改めましてこんにちは!
 
Machinakaです!!
 
 
今回批評する映画はこちら!
 
 
 
 
 
 
 
「ラブレス」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
いやぁ、この映画をアメブロで紹介するなんて、本当申し訳ないです。
 
 
お子さんがいるブロガーの方、今回の記事は即刻閉じていただいて、退席された方がいいかもしれません。。。
 
 
とにかく、前評判では「怖い」「鬱展開」「辛い」など、バッドエンディングとなることが既にわかってる状態。ただ映画自体の評価は低くはない。つまり、バッドエンドだけど人気は高く、評価も高い。。
 
そもそもですね、タイトルが「ラブレス=LoveLess」ってことで、結末が透けて見えるというか、ってか予告見ただけで怖くなるっていうか、、、
 
(幸せな)結婚・夫婦・子育てジャンルの多いアメーバでこんな映画を紹介自体することがおかしいのですが、あえて書きたいと思いまっす。。。
 
 
 
 

ということで、「ラブレス」批評、いってみよーーーーーー!!!!

 
 
 
 
 



[あらすじ]

 
 
・「父、帰る」「裁かれるは善人のみ」などで世界的に高く評価されたロシアのアンドレイ・ズビャギンツェフ監督が、失踪した息子の行方を追う身勝手な両親の姿を美しくも冷ややかな映像で描き、2017年・第70回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したサスペンスドラマ。
・一流企業で働くボリスと美容院を経営するイニヤの夫婦。離婚協議中の2人にはすでにそれぞれ別々のパートナーがおり、新たな生活のため一刻も早く縁を切りたいと考えていた。
・2人には12歳の息子アレクセイがいたが、どちらも新生活に息子を必要としておらず、ある日激しい罵り合いの中で息子を押し付け合ってしまう。その翌朝、学校に行ったはずの息子がそのまま行方不明になり、彼らは必死でその行方を捜すが……。

 

 

 

 

 

 

 

 

監督はロシアのアンドレイ・ズビャギンツェフさん。今作でカンヌ映画祭の審査員賞を受賞しているということで、普段私たちが見ることのないロシア映画+カンヌ映画ということで、新しい表現が見られるのではないかと期待しています。

 

夫婦の話なんですけど、プロットで既に怖いです

 

 

2人には12歳の息子アレクセイがいたが、どちらも新生活に息子を必要としておらず」

 

「どちらも新生活に息子を必要としておらず」

 

あのですね、映画なんだからもっと明るく楽しくいきましょうよwwww

 

こんな辛いことってあるのかよ。絶対に子供には見せたくない映画だと思います。

 

子供を必要としない、子供の押し付け合いの喧嘩の中で、子供が失踪してしまうというね。

 

子供の前で夫婦喧嘩しちゃダメですよ。子供はね、案外気づいてるもんですよ。

 

それに、子供にとっては、自分が必要か必要でないか、なんて話は一番聞きたくないですからね。。

 

なんかもう結末が見えているような気もするけども、、、、

 

 

 

それでは映画の感想でっす!!!

 

 

 
 

 

 


 

 
 
 
 
 

[映画の感想]

 

ロシアの寒々しい曇天の環境で繰り広げられる、一切の救いのないシチュエーション・スリラーでございました。
 
結局人は、自分が大好き!!
でもそれだけでいいの?
 
 
 
 
 
 

[こんな世界辛すぎる]

 

 

予想以上でした。

 

 

辛すぎます、こんな映画。

 

 

ちょっとこの映画のせいで、結婚について軽くトラウマになった気がします。

 

同じく夫婦間のいざこざを描いた作品で失踪モノと言えば、2014年の「ゴーンガール」があるんですけども、今作に比べたらゴーンガールは超絶楽しいエンタメコメディにも感じるほどです。

 

それほどまでに、一片の救いもない話でございました。

 

 

ここまで私がショックを受けているということは、今作で最も注目されるであろう「息子の失踪」に関する結末があまりに惨たらしいものであったと予想する人もいるかもしれないですが、そうじゃないんです。

 

ネタバレなし感想なので結末は言えませんが、今作では驚くことに、「息子の失踪」は映画擁護的に言えばマクガフィンだったのです。つまり、それ自体には意味がない。

 

 

今作は予告編だけ見ると、夫婦の喧嘩によって子供が失踪した。子供への愛が「LOVELESS」である、と思われるのですが、それは表層的なものであって。

 

今作における「LOVELESS」の対象は、子供だけでないんです。子供を含めた「他己愛の欠如」をテーマにしてるんですよ。

 

 

今作は「他人への愛情がなくなった世界で人は生きていけるのか?」という仮定を映画でシミュレーションした、シチュエーション・スリラーと言えるでしょう。

 

 

 

今作に出てくるキャラクターは、基本的に他人の話をしてる時は笑わない、関心がないんですね。ただし、自分の話になると夢中になって笑みを浮かべる。どう考えても異常な会話が今作の特徴なんですよね。

 

 

だから会話は常にディスコミュニケーション。会話であって会話でない。そんな絶望的なコミュニケーション不通の状況下に加えて、ロシアの寒空がマッチして、救いようのない世界観を上手く作っていたと思います。もしハワイでロケしても、全く説得力がないんですよw

 

全く噛み合わない夫婦の会話。子供に対するあまりにも酷い仕打ちの数々。観客の神経を逆なですること間違いなしです。

 

正直ですね、今作を全員にオススメです!とは言えません。

 

ただし、映画の完成度は高い。

 

つまり、今作で伝えたいテーマが少し分かりづらく、表層的な部分だけ観てしまうと単なる児童虐待映画で嫌な気分になるだけなのです。

 

正直、子供を虐める描写は見てて耐えがたいものがあります。明らかな暴力、通報するレベル、ではないかもしれませんが、「冷たさ」を感じる子供への対応は、見ていて辛いです。

 

もちろん今作はフィクションだって分かってますけど、本当に正視できなシーンも多々あります。

 

私も一つだけ見てられないシーンがあって、、、、、

 

劇中でとある男性が可愛い赤ちゃんを寝かしつけると思ったら、赤ちゃんを赤ちゃん専用ベッドに持って行って、50cmくらい上から投げ入れるんですよ。。。。

 

もうねぇ、これほど冷たい対応はあるのか、と。。。

 

 

 

 

 

だから、これから観に行くという方は、あるいは見たけど嫌悪感しかないという方は、「あくまでシチュエーションスリラーだ」と思って鑑賞していただくよう、お願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

[他己愛なき世界がもたらしたもの]

 

 

 

今作のテーマは「他己愛なき世界がもたらしたもの」であると思います。

 

 

実は、映画の合間合間に流れる嫌なニュースとそれに対する主人公の反応、今作のテーマを象徴してるんですよね。

 

今作で流れるニュースは必ずと言っていいほど殺人事件だったり強盗だったり、最後の最後にはウクライナへの侵攻が流れてます。

 

一方、そんな凄惨なニュースを尻目に、主人公たちはスマホをポチポチ。

 

妻に関しては、ずっとインスタ的なものばかり見て子供に無関心。

 

このことから分かるように、他人に無関心、自分ばかり愛しすぎると悲惨なことが起きるよ、ついには戦争まで起きちゃうよ? という監督のメッセージなのではないでしょうか?

 

 

このテーマを描くために、異常とも思える冷徹なキャラをたくさん作り、少年を失踪させ、大切な家族を初めて失った時に初めて我に帰る、という今作最大のカタルシスを演出したんだと思います。

 

 

それにしても、今作はやりすぎ感はありました。特に夫と妻のキャラ造形。

 

妻はおとなしくしている子供を他の人がいる場所で平気で殴る。夫に関しては、絶対に子供の部屋に入らない。

 

ソーシャルワーカーがこの国にないのか? なぜここまで放置してるのか? 

 

上映中怒りが湧いて仕方ありませんでした。

 

独身の私でさえここまで感情を逆なでにされたのですから、お子様がいる方が今作を見るとどんな気持ちになるんでしょうか? 

 

いかに映画リテラシーが高い人が見ても、妻と夫の子供に対する傍若無人な態度は看過できないと思います。

 

本当にねぇ、やられましたよ。。。。

 

ここまで不快な気持ちになる映画というのも珍しいです。ただ、不快というのは悪口でなく、良い意味で。

 

何にせよ、感情が大きく動かされる映画は力を持っている、良い映画だということです。

 

ただし、気持ちが落ち込んでいる人、精神が参っている方は、絶対に見ないようにお願いします。ここまでダウナー系の映画もありません。。。。

 

 

おすすめはしますが、体調は万全にして鑑賞してください!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とにかく見てください! オススメです!!!

 
 

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