最後の親孝行 | 温もりのメッセージ

温もりのメッセージ

人と動物との心の繋がりを大切に、主に犬猫の絵を通して、
彼らの心の純粋さ、愛情の深さを伝えていきたい

私はモモと言う名前の猫を飼っていま
した。

モモとは、近くのマンションの駐車場
の隅で出会いました。
出会ったときのモモは、まだ子猫でし
たが、人慣れはしていて明らかに誰か
に捨てられたとわかるような状態でし
た。
その日は小雪が舞う12月の初旬で、こ
のままでは死んでしまうと思い、迷う
ことなく我が家に連れて帰ったのです。
病院にも行きました。
幸いにも病気はなく、獣医さんの話だ
と生後3ヶ月ぐらいだろうとのことで
した。
私はその子猫にモモと名付けました。
そしてモモとの共同生活が始まったの
です。
私は一人暮らしで仕事をしていました
から、仕事の間はモモはお留守番にな
ります。
でも、モモはいたずらすることもなく、
大人しく私の帰りを待っていてくれま
した。

仕事から帰り、玄関を開けて、
「ただいま、モモ!」
そう言うと部屋の奥から「にゃー」と
返事をしながら、ゆっくり歩いてきて、
出迎えてくれたものです。
私はモモと暮らすようになって、動物
と暮らすことの幸せを実感したのです。
モモは私の大切な家族になりました。
それから私達2人家族は、18年という
月日を共に暮らしてきました。

モモがいる生活が当たり前になってい
ました。
でも、モモは年を取った・・・。
もちろん私も年を取ったけれど、モモ
はいつしか私の年を追い越してしまい
ました。
そして19回目の12月に入り、それまで
大きな病気ひとつしなかったモモでし
たが、明らかに弱ってきているのがわ
かるようになりました。
歩き方もおぼつかなくなって、ご飯も
あまり食べなくなって・・・。
一日の大半は寝て過ごす日々、私が仕
事から帰った時も、居間のコタツの中
で、寝たまま出迎えてくれない日も多
くなりました。

やがて年末年始を迎えた頃でした。
私の仕事は年末年始も関係ありません
から、いつもは連休は希望しないので
す。
ただ、この年末年始は3連休を取るこ
とに、2ヶ月以上前から決めていました。
モモはそのことを知っていたかのように、
私の連休中に、私が見守る中、安心して
眠るように息を引き取りました。
老衰でした・・・。

私の仕事が休みの日を選んで、しかもそ
の後のことも考えて、連休の時に逝って
くれたように思えて仕方ありませんでし
た。
これは私に迷惑をかけたくないという、
モモの最後の親孝行だったのでしょうか。
優しいモモ、最後までお母さんに気を使
ってくれて・・・。
動物は飼い主の気持ちを察して、行動し
てくれているのかもしれませんね。

今はまた一人暮らしに戻って淋しい日々
です。
仕事から帰ると、いつものようにモモが
「にゃー」と言いながら、ゆっくり歩い
てくるような気がしてなりません。
まだ涙は枯れませんが、モモが虹の橋で
心配してるといけないから、また一歩ず
つ前に進んでいこうと思います。
お母さん思いのモモのためにも・・・。

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このお話は愛猫を亡くした知人が話してく
れたことを元に書かせていただきました。
一緒に暮らしてきたペットは、飼い主を思
いやり、気遣うことがあると思います。
そう思える出来事はたくさんありますよね。
ペットと暮らしている人はよくわかるので
はないでしょうか。
人と動物は心を通わせることができます。
だからこそ最後まで大切に過ごしていきた
い、そう思いませんか。

にゃんにゃんにゃんの日に寄せて・・・。


最後の親孝行



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