池袋暴走事故 遺族のブログ -2ページ目

池袋暴走事故 遺族のブログ

平成31年4月19日、池袋において発生した交通事故。10人が重軽傷を負い、私の最愛の妻と娘の尊い命が奪われました。
再発防止について活動して行きます。
何卒よろしくお願いいたします。



  アサヒグループ労働組合協議会 様にて講演


アサヒグループ労働組合協議会様にて講演の機会をいただきました。


お仕事で運転する機会の多いドライバーの方をはじめ、約100名の方がご参加くださいました。このような形で直接お話しする場をいただけたこと、心より感謝申し上げます。


講演では、私自身の経験をもとに交通事故の現実や、そこで感じたこと、学んだことについてお話しさせていただきました。

交通事故は被害者側も、加害者側も、誰にでも起こり得るものです。だからこそ、多くの方にご自身で出来ることを考えていただくきっかけになればと思い、1時間お話ししました。


その後の質疑応答では30分間にわたり、たくさんの質問をいただきました。「どのように心を保って活動を続けているのか」「私たちにできることは何か」など、どれも真剣な思いが伝わってくるものでした。


交通事故は、当事者になって初めてその深刻さを痛感するものかもしれません。私もそうでした。しかし、なってからでは遅いものです。意識だけでは事故は防げませんが、意識ひとつで防げる事故はある。交通事故は、被害者も加害者も、誰も幸せにならない。


講演を通じて、少しでも多くの方が「自分ごと」として捉え、安全運転への意識を高めてくださったなら、これ以上の喜びはありません。


聴いてくださる皆様の表情を見て改めて感じたのは、多くの方が交通安全について真剣に考えてくださっていることです。このような気持ちが社会全体に広がり、一人でも多くの命が守られることを心から願っています。


最後になりましたが、この講演を企画してくださったアサヒグループ労働組合協議会の皆様、そしてご参加いただいた皆様に、心より御礼申し上げます。今後も皆様と共に、交通事故を防ぐための活動を続けていきたいと思います。


改めて、ありがとうございました。




私に対する殺害予告の件。
中学生(14)が書類送検されました。

未成年があのような恐ろしい殺害予告を行ったことに、驚きと戸惑いを感じています。

悩みましたが、未来ある未成年が、これからより大きな過ちを犯さないよう、私は先人として、毅然とした対応を取ることが重要だと考えました。
彼女には未来があります。その未来のために、ちゃんと社会的責任を果たし、深く反省した上で、自分と他人の命を大切に生きていく一歩としてほしいと願っています。

【速報】「被害者池袋暴走事故」の遺族・松永拓也さんを中傷したなどの疑いで横浜市の女子中学生(14)を書類送検へ 「殺してあげようか」などと送信 警視庁 | TBS NEWS DIG (1ページ) 


私はあいの会の副代表理事です。あいの会メールアドレスに対して殺害予告を送ってきましたから、私個人のみならず、あいの会としても威力業務妨害で被害届を出しています。あいの会のコメントは以下のとおりです。


池袋暴走事故の加害者である飯塚幸三さんが亡くなられたと報道されました。心よりご冥福をお祈りいたします。

妻と娘は、本当に無念だったと思います。ただ、飯塚さんにとっても、大きな責任を背負いながら刑務所で最期を迎えたことは、とても無念だったことでしょう。「天国で真菜と莉子に会えたなら、一言謝ってほしい」という想いは正直あります。しかし、それ以上に強い感情は抱いていません。

彼が刑務所で最期を迎える結果となってしまったことに胸が痛む思いもあります。今回の出来事は、高齢ドライバー問題が社会にとって大きな課題であることを、改めて考えさせられるものだと思います。懸命に生きてきた人々が意図せず他人の命や健康を奪ってしまう。そして刑務所で亡くなる。被害者や遺族も、一生事故の影響を背負う結果になる─。こうした悲劇をどう防いでいくのかを考えていかねばなりません。

ただ私は、「若年者と高齢者の対立構造」になることを望んでいません。免許返納だけではなく、いかにして高齢者の方々が車に頼らずとも、安心して豊かな日々を送れる社会を築くか。それが、私たち全員にとっての課題です。私たちもいつかは高齢者になるのですから。

飯塚さんの逝去を受け、私たち社会がすべきことは、彼を非難し続けることではなく、彼の経験から学び、同じような悲劇を繰り返さないための道を共に考えることだと思います。8ヶ月ほど前、飯塚さんが刑務所で面会をしてくれた際、彼は深い後悔を滲ませていました。そして、私が交通事故を防ぐために活動している想いに応え、言葉を託してくださいました。それを無駄にしないためにも、私はこの出来事を未来の糧にし、安全な社会の実現を目指していきたいと思います。

娘が生まれた日。小さな手が私の指を握り返してくれた感触。そして、その手が冷たく固くなってしまった日の感触─。どちらも生涯忘れません。真菜は愛を、莉子は命の尊さを教えてくれました。交通事故、社会のみんなの力で無くしていきましょう

今後も「あいの会」の仲間とともに、交通事故を減らすため、そして犯罪被害者支援の拡充と認知の拡大に努めてまいります。これからもどうぞよろしくお願いいたします。