ロンドンのパブには、ボディーガードの前田を連れて行きました。
ホテルから歩いて3分くらいの場所にあるけど、夜の裏通りは何があるか分からないです。
私も、前田もピストルを内ポケットに入れて行きました。
パブに着くと知り合いの刑事、ジョン警部がいました。
そして、もう一人、初めて見る警官がいました。
私達は、奥のボックスシートに座りました。
初めまして、MI5のモルダー警視です。
貴方の叔父様からの紹介状です。
叔父からの紹介状を持って来るなら、ヤバい話だと予想しました。
一応、その場で叔父に確認の電話をして、本当にモルダー警視に紹介状を書いた事実を確認しました。
ミスター真田、貴方はヘインズ伯爵の狩猟仲間だと聞きました。
しかも、最近一緒に狩猟なされましたね?
何か変わった事が有りませんでしたか?
そう言えば、血の臭いがしましたけど、伯爵の館で鹿を解体しましたからね。
それと、伯爵の腕前が格段にアップしていたのには驚きました。
モルダー警視は、頷きながら聞いていました。
そして、一枚のライフルの写真を私に見せました。
ヘインズ伯爵は、このライフルを使っていましたか?
そう言って、アーマライトMA1の写真を見せました。
確かにヘインズ伯爵は、このライフルを持っていたよ。
私は、そう答えました。
このライフルは、特別なライフルです。
普通のアーマライトよりバレルが長く、しかも軽量化しています。
そして、機密に触れる改良型です。
本来は、アメリカ陸軍だけのライフルが、どうしてヘインズ伯爵に流れたのか?
このライフルを使用していた陸軍少佐は戦場で黒人に撃たれ、死亡しています。
戦死は確認しましたけど、ライフルの行方が分からなくなっていました。
それを数ヶ月前に、ヘインズ伯爵の館に潜入していたスパイが発見しました。
伯爵は、ロシアのプーチン大統領の友人ですから、監視対象です。
そのスパイが殺されました。
しかも、射殺された疑いが有ります。
でも、証拠が有りません。
貴族の館に捜査に入る事は難しい事です。
どうか、力を貸して下さい。
次回の狩猟には、私も連れて行って下さい。
その時、怪しい動きをする人間を前田は発見して、取り押さえました。
ヘインズ伯爵の奴隷の一人でした。
伯爵に電話する直前にスマホを取り上げ、破壊しました。
奴隷は、モルダー警視の判断で逮捕しました。
酔って、モルダー警視に殴りかかったと言う理由で逮捕して、ロンドン警察に連れて行きました。
ジョン警部とモルダー警視は、警察に向かいました。
私と前田は、マッケランを飲んでから、ホテルまでタクシーで帰りました。
その晩、パブからホテルへ行く裏通りで韓国人が殺されました。
イギリス人は、韓国人と日本人の見分け方が難しいと言います。
多分、私と間違えられたのです。
私を殺したい人数は、多いですからね。