日本の強みとそれを引き出す条件
これからの世界的な金融危機の時代に強いのは外国から借金がない「債権国」だ。
日本の対外純資産は32年連続世界一。国民の金融資産は2000兆円を超える。
すべての経済活動には資金が必要だから日本は成長への最大の強みを持っている。
米国と中国がイノベーション企業に投資するからだ。
未公開企業がほとんどであるイノベーション企業に投資するのがベンチャーキャピタル(VC)。
米国のVC投資は年間50兆円、中国は20兆円。
ところが日本のVC投資は年間わずか4500億円。米国の100分の1。勝てるわけがない。
もし日本が国民金融資産2000兆円の1%の20兆円を毎年イノベーション企業に投資すれば、
イノベーション企業とともに日本経済は飛躍的に成長し国民の所得は増える。
過去の反省から蘇る日本
今こそ、「21世紀型メインバンク」が誕生する時だ。
イノベーション企業の見極め、貸付、経営アドバイス、株式投資、さらには機関投資家から資金を集めた
ファンド運営によって、「ガバナンス」と開かれた「共同投資」が可能になる。
銀行預金と年金・保険の双方の国民資金がイノベーション企業を育て、上場させ、新NISAの投資対象にし、
世界企業に成長させ、企業と経済と国民を豊かにする。
洗練されたモノ作りとホスピタリティ
これからの世界はモノ不足時代になるから、経済の重心は情報から物質に移る。
量子力学やAIを生かした「シン・モノづくり」が物質の付加価値を決める。
「モノづくり」と並ぶ日本の強みは「ホスピタリティ」だ。
日本はホスピタリティ産業で世界一になる潜在力を持っている。「おもてなし」、お遍路さんへの「ご接待」。
英語にすればホスピタリティだ。
そもそも、歴史上、日本は「観光大国」だ。観光の語源は「光を観る」、お参りすること。
豊かな地方を作るための方策
日本の観光をグローバル化するには「教育」が不可欠だ。美しい自然と再生可能エネルギーの両面から「環境」
が巨大な成長領域だ。里山、
つまり、観光・教育・健康・環境、の「4K+農林水産業」の「経済生態系」を作った地域が爆発的に成長する。
日本も高速道路を無料にして出入口を米国並みに2キロに1つにしたら「地方分散」ができる。
どうしたら実現するのか?
「ファイナンス」を米独並みにすればいいのだ。
米独でも高速道路がタダでできるわけではない。長期国債を発行して建設する。一般国道の建設と同じだ。
だから、高速道路も一般国道と同じく無料になる。
プリツカー賞受賞の建築家レム・コールハースが「プロジェクトジャパン」と認めた日本らしく、
人類の問題を解決する「シン・高速道路」を作るべきだ。
安心・安全・無事故・便利・CO2排出ゼロの「高速道路」と「道の町」だ。
①完全自動運転→交通事故ゼロへ
②再生可能エネルギー電力のEVか水素燃料電池車(FCV)→CO2排出ゼロへ
③道路からEVへ走行中自動給電→充電のための停車不要
④バスやトラックは連結可能に→高速大量輸送
⑤出入口を2キロに1つに増やして「道の町」→交通事故・排気ガスゼロ+高速道路からゼロ分+生活施設や緊急施設が整う
+豊かな自然にアクセス→大都市からの移住受け皿
⑥「道の町」→「田園からの産業革命」の拠点
太平洋側と日本海側をつなぐ
だから、名神・東名・首都・京阪神・名古屋の高速道路は有料を維持する。これで全国の高速料金収入の半分が確保できる。
それ以外の全国の高速道路は無料にし、順次「シン・高速道路」に作り変える。
これによって、東京と太平洋ベルト地帯中心の「工業国家」から「4K(観光・教育・健康・環境)+農林水産業」
を主体とした「田園からの産業革命」へ、日本の成長の軸足が移動する。
日本は世界一の多様性民族国家
2100年の日本の推計人口は今の半分の6000万人。その4割が高齢者。それが現実になると対外純資産世界一も経済大国も消えてしまう。
しかし、この人口危機こそ歴史上繰り返してきた「シン・日本人」を誕生させ、「日本の時代」を支えていくだろう。
日本は世界一の「平和共存国家」だからそれができる。
これからの世界大恐慌と大災害の時代に世界は住みにくくなる。だから、日本を世界の人の「憧れの住み家」にするのだ。