イタリア、

ミラノからのいつものメルマガです。


なるほどね〜❣️






★★ 折り紙と「ORIGAMO」  ★★


日本は11月4日(月)が振替休日だったので11月2日から4日までは三連休でしたね。
イタリアも、11月1日(金)が「Ognisanti オンニッサンティ」の祝日だったので、
11月1日から3日は三連休となりました。

「Ognisanti」は、直訳すると、「Ogni(あらゆる)」「Santi (聖人)」。
「諸聖人の日」といわれるカトリック教会の祝日の一つで、全ての聖人と殉教者を記念する日です。
一方、翌日の11月2日は、「死者の日」。
正式には「Commemorazione dei Defunti コメモラツィオーネ デイ デフンティ:死者を偲ぶ日」
祝日ではありませんが、ご先祖様などを偲ぶ日です。
ということで、11月1日、2日は、イタリアではお墓参りをする日、日本の「お盆」のような位置づけに
なっています。

さて、11月2日(土)のことです。
三連休の中日ということで、いつもの土曜日よりは、街を歩く人々もどこかのんびりした表情を
しています。
私も、ぶらっと近所の広場に出ました。広場には、文房具屋があります。めったに入ることが
ないのですが、ショーインドウにクリスマス気分が漂っていたので、「あ、買っておこう」と
思って、店内に入りました。

まだ早いけれど、来年の手帳を購入しておこうと思ったのです。
この10年位は同じもの、同じ色の手帳を継続使用しています。フランスの大手手帳メーカーの
ものなので、ほぼどの店でも扱っています。でも街中の文房具屋にすべての品ぞろいが
あるわけではないので、見つけた時に早めに買っておかないと「愛用のタイプ」が
無くなってしまう恐れもあるのです。

ありました、ありました、私の使っているサイズと色のものが1点ありました! よかった!。
店内は結構混んでいて、小さな子供二人を連れた老婦人、息子のノートを買おうとしている
お父さんなど3組がレジ前におとなしく並んでいました。私もそのあとに並びました。
ふと横をみると、「あ!あった」と思う品々が目に入りました。



それは昨年のクリスマスシーズンから「かなり気になっていた」クリスマスカードです。
カードといっても、開くと日本の切り紙のような凝った紙細工が現れる立体的な
クリスマスカードです。

昨年のクリスマス時期にも、このカードが、どの文房具屋でも主役の座で華々しく飾られていました。
通常のカードの少なくとも2倍、3倍の価格ですが、カードとしてのみならず、ちょっとした
室内オブジェにもなるので、しゃれたプレゼントとして人気のようでした。

さて、「かなり気になっていた」理由は、その形態もそうですが、それよりもカードのネーミングでした。



「ORIGAMO」というブランドなのです。

イタリアでもかなり普及している日本の「折り紙 ORIGAMI」から「創った『ブランド名』」
のようなのです。
イタリアでは名詞で「i」で終わるのは「複数形」です。
たとえば、本をあらわす「リブロ=libro」は、複数形だと「リブリ=libri」となります。
昨年、この「ORIGAMO」ブランドを見た瞬間、ああ、イタリア人のことだから、「折り紙=ORIGAMI」は
「ORIGAMO」の複数形に違いない、本来の単語(単数形)は「ORIGAMO」と考えたのでは、
と想像したものでした。

とはいえ、その後、この件のことはすっかり忘れていたのですが、1年近くたったこの土曜日、昨年よりも
人気のようなこの「ORIGAMO」ブランド作品群を目の前にして、またまた好奇心が湧いてきました。

帰宅してネットで調べてみると、確認と発見がありました。

確かに、このブランド名は、日本の折り紙がきっかとなっていること。折紙の持つ紙を使った工芸の魅力に
刺激されて、紙の持つ力を再評価し、紙の様々な工芸表現をカードという形で展開していることが
わかりました。

と同時に、大きな発見もありました。この切り絵はかなり凝ったもので、製作には一つ一つ手作業で
多大な時間をかけなければ完成しません。なんと、この作業工房をベトナムに設け、「フェアー・トレード」
の一環として運営していることがわかりました。

「フェアー・トレード」とは、ご存知の方も多いかと思いますが、
発展途上国で作られた作物や製品を適正な価格で継続的に取引することによって、生産者の持続的な
生活向上を支える仕組みです。消費者の側でもこれらの製品を正当な価格で購入することで
身近な国際協力ができるかたちとして注目を浴びています。

日本の「折り紙」や「切り紙」に啓発されて、イタリア人が「ORIGAMO」ブランドを開発し、
デザイン企画したカードを、ベトナムで現地の人々が一つ一つ手作りをしそれが現地の人々の
生活を支えている、そして出来上がったカードを、イタリアの文房具屋で手広く販売している、
それをイタリアの消費者が(価格は高くても)購入している、そんな構図が浮き彫りになってきました。

もちろん、これは私自身のいくつかのお店での見聞と、あくまでもサイト上の紹介情報を
もとにした解釈であり、それ以上の調査をしたわけではありませんが、この「ORIGAMO」ブランド、
なかなかダイナミックで興味深いネットワークを構築していることは間違いなさそうです。


                           (編集部)