2021年のスピルバーグ版を観た。
ロミオとジュリエットが悲劇なので今まで敬遠していて、最後は2人とも死んでしまうのかと思い込んでいたのだが、観てみるとそうではなかったので意外だった。
マリアの歌声が透明感があって、高音域がとても美しかった。アニータの低めのキッパリとした歌声もすごく良くて、アニータの怒りとマリアの愛を訴える歌の掛け合いは聴きごたえがあった。
また、合間合間のダンスも迫力があって観ていて楽しかった。
ストーリー的には最後をどう捉えて良いのかわからず、モヤモヤした気持ちが残ってしまった。
チノは警察に事情を聞かれて、正直に話して逮捕されたのだろうか?
トニーはどこまで運ばれたのだろうか?
マリアはあの後どうするのだろうか?
エンディングの映像は朝陽が昇って行くイメージだったので、少しだけ明るい未来を想像しても良いのだろうか…。
もし私がはずみで人を殺してしまったら、恋愛どころではなくなって立ち直れない精神状態に陥ってしまうだろうと思ったが、トニーは違った。
もし私が兄弟姉妹を殺されてしまったら、たとえ愛していたとしても殺した相手をすぐには受け入れられないと思ったが、マリアは違った。
なので、感情移入しにくい映画ではあった。
でも、アニータの気持ちだけはすんなり入ってきた。思わず嘘を言ってしまった部分も理解できた。この話の中では、アニータが一番好感が持てた。