吸収合併され消滅会社となる泉北高速鉄道株式会社 | みぃちゃんず(鉄道部)

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ちょっと昔~現代の鉄道事情を実車や模型などを交えて。

先日、泉北高速鉄道が南海電鉄に経営統合されるとの発表が有りました。

もう既にブログ等で記事にされている方もいらっしゃるのですが、子供の頃から親しんだ鉄道会社が無くなってしまうのは悲しいことです(廃線になる訳ではないのですが)ので、元泉北高速ユーザーとしてちょっと思うところを書いてみようかと思います。(あくまで思うところです)

文字数多めなので年末に暇な方はどうぞ。

 

もう少し前に新京成電鉄が親会社の京成電鉄に吸収合併されるという話があって、その時は他人ごとのように思っていましたが、そう言えば泉北高速鉄道も南海電鉄の系列会社になっていたので、そういう可能性はあった訳ですね。

 

現在最も古い車両がこの3000系です。3000系の前には開業当時から走っていた100系がありましたが現在は残っていません。

3000系の一部の車両は南海に転籍して南海の3000系として今も活躍しています。

車輛的にはほぼ南海の6200系です。現在泉北高速に残るのは3000系改を含め24両です。

 

ちなみに南海に転籍した元泉北高速の3000系です。

左オデコの社章が外され、右オデコの形式番号が貫通扉に移動しています。

形式番号を見なければ6200系との違いが分からん・・・

 

3000系改は中間車を先頭車化改造して誕生した2両編成で増結などに使われています。2両編成は小回りが利くので便利使いされているようです。

以前は朝ラッシュ時に10両編成が走るほど混雑していたのですが、今では10両運転も終了し、最大でも8両編成になっています。

写真は2両×2の4両編成での臨時列車です。

 

泉北高速鉄道が南海の系列会社になるまでには紆余曲折があって、はじまりは大阪府都市開発株式会社の鉄道事業として昭和40年代に開業した路線で開発中の泉北ニュータウンの利用者を見込んだ開業でした。

なかもず~深井~泉ヶ丘の3駅間で開業した泉北高速鉄道は、栂・美木多、光明池、そして和泉中央と1駅ずつ延伸を繰り返し現在の路線となっています。

まあ、元々は大阪府の第三セクターの会社だったわけですね。

ちなみに車両には「大阪府都市開発株式会社」の銘板が妻板に取り付けられていました。今も3000系に付いているのかな?

 

5000系は純然たる泉北高速鉄道のオリジナル車両で、南海の車両に同型車はありません。

8両編成が5本の40両があります。アルミ合金の車体にVVVFインバータ制御で3000系からかなりの進化です。

 

いま進めている新塗装化もやめちゃう?南海電車の塗装にするんだったら新塗装は南海カラーになるのかな?

多分5000系や7000系には南海塗装は似合わないですよ。

 

ところが大阪府が2013年に泉北高速鉄道を含む大阪府都市開発株式会社を外資系のファンドに売却する案が出て沿線住民から猛反対をくらいます。

外資に売却すると金儲けに走ってしまうので安定した鉄道運営に支障が出るのではないか?運賃が下がらないのではないか?などが反対理由です。

そうした反対もあった中、外資と南海の2社の売却先の候補から、運賃の値下げを提案した南海に売却することになります。

その時は南海に売却されてよかったと安心したものです。

この後に泉北線各駅からなんばまでの運賃は南海高野線と同じ距離運賃になっていたので、その時から南海に合併する前提だったのかもしれませんね、今思えばですが。

 

7000系は現在26両在籍で2両、4両、6両編成があります。

前面貫通扉はプラグドアになっています。

 

そんなこともあり、南海が株式を取得してから10年、今回の吸収合併で泉北高速鉄道は消滅会社となるわけです。

自分としては阪急阪神ホールディングスみたいに鉄道会社名は残してほしいなと勝手に思っていただけに消滅は残念です。

3000系までの南海との統一規格から脱却し、泉北高速鉄道オリジナルの5000系、7000系など南海の車両よりも先進的な技術を導入した車両をしてきただけに残念でもあります。

9300系で再び南海統一規格に戻したのも保守メンテナンスの効率化などコスト的な効率化の点からも理にかなったものではありますが。

5000系や7000系の立場も危うくなるのかなー。特に8両固定編成で柔軟な運用ができない5000系が心配です、効率化重視で行くならばですが。

まあ南海のダイヤ修正で8両運転が増えるみたいだから大丈夫か。

 

9300系が登場するまで最新だった7020系は7000系に近い外観ですが、前面貫通扉が普通の貫通扉になってしまいました。

7020系は2両、4両、6両編成があり、柔軟な運用が可能です。

たった18両しかないのが残念です。

 

そんな訳で9300系は1編成8両限りで終了になるのでは?と思っています。

内装などは違いますが元々は8300系のコピーなので、3000系の置き換えは8300系でもいいってことになります。

デビューしたばかりですが、2025年には南海の塗装に変更されてしまって形式も8300に代わっているのかも知れませんね。

もう泉北高速鉄道の車両としては新車は登場させる必要もないですね、南海の電車でいいわけですから。

写真はデビュー時のヘッドマークを外された最近の9300系です。

 

となると泉北高速のオリジナルで残るのは泉北ライナー専用車の12000系だけになってしまうのかも知れません。

泉北線専用の特急車なんで、さすがにこれを高野線の特急色にするのはやめてほしい・・・しないと思うけど。

ゴールドで他の南海車とは一線を画するデザインで格好いい(と僕は思っています)ので。

あ、でも考えたら12000系も南海のサザンプレミアムの12000系と同じ車両です、見た目は塗装が違うだけで。

しかし土休日朝の泉北ライナーは乗車率が気になるところです。

 

泉北高速のラッピング電車もどうなってしまうのかな?

泉北高速鉄道は結構ラッピングが好きなんですが、逆に南海はラッピングをあまり見た記憶がないし。

沿線大学のラッピング車や沿線のパチンコ屋、児童館(ビッグバン)のラッピング車もありました。

ちなみにフルラッピングの広告費用は8両編成で1年間1500万円、ラッピング制作費用が1665万円ですと。(いずれも税別、南海広告社)

キャラクターのせんぼくんの活躍も来年度限りで終わってしまうのか?せっかく仲間も登場したのにね。

 

せんぼくんのお友達?ライバル?のブラックせんぼくん。

今年グッズデビューしたばかりなのにー!!

ブラックせんぼくんカラーの電車も走らせてほしかったんですが。

 

ラッピング車の車内、ドアに描かれたブラックせんぼくんとせんぼくん。

これを見るとライバルでなくお友達っぽく見えますが。

 

となると鉄道むすめの行方も気になるところです。

泉北高速のキャラクターの和泉こうみも失職するのか?

富山ライトレールの岩瀬ゆうこみたく行方不明にならないことを祈ります。

(ちなみにライトレールのホームページに飛ぶと真っ白なページが)

 

光明池の車庫もどうなることやら。車庫としての機能は残るかと思いますが、検修とかは南海の千代田に統合されてしまうのかも??

機能分散で残しておくのか、効率化で廃止してしまうのか。

千代田でも泉北車の検修ができるのならば、昔のように高野線で河内長野行きの区間急行とか泉北車で運行されるかもしれないですね。

(光明池車庫ができる前は千代田への入出庫も兼ねて高野線の運用がありました)

 

深井駅ホームのどでかい駅名標も無くなってしまうのかな・・・

遠くからでもよく目立つ駅名標です。

駅名標がホームの地面から生えてた時代の中百舌鳥駅で落書きされていたのを思い出します。

写真が残っていればいいんですが、「ふ か い」に「つ」と「よ」を落書きされて「ふつかよい」にされていました。

学生時代に友達を大笑いしたのを覚えています。今だったら器物損壊で捕まりますよね。

誰が書いたのか知りませんがおおらかな時代だったなーと思います。

 

という訳で後1年ちょっとで無くなる泉北高速鉄道について勝手に思うところを色々と書いてみました。

そうなるであろうことやそうならないであろうことや色々ですが、利便性向上や路線維持のため、発展的な解消であれば仕方のないことですし。

これからも準大手私鉄や中小私鉄が大手に吸収合併される例が増えていくのかも知れませんね。

次は能勢電が阪急に吸収合併されるかも?(それは無いだろうけど)