●ビル用アルミ防火戸の運用が変わる!?
大々的には取り上げられておりませんが、来年の2019年4月1日よりビル用防火戸(防火設備サッシ)の運用が大きく変わります。業界関係者の皆さんは知っていましたか…?


①どう変わるの?
通則認定制度から個別認定制度に移行します。

ビル用サッシ防火設備製品においては ※1業界団体が一括して国土交通省から通則的認定の取得及び管理をしていましたが、この運用が2019年3月31日をもって終息し ※2各サッシメーカーにおける個別認定制度に切り替わります。

※1.(一社)カーテンウォール・防火開口部協会
※2. LIXIL、YKKAP、三協立山アルミなどの建材メーカー
②移行前と移行後の扱いはどうなるの?
2019年3月31日までに正式契約(販売店↔️建設会社、施主)がなされた物件においては引き続き移行前の制度を活用する事ができ、変わらずこれまでの防火戸製品を納品し防火戸として活用することが可能です
4月1日以降の契約物件においては新たな制約における条件下で防火戸製品を扱わなければなりません。
③防火戸製品はこれまでとどのように変わってくるの?
ビル用防火戸は新たな製品品種に切り替わり、今までの現存する防火戸は防火戸として扱えない商品(非防火戸としてはOK)へと変わります。

これまでの製品は防火設備製品として認定を取得していたのだから同じもので個別に取得をし直せば良いんじゃないの!?…と問いたくなるような話ではありますが、各サッシメーカーの防火戸製品における品種や組み合わせは全面的に見直される予定でいます。

よって防火戸製品においてはこれまでの既存製品群とは異なるラインナップとなり、通則認定として取り扱われてきました防火戸においては防火戸製品としては扱えなくなります。2019年4月1日以降は注意が必要です。
④各メーカー防火戸として扱える条件は同じなの?
製品条件がメーカーによって異なってきます。

それぞれのメーカーにおける認定取得条件により、製品品種や組み合わせ、また製作可能なサイズや付属部品の取り扱いも一概には言えませんがバラつきがあり、異なってくる模様です。

また製品品種も少なく、製作サイズの範囲も狭まりそうです。物件においては意匠上の自由度はなくなり、シンプルな窓周りの建物が多く建ち並ぶことになるかもしれません。
⑤ガラスは今まで通りのまま使用できるの?
個別認定制度によりガラスの扱いとしては、サッシ同一商品としてとらえていくようです。

これまで防火戸として使用可能であったガラスにおいては通則認定制度の条件下範疇でメーカー問わず、ガラスの板厚や組み合わせにおける性能を遵守して決められていましたが、個別認定制度においてはガラスも同一商品としてとらえるため、サッシメーカーが個別認定を取得したガラスメーカー及びガラス品種(板厚さや組み合わせ)のみしか扱うことが出来なくなります。

よってこれまでとは異なり、ガラスメーカーの選定や仕様条件においては、取り扱うサッシメーカーにも注意を払わなくてはなりません。

また防火における公的文章のない耐熱強化ガラス(網なしガラス)は使用規制の対象になる模様(個別認定条件下では使用できない。)です。時代に逆行していますね。こちらも注意が必要です。
⑥コストは?
大幅に上がる予測です。

製品のみでなく個別認定制度移行における設計及び施工に関わる品質管理や運用管理におけるコストアップなどの観点からみても大幅なコストアップになりそうです。製品単体コストだけをみても2倍近くとの情報もあがっております。制度移行後の総合的な建築費用のコストアップは免れないようです。
⑦今後の見通しは?
通則認定から個別認定制度へ切り替わることで実質は防火規制強化の働きとなります。

サッシメーカーとしては確実に防火性能試験をクリアーするため、ありきたりの商品群の構成となり、時代に逆行した動きにはなるでしょう。

また販売店に対しては製品コストの増大、販売規制の強化、設計施工の品質確保などをより厳しい制約のもと担保する動きが強まり、正規販売店も精査されていく見通しと考えます。


設計者や施工者は設計段階から各サッシメーカーの取り扱い製品(ラインナップ)と仕様条件を十分に考慮しながら進めていかなくてはなりません。設計施工者泣かせにはなりそうです。

時代と逆行した動きととらえるか、また法令遵守ととらえるか、『認定制度の管轄が変わるだけ』と単純なものではありません。

どちらにしてもこれまで以上に業界の成長と発展の妨げにならないことを祈るばかりです。

⑧最後に
これから建設予定の物件を抱えております建築主さまを初め、業界の設計者さまや施工者さま、また関連業種の現場に携わる皆さまには、まだまだ正しい情報が浸透していない状況に思えます。
一人でも多くの方々が正しい情報と知識を身につけ、業務にお役立て頂けましたら幸いです🙂



※ 本文には個人的見解も含まれております。