現役時代の知り合いが収集した戦時中の国策ポスターが、高槻の「戦争と平和」展で展示されているというので、高槻まで見に行ってきました。
市役所の展示スペースにボランティアが持ち寄ったたくさんの資料が展示されていましたが、そのなかでやはり国策ポスターが目立っていました。
右側のは、「お父さん お母さん ボクも空へやって下さい」と記され、イラストには生まれて間もない赤ちゃんも描かれています。
こちらは「松根油」緊急増産を呼びかけるポスター。
松根油(しょうこんゆ)といっても若い人には通じないでしょうが、「松の根から重油とガソリン」と右下に書かれているように軍艦や航空燃料の代用品です。
若者に「空へ」と呼びかけたものの戦争末期には燃料が不足し、今度はこのような苦肉の策を呼びかけたのです。
これはポスターではありませんが、「戦時必携」という小冊子で、右ページには竹槍で敵兵を倒すやりかたが図示されています。
いまこのような資料を見ると、この頃がいかに狂気の時代だったか実感できるのですが、当時の人たちはこの風潮に従うしかなかったのですね。
こうなってしまったら、もう手遅れだったのです。今からたかだか80年ぐらい前。そんなに遠い昔のことではありません。
「今はまだ大丈夫だろう」と楽観している間に、自衛隊の護衛艦を空母に変えて米軍機が離着艦できるようにするとか、ちょっと前には考えられらなかったことが実行されようとしています。戦争というのは、アッという間に世の中を支配してしまうポテンシャルを持っているので恐ろしいです。
次にリブログするのは、1年前に書いた「戦争の死」シリーズのなかの第7回です。
今は亡き私の家族のことを書いていますが、「預金封鎖」とか「新円切換」とか、「代燃車」とか、これらも今では説明しなければ「何のこと?」という語彙が多く出てきます。
よかったら読んでみてください。