【作品情報】
監 督 フョードル・ボンダルチェク
出 演 トーマス・クレッチマン、ヤニナ・ストゥディリナ、セルゲイ・ボンダルチューク、ドミトリー・リセンコフ、アンドレイ・スモリャモフ、アレクセイ・パラパシュ、オレグ・ヴォルク、マリヤ・スモルニコワ、ピョートル・フョードロフ、他
上映時間 131分
ジャンル 人間ドラマ>戦争映画
【あらすじ】
2011年3月11日に東日本を襲った大地震。ロシアから災害派遣で救助に来たセルゲイは、がれきの下に埋もれているドイツ人女性に励ましの言葉をかける。
「行かないで…何か話をし続けて」と乞われたセルゲイは、「私には5人の父親がいるんだ」と自分の親の話を始める。
1942年6月から始まったスターリングラードの攻防戦は、当初のドイツ軍優位から、ソ連軍が大量の兵士投入により勢力が拮抗してしまう。
大きな軍を動かす戦闘から、小隊・分隊レベルでビルの1部屋1部屋を毎日取り合って一進一退し、戦線が目まぐるしく変化していた。
ドイツ兵の猛攻に勇敢に立ち向かうソ連兵の一団。
彼らは歩兵大尉が仕切る歩兵や狙撃兵、砲兵、そして海軍の寄せ集めの集団だった。
彼らはあるアパートの近くで少年がドイツ兵に連れ去られようとしているところを助ける。
しかし、少年は女性で名をカーチャといった。
彼らはカーチャの住んでいたアパートに陣取り、目前に迫りくるドイツ軍の反撃を迎え撃とうとしていた…
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スターリングラードの戦いを直接的に扱う映画としては、
「スターリングラード大攻防戦」(1972年ソビエト)
「スターリングラード」(1993年ドイツ・アメリカ)
「スターリングラード」(2001年アメリカ)
以来となる4作目の大作。
描いている内容は、とにかくてんこ盛り…
一番最初に、東日本大震災にロシアの救助隊が駆け付け大活躍。
さらには、被災し瓦礫の下で生存しているドイツ人女性を救助する際に、救助隊隊員が話しかけ続ける為に「俺には5人の父親がいるんだ」と語り始める。
その語る内容が映画の本編なんやけど、東日本大震災のシーンは正直添え物で、あまりに関係無さすぎて、シーンとしてその場が選ばれ登場した事自体が、すごく違和感…(監督が単に東日本大震災のお見舞いとして加えただけか)
東日本大震災のシーンは、実話ならまだこの展開も許せるけど、何の脈絡もない分、なんかやな感じ(^_^;)
東日本大震災で、ロシアが75名ほどの救助隊と救助犬を連れてきた事は事実やけど…
この映画の冒頭で描いているような活躍があったかどうかは定かではない。
本編も、自分の亡くなったドイツ人妻にクリソツなロシア娘に親切にし、やがて我が物にするドイツ国防軍大尉が、ドイツ側主人公的な扱い。
ソビエト側は、6名の男と1名の女性が主人公。
主人公多過ぎるねん…
それら全てをある程度描こうと思ったら、意外と話があちこち飛んでしまうから…まとまりがない感じがする。
戦いが始まると、もっとまとまりがなく…
顔を覚える間に、ストーリーがどんどん進んでく。
一応皆特徴的に分類出来るように、服装やら、帽子やらが皆てんでバラバラ。
ロシア映画やし、ドイツ兵がバタバタと殺されていく。
弾薬が乏しいと言いながらも、戦線を離れようとする味方を射殺するし、戦闘になると意外と撃ちまくるし、弾薬が無くなっても、ドイツ軍から武器を奪取してきて、それもまた撃ちまくる…
弾薬不足…の設定要らんやん^^;
前線を離れて「母」とデートする5人の父のうちの一人…
その結果、6名の男のうち一人がドイツ軍に捕まって、ドイツ司令官を道づれに死ぬ事になったり…
…ってか、ドイツ軍も司令官の前に引き出すなら、普通は拘束するよね。
無防備にソ連兵に近寄って、手脚自由だったソ連兵に自分のナイフで散々突かれてしまう上官の命令に忠実だった司令官・中佐殿。
主人公である大尉を認めていなかった中佐だけに、観てる側はスカッとしてしまうけど…やっぱり不思議。
戦い単体でのアクション性はあると思うけど、アクション映画には見えない。
それでいて人間ドラマもそれほど深くない。
5人の父と母との絆も…大して感銘を受けない。
ドイツ軍大尉のロシア娘との別れは、やや悲痛やけど…そこだけしか響かん^^;
今のところスターリングラードものでは、1993年のドイツ・アメリカ合作版「スターリングラード」が一番よろしいね^^
アクション映画なの?それとも人間ドラマなの?
量的には人間ドラマが多い感じで、やや冗漫。
そりゃ「5人の父親と1人の母親」の全てを描くんやし…
更にはドイツ軍大尉とロシア娘の関係の行方を追っていく事で…