※※※ 注意 ※※※
「シネマ報告書」には、映画の内容や核心・結末に触れる、いわゆる“ネタバレ”が多分に含まれております。
これから観ようと思っている方は、本報告書の内容についてご理解のうえ十分注意してお読みください。
1.評価
「アカデミー作品賞獲ったのか~、ふ~ん」で終わる映画
★★★
(★…1点 ☆…0.5点,★5つで満点)
2.基本情報
(2008年/アメリカ映画/131分/The Hurt Locker)
監督:キャスリン・ビグロー
脚本:マーク・ボール
出演:ジェレミー・レナー
アンソニー・マッキー
ブライアン・ジェラティ
レイフ・ファインズ
ガイ・ピアース
2004年夏のイラク・バグダッド郊外。
ジェームズ二等軍曹は、爆弾処理作業中に被弾して即死した
トンプソン軍曹の変わりに、駐留米軍のブラボー中隊に赴任。
うだるような暑さの中、ジェームズ他兵士たちは
いつ死んでもおかしくない爆弾処理の任務をこなしていくのだった―
3.コメント
アカデミー賞候補でありながら上映館が極端に少なかった本作。
作品賞受賞してからはボチボチと拡大していますな~
「集客が見込めるぜ!」と踏んだんでしょうな。
新宿で観てきたんだが、まあ満席で立ち見まで出る始末で。
しかも最前列しか空いてなくて、しぶしぶそこで鑑賞しました。
さて、見事本年度アカデミー作品賞を受賞した本作。
物語としては、山あり谷ありのストーリー展開は特になく
兵士たちの仕事に従事する姿が淡々と描かれている。
淡々、とは言うがそこは完全アウェイの敵地。
爆弾はそこらに落ちてるわ、銃撃戦は始まるわで、
いつ命を落としてもおかしくない状況。
そんな日々の緊迫した雰囲気が伝わってくるところはスゴイ。
いたいけな少年の人間爆弾なんて正気じゃねーよ!
ラストのサンボーン軍曹のように泣きたいのが本音だろうが
全編にわたってのスリル感は十分に伝わってくる。
個人的主観で本作の感想を言えば、
「これがアカデミー作品賞獲ったのか~、ふ~ん」
で終わる。
今後おそらくこの映画をもう一度観ることはないだろう。
いいんです、映画なんて主観で。
緊迫感は抜群だし、反戦でも好戦でもない
戦地にいる兵士の日常から何かしらのメッセージは伝わってくるんだが、
そのメッセージを自分の中でどう着地・消化させればいいものかと
とにかく消化不良のまま映画は終わってしまった感じかな。
もしかしたら、監督は単純に「兵士はこんなにがんばっているんですよ~」
と日常を映像化しただけで、メッセージなんてないのかもしれない。
そもそも、平和ボケしちゃった日本にとって戦争というものが
まったく身近に感じられないわけで。
戦争が身近にあるアメリカだからこその受賞だったのでは?と感じる。
あ、ちなみに映画音楽のMinistryはカッコよかったぜ。
4.その他
第82回米アカデミー賞において6部門で受賞。
■ 作品賞 ■ 監督賞 ■ オリジナル脚本賞
■ 編集賞 ■ 音響編集賞 ■ 音響調整賞
その他、第35回ロサンゼルス映画批評家協会賞や第44回全米映画批評家協会賞など数々の賞を受賞している。
5.2010年度ランキング(3/14時点)
本作は、本年度のベスト10中8位(暫定)にランクイン。
(1)ベスト10
① ライアーゲーム ザ・ファイナルステージ
② パラノーマル・アクティビティ
③ パレード
④ ゴールデンスランバー
⑤ 板尾創路の脱獄王
⑥ マッハ!弐
⑦ サベイランス
⑧ ハート・ロッカー
⑨ インビクタス 負けざる者たち
⑩ パーフェクト・ゲッタウェイ
(次点)
サロゲート
(2)ワースト3
① 彼岸島
② ラブリーボーン
③ パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々