m.o.e fxp Power Enchanter | 酔弦庵

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今はなき痛エフェクターブランド、m.o.e fxpです。

個人的に応援していたのですが、2016年を最後にSNSの更新も止まり、公式HPも消えています。

 

検索しても未だに私のTUN DISTORTIONのブログがヒットするくらい、情報がないですね。

 

情報がないので中古相場もイマイチです。

そんな数少ない痛エフェクターが中古で見つかったので救いの手を差し伸べてしまいました。

 

発売当時に少し気になっていたブースターです。

 

名前の通り魔法使いのイラストが印象的です。

杖の先がLEDになっており、ONにすると魔法を詠唱しているように見えるデザインが秀逸だと思いました。

 

実際の機能としては、ワンノブで限りなくシンプルなブースターです。

 

クリーンに持ち上がる感じは非常に良く、ノブの効き具合も丁度良いと思います。

手持ちのCream Pan Boosterと比較しても似たような効き具合ですが、こちらの方が低音のハリとエアー感が足されているような感じです。

おそらく、ナチュラル系というよりは多少味付けのあるブースターという位置づけでしょうか。

かといって嫌味は全くないので使いやすい程度に収まった味付けという印象です。

 

味付けのないブースターばかり好まれている界隈で、一癖あるコンセプトなのは好感が持てますね。

 

強めにかけてソロで踏むも良し、薄めにかけっぱなしにしてベースの音色として作り込むも良し、という割と万能なブースターですね。

 

 

癖の強い見た目と、癖の強い音色でエフェクター界隈に切り込んでいったm.o.e fxpだと思いますが、全体的にコスパが悪かったのかな、と思います。

しかし、初期の歪みシリーズも、美少女イラスト以外の方しか流通していないことを見ると、萌えエフェクター自体の需要はあったのでは、という気がしてしまいます。

 

このブースターも、ブースター界の王者と同じくらいの価格となると、コスパが良くないと判断されてしまうのも仕方ないです。

私が発売当時に買えなかったのも、高かったからです。

 

そもそも、痛エフェクターというジャンルは需要があると思ったのですが、意外とそうでもなさそうということを感じています。

「けいおん!」コラボのエフェクターは謎のプレミアが付いて高騰していますが、それくらいだと思います。

 

値段は関係なく、インフルエンサーと口コミの力に上手く乗っかれないといくら良い製品を作っていても継続できないように思いますね・・・。

乗っかれていたブランドだと思っていたVivieも廃業してしまう昨今なので厳しさを感じます。

TAK MATSUMOTOのブランドIndigo Noteなんかは高くても瞬殺で、投機商品化しているので、エフェクター界隈の需要とは「誰が使っているか」なのだと思います。

中でも音作りの見本として崇められるレベルのギタリストである必要があるような感じ。

 

エフェクター界隈では可愛さ自体を求められていないようですが、どこかのブランドが突破口になって市民権を得る時代になってほしいと切に思います。

魅せるエフェクターとしては、SOUND PROJECT "SIVA"さんが痛エフェクター界隈で奮闘しています。

また、AnimalsPedalもイラストレーターコラボを定期的に出しており、見た目が違うだけで通常の倍くらいの値段設定になっていますが、中古相場でも人気の商品も結構あるようです。

 

関係ない話になってしまいましたが、痛い見た目で本格的なエフェクターがメジャーになって欲しいと思いますという話でした。

 

---2024年秋追記

手放しました。

良い感じになるブースターは飽和状態で使いこなせないためです。

観賞用としても良いかと思ったのですが、さすがに用途が見えてこないので泣く泣く放出です。