インクの濃い薄いは、単に記入者がその時使っていたマジックのインク残量やペン先の状態の問題に過ぎなかったかもしれず、
またスペースについても、何も左隅の狭い場所に「ポ」の字を潰してまで書かなくても、右側にはわりと広いスペースがあるのであり、なぜそこを無視して左隅に書いたのか、
そういった部分も判然とせず、「トナリ」「山本」どちらが先に書かれたか、結局はよくわからないというのが正直なところだった。
■ なぜ同じ一つのズボンのタグに「トナリ」「山本」という二つの姓が別々の時期に書かれたのか?
この二つの姓が別々の時期に書かれたという決めつけを前提にした話になります。
思いつく理由を並べてみると、
1. ズボンの所有者が、途中で変わった
2. ズボンの所有者が、途中で姓を変えた
3. ズボンの所有者に変更はなかったが、クリーニングに出した人物に変更があった(愛人Aと次の愛人Bなど)
4. 「山本」さんが「トナリ」さんからズボンを借り、返却する前にクリーニングに出したら、タグに「山本」と書かれてしまった
5. 「トナリ」「山本」の一方または両方が偽名だった
6. 「トナリ」は「トナリクリーニング店」、「山本」は「山本クリーニング店」であり、それぞれのクリーニング店がタグに自分の店の名前を書いた
7. 「トナリ」と「山本」は同居人であり、二人の衣服をまとめてクリーニングに出したが、一度目は「トナリ」が店に持ち込み、二度目は「山本」が店に持ち込んだ
こんなところかと。
(遺棄した犯人が偽装で書いた、とかの状況は考えていません)
いちおう、「トナリ」が先に書かれたということを前提にして、
1~6がそれぞれ具体的にどんな状況だったかを想像してみると、
例えば1の「ズボンの所有者が途中で変わった」については、
「トナリさんが古着屋に出したズボンを、山本さんが買った」(古着屋経由)
「トナリさんが山本さんに、有償無償でズボンを譲り渡した」(個人間譲渡)
とかが考えられるかと。
古着屋経由~~ということについては、古着屋の場合は、
「タグに名前が書かれたようなものは買い取りしない」
「仮に買い取っても、タグに書かれた名前などは消してから店頭に並べる」
などの慣習があるらしく、その点からすれば、
「古着屋がタグに"トナリ"の名前が付いたままのズボンを買い取り、そのタグの名前を消さないまま店頭に並べ、それを山本さんが買い取った」
という状況は考えにくいのかもしれないが、
一応、例外的なケースとして念頭には置いてみると。
一方、個人間で譲渡がなされた状況を想像してみると、
それは例えば、トナリさんが山本さんに「このズボン買ってくれない?」と言って有償で譲った、
あるいは、トナリさんが山本さんに「このズボン、あげる」と言って無償で譲った、
ありそうにないところでは、トナリさん宅で遺産相続があり、しかしズボンを含めた遺品の服についてはトナリさんの遺族にはサイズの合う人がいなかったので、トナリさんの遺族は親戚の山本さんに、「お宅のSくんならサイズ合うでしょ? 着る?」みたいな形で回ってきたのを、断り切れずに譲り受けた、
あるいは、事件の約1年前、1995年1月の阪神淡路大震災で神戸の山本さんが被災し、着の身着のままで焼き出され仮設暮らしをしていたところへ、千葉(のトナリさん)から届いた支援物資の中にちょうど自分に合うサイズのズボンがあったので頂戴していたとか、そんなところかと。
その他、「トナリさんがタダ同然で質屋に出していたものが流れて、山本さんの手に渡った」とか、
「トナリさんのズボンを、山本さんが拾った(盗んだ、奪った)」
「トナリさんのズボンを誰かが拾い(盗み、あるいは奪い)、それを何らかの経緯で山本さんが入手した」
等の状況もあるかと。
しかし、1(所有者の変更)について現実的なところでは、やはり、「古着屋経由」か、「個人間での譲渡」があったというところかと。
次に2の「ズボンの所有者が途中で姓を変えた」という具体的な場面を想像してみると、例えばそれは、
「トナリさんが何らかの事情で養子縁組をして、姓を"山本"に変更した」
「トナリさんが山本さんと結婚をして、トナリ姓ではなく山本姓を名乗った」
「ズボンの所有者は在日韓国朝鮮人であり、一時期は通名として"トナリ"を名乗っていたが、その後"山本"に通名変更した」
などが考えられるかと。
(事件は1996年。総務省から「結婚や養子縁組等の場合を除き、原則として通名変更を許可しない」旨の通達が出されたのは2013年11月15日。)
3の「ズボンの所有者に変更はなかったが、クリーニングに出した人物に変更があった(愛人Aと次の愛人Bなど)」ということについては、
例えば、ズボンの所有者であるトナリ太郎(当時45)がズボンをクリーニングに出し、その時、タグに「トナリ」と書かれた。
その後、トナリ太郎は愛人の山本花子(当時40)と同棲をはじめ、この山本花子がトナリ太郎のズボンをクリーニングに出した際、依頼人として「山本」を名乗ったため、クリーニング店はタグに「山本」と記載した・・・、
また、それとは少し違うパターンを想像してみると、
ズボンの所有者である鈴木太郎(当時45)が愛人のトナリ花子(当時40)と同棲をはじめ、このトナリ花子が鈴木太郎のズボンをクリーニングに出し、その際、依頼人として「トナリ」を名乗ったため、クリーニング店はタグに「トナリ」と記載した。
その後、鈴木太郎はトナリ花子と別れ、新しい愛人の山本花子(当時40)と同棲をはじめた。この山本花子が鈴木太郎のズボンをクリーニングに出した際、依頼人として「山本」を名乗ったため、クリーニング店はタグに「山本」と記載した・・・、
書きながら「あるわけねーだろ」と自己突っ込みを入れてしまいましたが、こんなところかと。
4の「"山本"さんが"トナリ"さんからズボンを借り、返却する前にクリーニングに出したら、タグに"山本"と書かれてしまった」について、
これはこのまんまの状況ながら、いい年をした大人が「他人からズボンを借りてはく」という状況が、そうそうあるだろうか?・・・という気もする。
5の「トナリ・山本の一方または両方が偽名だった」、これは結構ありうるかなと。
例えば、トナリ太郎(当時45)が、最初は本名の「トナリ」でクリーニングに出し、その時タグに「トナリ」と書かれた、ところがその数か月後に別のクリーニング店に出したとき、トナリ太郎には本名を名乗りたくない何らかの事情が---例えば家出して名前を変えて生活していただとか、誰かに追われて偽名を名乗って暮らしていたとかの事情が発生しており、クリーニング店には「山本」という偽名で依頼したので、タグには「山本」と記載された・・・。
あるいは、「トナリ」「山本」の両方が偽名だったというパターンを考えてみると、
このズボンの所有者は本名・鈴木太郎(当時45)という人物だったが、この鈴木太郎にも、家出して名前を変えて生活していただとか、誰かに追われて偽名を名乗っていたであるとか、とにかく本名を名乗りたくない事情があったため、クリーニングに出す際に、一度目は「トナリ」という偽名を使い、二度目は「山本」という偽名で出した。そのため、タグには「トナリ」「山本」と別々の姓が記載されることとなった・・・とかだろうか。
5の場合だと、「遺留品のズボンについては、タグの表記などから扱ったクリーニング店までは判明しているらしいものの、どうやら依頼者その人が特定できていない」という状況も説明しやすいかもしれない。
6の「"トナリ"は"トナリクリーニング店"、"山本"は"山本クリーニング店"であり、それぞれのクリーニング店がタグに自分の店の名前を書いた」ということについては、
「客の服のタグに、自分の店の名前をマジック書きする」というのは、「客の服のタグに、客の名前をマジック書きする」ことよりも非常識の度合いは強いと思われ、
「果たして、そんなことをするクリーニング店があるだろうか?」
という疑問はあるものの、しかし中にはそんなクリーニング店もあったかもしれず、可能性の一つとしては念頭に置いてみたいと。
7の「"トナリ"と"山本"は同居人であり、二人の衣服をまとめてクリーニングに出したが、一度目は"トナリ"が店に持ち込み、二度目は"山本"が店に持ち込んだ」について、
これもこのまんまで、男同士の同居だったか、それとも男女だったか、また同居していた人数は二人あるいはそれ以上いたのかは不明ながら、とにかく、
「みんなの服をまとめてクリーニングに出そう」
ということになり、一度目は「トナリ」さんが皆を代表して店に持ち込み、タグに「トナリ」と書かれた、二度目は「山本」さんが皆を代表して店に持ち込み、タグに「山本」と書かれた・・・こういった状況かと。
■ なぜ「トナリ」「山本」のどちらかが打ち消し線などで消されていないのかを考えてみる
仮に「トナリ」→「山本」の順で書かれたとして、「山本」を書いたクリーニング店としては、同じタグに「トナリ」と書かれていることが、気にならなかったのだろうか?
タグに「山本」と書くのは、他の客の依頼品との混同を防止するためだとすれば、同じタグに「トナリ」と記載されているのは紛らわしい~ミスの元であるはずで、だとすれば、「トナリ」を横棒で消すとかしそうなものだが、それをしていないのはなぜか?
その点を考えてみると、クリーニングを依頼してきたのは「山本」さんでも、のちに「トナリ」さんに返却する予定のズボンだったかもしれず、店側としては、そういったことまで想定すれば、「トナリ」の文字を横棒で消すような真似はしないのが普通なのかなと。
また、「トナリ(戸成・都成)」は珍しい苗字でもあるので、「トナリ」の文字を消さなくても、「山本」とさえ書いておけば、他の客の依頼品との混同が生じることはないと考えた可能性もあり、
いずれにしても、「トナリ」が打ち消し線で消されておらず二つの姓が併記されていることに、さほど不自然さはないのでは?・・・という気がする。
(捜査本部の公開資料より、遺留品のブレザー、ズボン、布団袋の販売地域)





