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夫はフランス人、膵臓癌になりました (ワイン畑の中の3人家族)

フランスで出会い、嫁ぎ、娘が生まれて7か月、夫が膵臓癌になり、2020年4月に旅立ちました。闘病の記録として始めましたが、その後の日々の生活や想いも綴っていこうと思います。

時間はあっという間にたちました。

お葬式から1週間、
お墓参りに日に1、2回行くようにしてます。
ここ数日は気温が高く日差しが強いのでお墓のお花達の日差し避難と水やりの為。

外出禁止ではあるものの、天気のいい田舎はのんびりしたものです。
1km以内の散歩しても他人との接触はありません。
ちなみにこんなど田舎でもGendarmerie (警察)は廻ってます。

義理の妹が連休中いたので、
散歩がてら夫の所有してる池を見に行きました。
去年も一昨年もこの時期に一緒に草刈りした彼のお気に入りの場所。

私の気持ちは、どうなんだろう。

なるべく悲しい事、辛い事は考えないようにしてる。
義理両親と一緒にいてどうしても悲しみを共有出来ず感情を自動的に抑えられてる。
何せアウェイなので危機感が頭のどこかで働いてる。
今泣いたら立ち直れなくなる気がする。(何度も泣いてますが。)

心に麻酔打ったような感じです。
これは、夫の闘病中に既にクセになってる事。無理やりでもポジティブを探す。

物理的には夫の闘病中の方が色々しんどかった、と思います。私なりに精一杯頑張ったつもりです、でもMの食事とか今の方が落ち着いて明るくあげられる。義理母が喜んでやってくれるので。

ただ、義理母が薬局にいくというのでついでに私も大量の夫の薬と栄養補助ドリンクを返却しに持って行きました。外出禁止に備えて大量に用意してたのです。
これは辛かった。
考えないようにしてた様々な記憶と無念を呼び起こし、
キツかったです。
やっぱり、辛い。

そして赤ちゃんの力は凄いです。
辛くて泣きながらも、
Mが笑ったのを見て、私も笑えました。

私は元々子供嫌いではありませんが子供好きでもなく、家庭的な要素がまったくありませんでした。でも夫と出会って、普通の日常に喜びを感じるようになり、M生んで「こんなにも可愛いものか!」と典型的な変化を遂げて幸せでした。

夫はかけがえのないものを沢山くれました。
これからも沢山一緒に過ごすはずでした。

だから、悲しみも辛い思いも尽きない。
考え始めたらキリがない、それをわかってるから、今は夫の喪失を直視できない。

今は。

今、目の前に立ちはだかってる事2つ。

1つは手続き関係のコロナによる滞り。元々フランスの保険やら公的機関の事務処理は遅くて不明瞭なのに。でもこれはこれで『のんびりできていいじゃん!』と思ってます。出来る事はやって、出来ないことは後で。銀行と保険の内容は夫がある程度明瞭してくれたのでそんなに大きな心配もありません。数ヶ月は生きていけます。

2つ目は義理の弟と今後の私の生き方。一番ややこしくて心と胃が痛い。
相続に関してはnotaire という公証人が全部担当してるのですがこれも外出禁止が解けてから。

ワイナリーは夫と義理弟の共同経営。
私は義理弟とはそんなに親しくない。
夫の相続で畑とか経営とか権利とか私もMも諸々関わってくる。
よって、ややこしい。

経営権はいらない、
私は夫の生きてきた軌跡を追いたい、
ワイナリーの仕事やりたい学びたい、
将来Mにお父さんのやってきた事伝えたい、
Mが判断できる歳になるまで、ここでの選択肢を残したい。
※外出禁止ですが広いワイン畑での仕事は人との接触はほぼ無いのでattestation (許可証)持って行われてます。

でもそんなこと思ってるのは私だけで、義理家族にとっては面倒の種以外の何物でもなさそう。
悲しい。

そうするとワイナリーの真ん中にある我が家で私はどんな気持ちで生きればいいの?
夫の愛したここを捨てて逃げる?
切り裂くような傷になりそうで怖い。
今判断なんてできないし、したくない。

ネガティブ過ぎるかも知れません。
まだ話し合ってもいないので。

夫は何を望んだだろう。

サボテンすらも枯らし、
庭の事も何もできない私に何が出来よう?
無謀なのかな、
おこがましいのかな、
ごめんM、ママ何にも出来ない、、、

と、
グダグダしてる所に救いが。

なんと、
知り合いのワイナリーで5月4日から働かせて頂くことになりました。
突然で偶然なビックリでした。

更に、義理父が家の裏にある白ワインの畑の作業を少しレクチャーしてくれました。
これもびっくり。
嬉しかった。
夫にワインの仕事を教えたのは他でもないこの義理父(83歳)。

そして懐かしかった。
2018年にこの作業を夫に
教えて貰った事があったことを思い出しました。

生えてきた余分な芽を除く作業、見極めが難しいから経験が必要。

一歩一歩土を踏み歩きながら、腰曲げて低い木を覗き込む作業。

懐かしいね、
一緒にやったね。

明日も一緒にやって下さる、嬉しい。

希望、
持てそう。

そしてMは私が義理父に教わってるスキに口いっぱいに土を食べてたので慌てて出させた。

もう!
可愛いんだから!