アメリカン・ゴシック』は、1987年にイギリスで製作されたブラック・コメディ・ホラー映画。
監督は『ヘルハウス』『小さな目撃者』などで知られるジョン・ハウ。
出演には名優ロッド・スタイガーやマイケル・J・ポラードなどが名を連ねています。
ストーリーは、不注意から赤ん坊を死なせて精神を病んだ若妻シンシア(サラ・トーゴフ)を含む男女6人がバカンスに出かけるところから始まります。
しかし、彼らの乗ったセスナ機が故障し、ある小島に不時着。そこで出会うのは、老夫婦(ロッド・スタイガー、イヴォンヌ・デ・カーロ)とその「子供たち」です。
しかし、この子供たちはどう見ても中年なのに自分を子供だと思い込んでおり、20年代の価値観や生活にしがみつく、異常な殺人鬼一家なのです。
孤島という閉鎖空間で、若者たちは次々と奇妙な家族に襲われ、命を落としていきます。最終的にシンシアだけが生き残り、抵抗の末に一家を皆殺しにして島に一人取り残されるという、ブラック・コメディとホラーが融合した独特の世界観が展開されます。
感想(ネタバレあり💦)
本当にインパクトある映画でした!
まず、ジェットコースターみたいな展開がもうたまらない。
最初は「あー、また若者たちがバカンスで遭難して、変な家族に襲われるやつか」って思ったんだけど、これが全然違うんですよ。
特にこの家族、なんか時代錯誤すぎて笑っちゃうし、でも同時にすごく怖い![]()
ロッド・スタイガーのおじいさん役がもう絶品で、なんか威圧感ありすぎて主人公たちがどんどん追い詰められていく感じがすごい。で
も、マイケル・J・ポラードとかもいるから、いきなりコメディっぽい空気になったりして、ギャップがまたイイ。
やっぱりブラック・コメディってこういうバランスが大事なんだなって思う。
で、
この映画の一番面白いところって、サラ・トーゴフ演じるシンシアが「傍観者面」でいて、でも最後はめっちゃ強いところ。
最初はみんなに引っ張られてる感じだけど、段々と自分で動くようになって、最終的には一家を倒すし、もう「やったぜ!」って気分になる。
でも、ラストで一人島に残るシーンはなんか寂しいし、余韻がすごい。
あと、子供たちがどう見ても大人なのに子供だと思い込んでる設定がもう最高にシュール。ブランコに乗ってたり、おもちゃで遊んでたりするんだけど、それが逆に気持ち悪くて怖い。
ホラーの王道って言えば王道だけど、こういう「変な家族」が襲ってくる系って意外と少ないかもです。まさにスラッシャー・ホラーって感じ。
でも、死に方が結構グロテスクじゃなくて、どっちかっていうと「見せない」タイプ。
こういう「見せない恐怖」もやっぱりジョン・ハウ監督ならではだなって思う。
結局、最後まで主人公が生き残るし、やっぱり「勝ち組」なんだろうけど、島に一人取り残されるラストはなんか「本当にこれで良かったのか?」って考えちゃう。
でも、これがまたリアルな恐怖。
ホラー映画って「日常に帰れるかどうか」が大事な気がするけど、この映画は「帰れない」っていうのがまた重い。
2025年6月現在 配信なし

