衝撃のラスト
仁左衛門さんと玉三郎さんが
お目当てだった三月大歌舞伎
2人のコンビでの上演はなんと
41年ぶりの「於染久松色読販」では
今世紀最強の腹黒い夫婦を演じます。
花道からの登場でまずひと睨み
そして悪巧みを思い付いて剃刀を
くわえてひと睨みする仁左衛門さん。
悪人なのにどこか憎めないのは
夫に負けずに図太い妻お六も同じ
悪事がばれてもいけしゃあしゃあと
いなせに籠を担いで去って行く2人。
そして「神田祭」では大人の舞踊を。
目と目を合わせ手に手をとる姿に
客席からは思わずため息が溢れます
花道で頰を寄せ合う仁左衛門さんと
玉三郎さんを見られて幸せでした
そして尾上松也さんと壱太郎さんの
「滝の白糸」とても良かったです
歌舞伎座での上演は36年ぶりとなる
泉鏡花の名作で演出は玉三郎さん。
一途に1人の青年を想う水芸一座の
太夫滝の白糸を演じた壱太郎さん。
芸に生きて来た白糸を変えてしまう
魅力を持った村越欣弥を松也さん。
東京で法律を学んでいる欣弥に
仕送りするために借りたお金を
日頃から対立する同じ一座の
仲間に強奪され錯乱した白糸。。。
愛する人を守るために嘘を突き通す
白糸と欣弥が合間見えたのは法廷。
検事として故郷に戻ってきた欣弥は
白糸に真実を語るようにと諭します。
静かな語り口の中に情愛が滲み
頰を伝う涙に心揺さぶられました。
そして迎えた衝撃のラスト。。。
とても哀しい形で愛を確かめ合う
まさに純愛を描いた作品でした
白糸を支える父親代わりの春平を
演じた歌六さんも名演技でした