非HR/HMレビュー第一回は、SADSのリアルファーストアルバム(当時はそう呼ばれていた)である"The Rose God Gave Me"だ。
黒夢が無期限活動停止になった直後から清春は新バンドという名のほとんどソロバンド"SADS"を結成した。
初期は何かとメンバーチェンジが激しかったが、ベースに小林勝を迎え、落ち着いたと思ったところでドラムの牟田が脱退。

弟の庄太郎(そう言えば去年のメガトンクラブのD.T.Rチームのベースは彼だった)やBOWWOWの山本恭司とともに結成したワイルド・フラッグでデビューし、
そこから発展した新生BOWWOWでも活躍した元黒夢のサポートメンバーである満園英二を迎えたSADSの第一弾アルバムだ。
英司の加入は、SADSにダイナミックなグルーヴとラウドなサウンドをもたらした。
このラインナップでつくられるアルバムがラウドな方向へ向くのも当然のことだろう。

ダウンチューニングによるへヴィなギターとベースは、英二の爆音に一歩も引かない。
当時のBMGの社長に気に入られ、海外進出の話もあったため、英語詩メインとなっているのも興味深い。
しかし一年でBMGとの契約は解消。理由として考えられるのは前述の社長が亡くなったことが挙げられるだろう。

再結成後のメンバーの方が確かに演奏力は高い。
だが、この良い意味でラフな演奏のパワーも悪くないと思う。

だいたい演奏技術は表現の幅を広げるためのものであって、演奏が上手くないと駄目ならビートルズなんて売れてないんだよ!

シド・ヴィシャスなんて単なるチンピラで終わってるんだよ!


今のSADSに足りないところがあるとしたら、強烈な個性ではないだろうか。



THE ROSE GOD GAVE ME/sads

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