小景異情

小景異情

ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの よしや うらぶれて異土の乞食となるとても 帰るところにあるまじや ひとり都のゆふぐれに ふるさとおもひ涙ぐむ そのこころもて 遠きみやこに帰らばや 遠きみやこに帰らばや

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昨夜の帰路、どこの熱帯雨林に迷い込んだのかと思うほどの湿気に包まれ、鞄の持ち手はジットリ、スラックスは肌に張り付く。不快指数100パーセント。


家に入るや否やエアコン稼働、風量は無論強一択。グラスを濡らして、缶ビール2本とともに冷凍庫へぶち込む。冷奴、サラダ云々、簡易なツマミを手早く用意した後、シャワーを浴びる。こうすると、快適なまま晩酌へ移行。エアコンがいい働きをしてくれる。シャワー後に晩酌の準備をすると、意外に汗をかいて快適さが損なわれるのだ。


不快指数100パーセントから快適指数100パーセントへの大転換。これはこれでえらい歓びを感じる。私が考えた梅雨を乗り切る知恵であるが、太陽照る中、気持ち良い汗を流して喉カラカラで呷るビールの方が何倍も旨いのは当然、実に無い物ねだりの令和の夏。

昨日の夕方、ようやく痛飲した代償である二日酔いも治まりつつあり、週末のルーティンであるランニングを開始した。どんよりとした曇り空、時折雨がぱらつく。ここ1ヶ月、太陽様とはお会いしていないようにおもう。


東京にお日様は無いと云う
ほんとの空が見たいと云う


そう言いたくもなる心境。週末の天気予報を見るにつけ、ランニングのモチベーションが下がる令和の夏。今朝も何とも覇気がない空で、洗濯物もピリッとしない。


さて、自宅から10キロ超のところにある湖で折り返す、ハーフマラソンコース。緑豊かな東京郊外路、ヒグラシのカナカナカナという鳴き声を聞くと、幼少の頃を思い出す。クーラーもなく、扇風機の前に張り付いていたなあ。四季の風という謎オプションで、涼風を堪能していた。懐かしい。暇で暇で仕方がない昭和の夏。


湿度90パーセント超、大量の汗を掻き、途中自販機で水を購入し水分補給。零れるのを気にせずに一気に流し込む、これが実に爽快である。むしろ、わざと零してるんでないかという勢い。


道行く人に甚平や浴衣姿が多いなと思ったら、公民館で夏祭りが開かれていた。子供たちは夏休み突入。小学校、中学校と、地元の夏祭りが楽しみで仕方がなかった。もう遙か遠くに行ってしまった、あのときめき・・・走りながら何度もえづく。二日酔いが治る直前に起こる作用である。前屈みになりオエーといった後、顔を上げると、父親の自転車の後部座席に乗せられた4歳位の男児が怪訝なかおをしていた。


さてさて、復路も終盤。暗くなり、街灯が灯る中、走っていると路面に黒い物体を確認。頻繁に見掛けるゴキブリだろうと思ったがやけに大きい。まあ、南方諸国にいるゴキブリだろうと思い(そんな訳ないが)、近寄ってみると、なんとカブトムシの雄であった。


思い出す。小学校の夏休み。早朝ランニングしていた時に橋の欄干にカブトムシの雄を見つけ、舞い上がり、捕獲し、手掴みで家に持ち帰ったことがある。


さてさてさて、久しぶりに手掴み・・・


痛い!!


足の刺に速攻でやられる。カブトムシに敗北し、老いを感じる。負けを素直に認め、悪ガキどもに捕獲されぬよう、植え込みの中にそっと戻した。戻すときににおいを嗅いでみた。森のにおい、土のにおいがして、我童心に帰る。

家➡電車➡職場➡電車➡家を繰り返していると、あっという間に時が過ぎている。しかも毎日同じようなものを食べて、同じようなことをしていると尚更尚更。おそらく、ここ1ヶ月で1日の歩数が同じ日が何日かあるだろう。毎朝同じ電車に乗るから、駅までの道ですれ違う人も電車内に乗り合わせる人も一方的に面識がある。あの人とすれ違うのがこの場所であれば2分遅いな、と時計代わりに使ったりする。その人が正確無比という、よく分からぬ前提の下で。いつも電車に乗り合わせる人がいないと、どうしたんだろうと心配したりするもんなー。これもご縁なのでしょうか。そんな毎日。







金曜日、仕事も一段落とあって、夜中に乾杯と声を張り上げてグラスに注がれたビールを一気に飲み干した。テレビでお笑いを見ながら、
焼酎を呷っていたらいつの間にか朝を迎えていた。



THE日常