マカロニの穴の中 -4ページ目

路上



プラスチックの街では
その圧に潰されて
ロマンチックは人工化する

その目に写るもの全て
スロウモーションになっても
僕だけは正確な動きをしている

焼き付けた
焼き付けた
もう何もはいらないくらい。


シルエット


僕は見た
正確には見とれていた

光の中の
影の部分で

電球よりも柔らかい
太陽ほどに眩しくなく
何よりも優しい

シルエット
シルエットの

触れることも出来ない
シルエット。


恒例



弾ける
泡や炭酸水のように

空に浮かぶみたいに

楽しい時間は
流れていく静かに
音はないが
笑顔や笑い声に溢れる
両手ではこぼれるくらい


今年もまたそんな時間を
過ごせた。

何光年



もっと遠くへ
どこか遠くへ

誰の声も届かない
誰も知らない所へ


終わるとは思えないトンネルを抜け
その光の先に見えたなら

ある種の到達点かも知れない

あと200年は生きないと。


感情



とっくの前に
この場所にはいなかったはずが
いつの間にか
定位置になっている

淀んだつもりもなく
流されたつもりもなく
踏ん張ったつもりもない

きっとその程度だっただけの話し
それだけの事

生まれたての感情。


月光



新しい喜びを
もっともっと

探して見つけて実践する
掘ってない場所も
行ってない道もまだまだ
とても一生では遊び足りないほどに

しかし眠い
ウサギのように眠る

満月の下で
何か素敵な夢をみる。



12月



12月
溢れる人の群れを避けて
いそいそと歩く
まるで落ちたら死んでしまう
断崖を歩くかのように


新しい日が沈みまた昇る

特に何もないはずなのに
浮かれているのはどの国も同じ

そのお花畑の中で
見つける事が出来たなら
甘い匂いにつられて
見つける事が出来たなら。




いつの日か



丘へ上がると
いつもよりも遠くまで
どこまでも遠くまで
見えたような気がする

誰かが決めた境目は
地図の中でしか確認出来ない
肉眼では見えない

丘へ行こう
朝でも昼でも夜でもいい

球体を感じる場所の
中心部へと。

流れ者



遠くても
近くても
出かけたらそこには
部屋とは違う何かがあって
悪ふざけや
現実が首をもたげている

僕はただ
僕はただ

悲しみが流れる方へ
倍の速さで喜びを送る

春になる頃には
きっと何かしらが芽をだすだろうから。


どこか遠くへ



いつか遠くへ
場所ではなく
何か精神的な部分で
どこか遠くへ

夢を
目覚めたままで
眩むような夢を
どこまでも覚めない夢を

子供の頃の水のように。