私の妹分、従妹の美穂(仮名)が、結婚することになった。


美穂(仮名)と言えば、

ふたりで行った温泉で男にナンパされた こともあったし、

その他、ここに書けるようなことも書けないようなことも色々あった。

そういや、私の身内で唯一、ぐっさん(仮名)に会った事があるのも美穂(仮名)だ。

自由に遊べる悪友がまたひとり減ってしまった。

という感じに近い。



昨日は、独身最後のサシ飲みで、私のおごりでお気に入りの宮崎料理の美味しいお店へ。


結婚式の準備のことや、姑の話など、たくさん話した。



「まっこは、ぐっさん(仮名)と結婚しないの?」


・・・言葉に詰まる、私。_| ̄|○



「仕事もやっと下積み生活を終えて、これから重圧もあるけど楽しくなってくるところだから、

 そんな会社を辞めてまで結婚したいとは、正直今は思ってないかな。」


「まっこの寂しがりやなとこ、実はぐっさん(仮名)わかってないと思うよ。

 わかってほしいんだけどな、妹としては。」


「うーん。やってみないとわからないけど、多分また男と一緒に住むようになったら、

 手枷足枷が増えた、みたいな気持ちになってしまう気がするのよね。

 それも幸せのうち、寂しいよりはマシ、って思えるならいいかもしれないけど、

 今はそれすら、思えない気がしてる。」


「仕事が順調だからじゃない?」


「うん。私は、仕事人と家庭を上手に両立できるタイプじゃないから、

 きっとどちらかは手を抜いてしまうと思う。

 それで揉めるくらいなら、最初っからしないほうがマシじゃない?

 ぐっさん(仮名)のことはすごーく好きだし、結婚するならぐっさん(仮名)しかいないって思っているけど、

 じゃあ、今から結婚準備を始めて、会社辞めて、名古屋へ引っ越して、私は家庭に入って。。。

 って考えると、正直、嫌だわ。

 なんで私ばかりそんなに犠牲を払わなきゃいけないの?と思ってしまう。」



みたいな話をしていると、普段気付かない(ようにしている)自分の本音に気付いたりする。

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「しかし、相手が美穂(仮名)で事情を色々わかってくれているからこんな話も出来たけど、

 フツーは結婚を控えた友達に、こんな話はしないわね。

 ちょっと、配慮に欠けてました。ごめんね。」


と謝ったら、美穂(仮名)はあっさり一言。


「大丈夫。うちの両親もDVやら何やらで散々で、元々結婚に対して夢は持っていないから。

 ただ、少なくとも、うちの両親よりは幸せな家庭を築きたいと思ってる。

 子供連れて家出とか、嫌だもん。ほんと大変だったよ、あの頃は。」


「そんなこともあったよねぇ。ほんと、幸せになってね。おめでとう。」


と言って、酔っ払い女がふたり、涙を流しながら抱き合った。



美穂(仮名)の結婚式は、来週の日曜日。



別れ間際、美穂(仮名)に


「ねぇ、○○おじさん(私の父)の写真、持ってきてくれる?

 あんなに私の結婚式は絶対に出るって言ってくれていたのに、

 おじさんが生きている間に花嫁姿を見せられなかったから、

 料理なんかはないんだけど、おじさんの席は用意させてもらっているの。

 だから、絶対に持ってきてね、お願いね。」


と言われて、思わず号泣。



「きっと、父もすごく喜ぶと思う。本当にありがとう。」


「ううん、こちらこそ、元気なうちに招待できなくてごめんね。」


と、ここでまた酔っ払い女ふたりが駅前で抱き合った。


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