西日本新聞取材 実名報道について | 池袋暴走事故 遺族のブログ

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平成31年4月19日、池袋において発生した交通事故。10人が重軽傷を負い、私の最愛の妻と娘の尊い命が奪われました。
再発防止について活動して行きます。
何卒よろしくお願いいたします。

実名報道について、西日本新聞より取材を受けました

京アニ放火殺人事件から1年。

実名報道をめぐり、事件事故のご遺族数名の言葉に耳を傾けて検証をする記事が出ました。


西日本新聞 2020年7月17日付朝刊

ネット記事はこちら

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/627133/

 

当初妻と娘の実名や写真が勝手に流れたこと。
私自身の名前については、姓のみ公開するという希望が守られたこと。その後の一周忌に、フルネームを公開するに至った心情を伝えました。

 

実名報道について、私個人としての意見は以下のとおりです。

 

遺族に限った話ではなく、この社会は人それぞれ考え方が違います。当然のことです。

それと同じで、一言で遺族と言っても、社会に何かを伝えたいことがある人もいれば、そっとしておいて欲しい人もいます。

 

私は事故直後、メディアスクラムという報道の恐怖も体験しました。当時は怒りすら湧きました。

同時に、報道が自分の「交通事故で苦しむ人を無くしたい」という思いを世の中に伝えてくれたという体験もしました。心から感謝もしているのです。

 

そのどちらも体験した上で、「どちらを選択するかを遺族に選択する余地を少しでも与えて欲しい。」と思っています。

報道を否定しているわけではなく、もう少し各社で議論をして、ルール作りをしてほしいのです。

 

私自身は公に出ることを選択しましたが、

「公にすることが正義とも正解とも思わない」

と取材で答えたのはそういう思いです。

 

報道は真実を世の中に伝えるという使命を持っていると思います。とても大事なことで、素晴らしいお仕事だと思っています。

しかし同時に、遺族を追い詰めるという心の殺人を犯すリスクもあると思っています。

 

報道の自由、報道の競争原理、希望する遺族の言葉を世の中に伝えてくれる媒体でもある。様々な障壁があり、解決することが難しい問題だと思っています。

私やあいの会の意見としては、先程も申し上げたように、「どちらを選択するかを遺族に選択する余地を少しでも与えて欲しい。」というのが遺族としての意見です。

 

真実を伝えるという原理原則、報道の自由という権利、そして、遺族や被害者の人権。これらを複合的に考え、報道も社会も考え続けていく必要があるのだと私は思います。

 

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