菅首相の関心は、福島原発から、宮城沿岸・三陸、被災復興へ移ったのか?復興構想会議での冷めた様子はなぜだ。
福島原発事故発生後、
10km圏内で行方不明者の初めての本格的捜索が行われ、テレビに被災地の惨状が映し出された。
ガレキだけの廃墟のような風景のなかを、生き残った牛が駆ける姿などを、避難者の方が見られたら....暗い気持ちになった。
菅首相は、
震災発生後、自ら指揮を執るべくいち早く現地に飛ぶなど、原発事故に並々ならぬ熱意で臨んでいた。
菅首相自身が、東工大出身で原発に明るいとの自負もあったようだ。
しつこいほどの、
枝野官房長官の原発関連の会見をテレビで見つつ
・・大震災の被害に遭ったのは福島原発だけではない!・・と、
宮城や岩手の惨状に目を向けず原発対応に偏る政府の対応に不満を覚えたものだ。
ところが、
事態は改善していないにもかかわらず、いつの間にか、枝野官房長官の会見も激減し、代わって保安院や東電の会見にシフトした。
この間、菅首相にいたっては、会議や本部などの組織作りや、首相補佐官や内閣府参与などの取り込みに熱心なようで、滅多に表に出ず一体何をしているのか解らない状態だった。
復興会議初会合、原発は任務外との指示に委員ら異論
(2011/4/15 0:58 日経web)
復興構想会議の五百旗頭真議長は14日の同会議会合で、福島第1原子力発電所の問題について「なお危機管理的状況にあり、それ自体があまりにも大きな問題なのでこの会議の任務から外すと菅直人首相から指示をもらっている」と説明した。
これに対し、異論が続出。哲学者の梅原猛特別顧問は「この災害は天災であり、人災であり、文明災。文明がさばかれている」と原発事故を外すことに反論した。作家の玄侑宗久委員は「別に話し合って加える形にしないと福島県民にとって会議が意味のないものになってしまう」と述べた。
また、複数の委員からは「官僚が入っていないじゃないか。ノウハウを持っているのは官僚だ」との声も出た。脚本家の内館牧子委員は「絵に描いたモチを語り合っていると国民に思われたら、東北がつぶれる。この会議が何を目指しているのか、国民に知らしめる必要がある」と述べた。
驚いたことに、
首相肝いりの「復興構想会議」で・・「福島原発事故を会議の任務から外す」・・という意向を伝えていたらしい。
結果的には、委員からの異論噴出で原発事故の復興策も話し合われることになったが、菅首相が、福島原発問題から逃げ出したいとの思惑?、
或は、深手を負いたくないという責任回避の気持ち?の、
現われと勘ぐりたくもなる。
新聞社の世論調査などで、福島原発対応に大きな批判があるのに比べ、震災対策に対しては・・被災地に住むものとしては、信じがたいことだが・・評価す声が多かった。
世論調査の結果を見、菅首相や取り巻きのYESマン(福山某や寺田某などなど?)が、原発から被災地復興へ方向転換を図ることは、菅政権の保身・責任回避体質を考えると十分ありえることだ。
読売新聞の記事を借りると
しかし、
被災地の現時点での復興の推進力は、被災民の困難の中でも立ち上がろうとする強い意志、地元の自治体、漁業関係者や企業の復興への意欲、災害援助に携わる自衛隊、警察、医療関係者などの援助の力、ボランティアや国民の暖かい支援の手などであり、政府の力ではない。
そのような復興への槌音を、ちゃっかり政権浮揚に頂こうとは・・・虫が良すぎやしませんか?
(あくまでも個人の感想です。言い過ぎならごめんなさい)少なくとも、菅首相や政府が、福島原発問題深刻化とともに距離を置きつつあるのは間違いないようだ。