オーディション。 | .

オーディション。

今日は、ほぼ丸一日を使って次に担当する某CM撮影のモデルオーディションへ。


知ってる人は僕の本当に身近な人くらいで意外と知られてないんですが、僕、18歳から22歳くらいまでモデル事務所に所属してモデルもやってたことあるんですよー。


雑誌、CM、スチール広告、東コレ、カタログ・・・etc


一通りは経験させて頂きました。


イッセイミヤケやらヨージさんらとも仕事したり、HOT DOG、SMARTやら、ギャッツビーの広告、マルイのビルボードに今話題のジェシカ(まだ高校1年生だったかな)とかと出たり色々。


過去の栄光だけど。


某ブランドのコレクションに出た時はランウェイがワックスでテカテカで思いっきりコケたけど。


まぁーでもモデルって華やかに見えるけど本当に大変な仕事ですよ。


基本的に全部の仕事(雑誌以外)はオーディションってのがあって大体、少なくても2、30人、多いと数百人って中から一人、二人とかしか仕事が貰えない。


オーディション会場は仕事の都度、全部違うし都内全域だから電車で移動してそこから地図を見ながら行った事のないビルを探す。


行ったことの無い場所へ行く。


これは結構大変だし、交通費自腹だし。


オーディション会場に着いて数十分待たされて


「はい次、青木君お願いします」


って、呼ばれてブック(モデルの過去の作品)を持って審査室に入るんだけど、入って全身を舐めまわす様に数十秒見られて


「はい、お疲れ様。」


って帰されることなんてザラ。


某パリコレ有名ブランドのオーディションなんてマジ最悪だった。


えー、1時間かけてここ来たんだけど、40分も待たされたんだけど、交通費680円も掛かったんだけど5秒で終わり?


そんなんクライアントには関係ないもんね。


僕が所属していた事務所はオーディションの数が多かったから(老舗で今はホリプロと合併しちゃった)、一週間に何個もオーディションに行かないといけない。


正直、行きたくねーって気持ちのが強くなる時も多い。


だって、「絶対俺使われないじゃん。」ってやつも一応、行かないといけないし。


流れで言うと


クライアントの企画→キャスティング会社(どこのモデル事務所を使うか)→モデル事務所(誰を出すか)→コンポジチェック(写真選考)→オーディション→採用


って結構な審査があって、何かの間違いでオーディションまで残っちゃうと逆に面倒なことも多い。


大体、オーディション会場に行ってモデルのメンツ見れば、勝負になるかならないか分かるし。(クライアントが求めている様なモデルが多いなら)


何かの間違えでウエディング系とか呼ばれちゃったらマジで時間の無駄。


「はーい青木君ちょっと顔が怖いかなー、もうちょっと笑ってみてー。」


にやり。


引きつっちゃう。


まるで悪魔の微笑。


ヴィトンの来日コレクション?受かるわけねーじゃん。


運が悪いとオーディション30連敗とかあるみたい。


その前に何カ月もオーディションに呼ばれ無い人もいる。


僕の最高記録は確かオーディション12、3連敗かな。


事務所から電話でオーディションの結果が。


「お疲れ様です。あのー、今回のはちょっと。。。」


『のは』って思ってないっしょ?今回『のも』って思ってるっしょ?


そんだけ落ち続けると卑屈になってみたり。


そんだけプロのモデルって仕事取るの大変。


勿論、悪いことばっかじゃなくて楽しい仕事もいっぱいあったし、大きい仕事ならギャラも良いのも多いしね。


初めて大きい仕事取ったのがモデル始めて数か月後かな?18歳の時で当時の僕にとっては結構な大金が入ったからそれで父親にサッカーのトレーニングシューズとユニフォーム、母親が好きなハンティングワールドの高価な財布をプレゼントしたんだ。


生まれて初めて両親へ高価なプレゼント。


あんだけ反対してた親父は出身の高校にまで行って自慢してたらしい。


やっべ、思いっきり話ずれた。


そうそう、そんな感じで今日はCMのモデルオーディションだったんです。


今の仕事すると選ばれた側から選ぶ側(もちろん、スタイリストに選ぶ全権は皆無だけど)になると面白い。


大手のキャスティング会社の人とかだと僕のこと覚えてて


「え!青木君!?今そんな仕事してるの!?」


って昔話しになったり。


今日は30人くらいのモデル見たかな。


しかも外国人、ハーフの子供。


くそカワイイ。


下は5歳~11歳まで。


カメラテスト見ながら思わず笑顔になっちゃう僕がいました。


ロシア人の5歳のおねーちゃんがカメラテストしてお母さんがそれに付き添ってて、弟の1歳子が椅子に座ってたから近寄って見てたら何やら必死に手を動かしてる。


何やってんだ?と見てみるとハイチューのイチゴ味を必死に取り出そうとしている。


「ん?これが取りたいの?」


日本語で話し掛ける。


僕を睨む1歳の男の子。


必死にやってもハイチューが取れない。


「よし、おにいちゃんに貸してみな」


ハイチューを一個取ってあげた。


それをその子に渡す。


パクっ。


だめ、だめ、だめ!!紙は剥かないと!!


紙を剥いであげると垂れ下ったほっぺたに溜め込んで幸せそうな笑顔。


僕、ほっこり。


本当さ。


外国人の子供ってお人形さんみたいで本当に可愛いよなー・・・・


って、何で君、10円玉握ってんの?


謎に1歳の子が10円玉一枚を必死に握ってる。


何で?って聞いてもまだ喋れないから結局理由は謎。


全てのオーディションが終わってCMの監督、スタッフで厳正なる審査。


結果、8歳の可愛らしいアメリカ人の子に決まりました。


う~む、さすがに8歳の子の衣装なんて作ったことねー!!


でも、そこはプロとして最高のモノを用意して見せますよ。