妖刀似蛭の巻 その一 |  へんくつマッキーの日向ぼっこ

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 偏屈オヤジが映画・小説・マンガ等について、
 独断と偏見に満ちた戯言を綴っていきます。
 暇つぶしになれば幸いです。

 

「そこの二人、死んでもらおう」

不気味な一言を吐き、刀を抜く男。

どろろと百鬼丸の前に現れたのは仁木田乃介。

妖刀「似蛭」に取りつかれた男である。

 

いきなり勝負を挑まれた百鬼丸は、「似蛭」の怪しい光に導かれるように両腕の刀を抜き、挑みかかる。

風なびく草原で、すれ違った百鬼丸と仁木田乃介。

勝負は剣ではなく、お互いの心の念力で戦っていた。

体力を使い果たした田乃介は、棒立ちのままである。

ようやく正気に戻った百鬼丸は、田乃介の刀「似蛭」を奪い取ろうとしているどろろに気が付く。

どろろは、人からバカにされないため力の象徴として刀が欲しい。

しかし、「似蛭」の怖ろしさを感じている百鬼丸は、どろろをしかりつけて、その場を立ち去って行く。

百鬼丸の怒りから大人しくついていくどろろだが、どうしても諦めることができない。

百鬼丸の目を盗むと引き返して、止まったままの田乃介から「似蛭」を奪ってしまう。

 

「似蛭」を腰に差し、得意のどろろはどこからか声が聞こえるのに気が付いた。

血を吸いたい・・・。

血を吸いたい・・・。

怪しい光を放ちだした「似蛭」は、どろろを乗っ取ってしまう。

どろろは「似蛭」を抜きだし、ノタに切りかかったではないか。

逃げるノタ。

追うどろろ。

どろろは既に正気を失っている。

 

荒れた屋敷の軒下に逃げたノタは、野犬の群れと出会ってしまう。

慌てて軒下から出たところにはどろろがいた。

どろろに襲いかかる野犬の群れ。

どろろは凄まじい剣さばきで次々と野犬を切り捨てていく。

それでも「似蛭」は血を求めてくる。

しかも、人間の血を求めてくるのだ。

 

寺にお参りに来ている親娘のもとにノタが駆け込んできた。

興奮するノタを抱き上げた娘は、父親に家に連れて帰るように頼む。

だが、その二人を木の陰から狙っている者がいた。

「似蛭」に取り憑かれたどろろである。

どろろが二人に切りかかろうとした時、娘の胸の護符が目に入った。

護符が相手ではさすがの「似蛭」も切ることができない。

どろろがひるんでいる隙に、親娘は寺から急いで立ち去って行った。

 

村では刀を手にしたどろろの登場に、恐れおののいている。

家に閉じこもる村人たちを、どろろは笑い飛ばしている。

大人達が自分を恐れて怖がっているのが愉快なのだ。

どろろの目を盗み、先ほどの娘が通りに出てきた。

どろろに切られた父親の血止めの薬を買いに行こうとしている。

目ざとく娘を見つけたどろろは、再び娘に切りかかろうとするが、やはり胸の護符を見ると刀を振り下ろすことができない。

混乱したどろろは、叫び声をあげながら走り去っていった。

 

娘が辿り着いた薬屋には田乃介がいた。

実は、田乃介はこの娘・お須志の兄であった。

兄との再会を喜ぶお須志であったが、田乃介はどこか心ここにあらずの様子。

殿様の足軽に行ってから5年、田乃介はすっかり変わっていた。

溌剌とした兄が今や何やら禍々しい存在となっている。

「似蛭」の鞘を手にした田乃介は、「似蛭」と取り返すためどろろを狙い始めた。

 

 

 

村はずれの小屋に立てこもり、村人たちに啖呵を切るどろろ。

恐れた村人たちは、遠巻きに見ているだけである。

そこに田乃介が現れた。

どろろとの衝突は必至である。

 

☆☆☆・・・損はない